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1章 由雄と健太の夏休み
第44話 2階層ボス遭遇?
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もうもうと上がる砂埃。少し悪い視界を眺めていると段々その姿が見えてきた。それはどう見ても大きな毛玉で、2本の長い耳が生えているでっかいコロンだった。
「よかったなリトルウルフじゃなくて」
「いや、その前にもうボスに遭遇とかそのほうがやばいって!!」
「コロンなら大きくても大丈夫じゃないかな?近すぎると体当たりしてこないし」
たしかに今までコロンは転がってくるところしか見たことがない。大きさが違うだけで1階層と同じくこれももしかしたらコロンの集合体なんだろうか。
何をしてくるかわからずじっと3人ででっかいコロンを眺める。見られている当のコロンも体の向きを変えこちらをじっと見ているようだ。
「きゅうううぅぅ~~?」
でっかいコロンが鳴き声を上げ首を傾げた。なんていうか…ボスだよな?その様子に気が緩みファーナさんと健太の目はかわいいものを見つけたみたいな雰囲気になっている。
ふらふらとした足取りで2人はでっかいコロンに近づいていく。なんか変じゃないか…確かにかわいいがダンジョンの中で意味もなく魔物に近づいていくなんて。不審に思った俺はその仲間には入らず後ろから様子を眺めていた。
「ああ~ふわふわ~」
「もっふもふだなっ」
2人はでっかいコロンの正面から抱きついた。視線を上に向けるとかわいらしいコロンの目が…目が?気のせいじゃなければ人を馬鹿にしたような目つきをしていた。いやいやいや…これかわいくないだろうっ
次の瞬間ゆっくりとでっかいコロンが両手を上げ前のめりに倒れだした。そうか、これは罠だったんだな。かわいい鳴き声で獲物をおびき寄せ油断したところで大きな体でのしかかる。
それに気がついた俺は慌てて健太とファーナさんの腕を引っ張る。
「おいっ潰されるぞ!」
すこしづつのしかかってくる重みに気がついて2人は急いででっかいコロンから横へと離れる。その後勢いを増したでっかいコロンがズズーンッと大きな音を立て再び砂埃を上げた。
「……」
「……」
その重量感のある音にさっきまでかわいいと張り付いていた健太とファーナさんの顔は引きつっている。
少しづつ晴れていく砂埃を眺めているとすぐに起き上がれないのかでっかいコロンがじたばたとしていた。
「これってチャンスなんじゃないか?」
「やっぱりそう思う??」
「一斉攻撃だーーっ!!」
早速合成したばかりの魔石に健太は魔力を込め背中に乗り首があると思われるあたりを背後から突き刺しまくる。ファーナさんも弓で確実に急所だと思う箇所、額、目、首、起き上がれないように手足に矢を打ち込んでいく。
俺?そんな2人の急激な態度の変化についていけずその様子を眺めていたよ。
血だらけになり身動きが取れなくなったでっかいコロンは次第に動かなくなって、すーっと姿が消えていった。
なんてあっけない2階層のボスだったんだろう。
「よかったなリトルウルフじゃなくて」
「いや、その前にもうボスに遭遇とかそのほうがやばいって!!」
「コロンなら大きくても大丈夫じゃないかな?近すぎると体当たりしてこないし」
たしかに今までコロンは転がってくるところしか見たことがない。大きさが違うだけで1階層と同じくこれももしかしたらコロンの集合体なんだろうか。
何をしてくるかわからずじっと3人ででっかいコロンを眺める。見られている当のコロンも体の向きを変えこちらをじっと見ているようだ。
「きゅうううぅぅ~~?」
でっかいコロンが鳴き声を上げ首を傾げた。なんていうか…ボスだよな?その様子に気が緩みファーナさんと健太の目はかわいいものを見つけたみたいな雰囲気になっている。
ふらふらとした足取りで2人はでっかいコロンに近づいていく。なんか変じゃないか…確かにかわいいがダンジョンの中で意味もなく魔物に近づいていくなんて。不審に思った俺はその仲間には入らず後ろから様子を眺めていた。
「ああ~ふわふわ~」
「もっふもふだなっ」
2人はでっかいコロンの正面から抱きついた。視線を上に向けるとかわいらしいコロンの目が…目が?気のせいじゃなければ人を馬鹿にしたような目つきをしていた。いやいやいや…これかわいくないだろうっ
次の瞬間ゆっくりとでっかいコロンが両手を上げ前のめりに倒れだした。そうか、これは罠だったんだな。かわいい鳴き声で獲物をおびき寄せ油断したところで大きな体でのしかかる。
それに気がついた俺は慌てて健太とファーナさんの腕を引っ張る。
「おいっ潰されるぞ!」
すこしづつのしかかってくる重みに気がついて2人は急いででっかいコロンから横へと離れる。その後勢いを増したでっかいコロンがズズーンッと大きな音を立て再び砂埃を上げた。
「……」
「……」
その重量感のある音にさっきまでかわいいと張り付いていた健太とファーナさんの顔は引きつっている。
少しづつ晴れていく砂埃を眺めているとすぐに起き上がれないのかでっかいコロンがじたばたとしていた。
「これってチャンスなんじゃないか?」
「やっぱりそう思う??」
「一斉攻撃だーーっ!!」
早速合成したばかりの魔石に健太は魔力を込め背中に乗り首があると思われるあたりを背後から突き刺しまくる。ファーナさんも弓で確実に急所だと思う箇所、額、目、首、起き上がれないように手足に矢を打ち込んでいく。
俺?そんな2人の急激な態度の変化についていけずその様子を眺めていたよ。
血だらけになり身動きが取れなくなったでっかいコロンは次第に動かなくなって、すーっと姿が消えていった。
なんてあっけない2階層のボスだったんだろう。
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