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1章 由雄と健太の夏休み

第50話 2階層探索

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 お茶会を終えた俺達はそのままパネルを操作し2階層へと降りてきた。ケーキを食べたファーナさんは気のせいでなければすごくご機嫌で足取りも軽くどこかふわふわとした動きをしている。

「んじゃ今日は右周りかな」

 今日移動する方向を決め歩き出そうとしたところで目の前からでかいものが転がってくるのが見えた。

「うわっちょっファーナさん!!」

 ふわふわとしていて周りをよく見ていなかったファーナさんを引っ張り慌てて転がってきたものを避ける。2日前に遭遇したでっかいコロンだ。

「うへぇ…いきなりかよってかおいっそいつパネル塞いでるぞ!」
「健太…どっちにしても倒さないと進めないからな?」

 距離を開けると転がってくる巨体とか放置できない。それにファーナさんはコロンにくっついて「ふわふわですぅ~」とケーキの食感でも思い出したのか役に立たない始末。

「ファーナさん…」
「ん~~?」
「いつまでもそのままだと…もう2度とケーキ持ってこないからな?」
「ふぇっ?!」

 うん、どうやら気合が入ったみたいだ。すぐに弓に矢を番えコロンが逃げないように足に打ち込んだ。今回は俺も頭を中心に杖でひたすら殴る。たまに前足が出てくるのでそれさえ気をつければ怖くはない。相変わらず健太もナイフでざくざくと急所を狙って刺しまくっている。

 今回は前回と違い3人で攻撃しまくったので思ったより早く倒せた。コロンが消えた後には宝箱が1つでたのを確認。どうやらボスとか宝箱を落とすやつは初回のみ人数分出て、後は1つくらいしかでないものみたいだな。中身は筒だったのだけ確認してしまうと、俺達は探索を再開した。
 もちろんリトルウルフに健太はかじられ続け、俺達は右周りの半分くらいを歩き終えた。そのまま歩き進め結局1週壁際を回ったのだが、タッチパネルらしきものは見当たらなかった。

「やっぱりでっかいコロンはボスじゃないのかな」
「どうなんだろうね…ひとまず外周は終わったから今度は中央とか目指してみようか?今のところ他の魔物見かけてないし、どうせ健太がかじられるだけだし?」
「うをいっ!」

 何度も何度もリトルウルフにかじられまくった健太のマントはこれがまあ…裾のほうがあっちこっち穴が貫通している箇所が増えている。知らない人が見ればそれで普通だと言えるぐらい綺麗に揃っていてちょっと面白い。

 今日は外周の地図が埋まったのでこれで引き上げることにしてマーケットで筒を確認すると『魔法《ファイアバレット》』だったので俺が貰うことになった。これで明日からは中央突破にチャレンジをすることになる。

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