2 / 243
1章 由雄と健太の夏休み
第2話 地下
しおりを挟む
6/18、健太視点を後半に追加しました
────────────────────
薄暗い地下へと続く階段を降りていく。時折後ろを歩いている健太が壁や足元を照らし周りを確認しているのか光がふらふらと移動していた。そのおかげで状況もわかりやすくなっているのだが、壁や天井、それに床というか階段も土や岩で出来ており、洞窟みたいに見える。
「…98、99、100。おおっ丁度100段だなこの階段」
健太はのんきだった。俺はそんな階段の段数はどうでもよくて、地面に穴が続いていないのにこれだけの深さに潜れる穴が不可解でならない。
階段を降りきるとひとまず壁伝いに周りを確認して歩く。そこはそれほど広さはなく、6畳…いや8畳かもしれないがそれくらいの広さが壁で囲まれていた。
「なんもないな」
「いや…あそこだけ変だ」
丁度階段から真っ直ぐ前に向かったあたりの壁に一部他の壁と違う場所があった。それは表面がつるっとしていてまるでスマホなどの表面と同じ作りに見える。
「ほんとだ、なんかタッチパネルみたいだな。んー…えいっ」
「ばっおま…試すなら自分の手でやれよ!」
あろう事か健太は俺の手首を掴みそのパネルみたいな所に押し付けた。ちょっとは警戒しろって話だ。
『ピピッ…セイタイハンノウ…カクニン。ショウゴウ…ナシ。シンキトウロク…カンリョウ。』
するといきなりそのパネルから声のようなものが聞こえてきた。
「ちょっ…なんか登録されたんだけど!」
「なんの登録なんだろう…俺もやってみるかな」
先に人にやらせておいて触る分には問題ないとわかったとたん健太もパネルに触れた。そしたらやっぱりおんなじ声が同じ内容を言ってきた。
2人のなにかしらの登録が終了すると、周辺から軽い振動が伝わってくる。一瞬地震かとも思ったがよく周りを見ているとそのパネルの直ぐ横手の壁がゆっくりと開くのがわかった。
「うをををおをををお…!!」
「お前の声のがうるさいわっ」
健太が興奮して叫ぶから逆にこっちは冷静に様子を眺めることが出来る。振動が止まると目の前にはさらに奥へと続く通路があわられていた。思わず自分の喉がゴクリと鳴るのが静まり返った地下で響くのが聞こえたきがする。
慎重にまずは手だけ通路に入れてみるが何も違和感もなくすんなりと通路に手が入った。出し入れを繰り返し安全を確認下後、今度は頭から入り懐中電灯で左右の壁を確認する。そうするとやっぱりこっち側にも同じようなパネルがついていた。
そのパネルがなんなのか確認しようと眺めていると、すでに中に入ってしまった健太が通路の先から声を掛けてくる。
「なにしてんだ、よっすーも早くこいよっ」
「…おい、おまえは警戒というものを知らんのか」
ため息をつきつつもすでに健太が中にいてなんともなさそうなので俺もそのまま通路に足を踏み入れた。
…それが失敗だったと気がついたのは、2人が足を踏み入れてしまった後で、気がついた時にはすでに背後に開いていた出入り口は完全に閉じていた。
────────────────────
薄暗い階段をおりながら、俺は周りを見渡す。天井、壁、床というか階段…全部似たようなゴツゴツしたつくりをしている。洞窟ってやつかな?ちょっと冒険っぽくてワクワクしてきた。
「…98、99、100。おおっ丁度100段だなこの階段」
だからついつい階段の段数とか数えてみたり、壁に手をつきおりきった部屋みたいなところで壁伝いに歩いてみたりとかしてみた。思ったよりは広くないみたいだな。
「なんもないな」
「いや…あそこだけ変だ」
よっすーが変だといって指している方を見るとたしかに壁に何かつるっとしたものがあるのがわかる。まるでゲーム機の画面みたいだなーと思い、それならばと俺はおもむろによっすーの手を掴んでその画面に触らせてみた。
「ほんとだ、なんかタッチパネルみたいだな。んー…えいっ」
「ばっおま…試すなら自分の手でやれよ!」
なんで自分の手でやらないのかだって?いやいやいや…怖いとかじゃないよ?ただ純粋によっすー一番乗りで触らせてあげただけだよ?
『ピピッ…セイタイハンノウ…カクニン。ショウゴウ…ナシ。シンキトウロク…カンリョウ。』
うををををっなんか声がした!やばいテンション上がるっ
「ちょっ…なんか登録されたんだけど!」
「なんの登録なんだろう…俺もやってみるかな」
俺もやってみるとやっぱり同じ声がした。何か登録されたことは間違いがないみたいだ。2人で登録を終えると、その画面のすぐ左側が音を立てて開いた。どうやら奥に続いているみたいだ。
「うをををおをををお…!!」
「お前の声のがうるさいわっ」
やべーこれはやばい。男心がうずくと言うか、なんていうかあれだ。もう冒険するしかないじゃん?そんな感じ。よっすーが慎重に様子を見ているけど、俺はそんなことは気にせずさっさと中へと入る。少しだけ薄暗いけどまったく見えないと言うほどじゃない明るさ。ゴツゴツとした岩壁、天井、床。これは洞窟ってやつだろうか。
「なにしてんだ、よっすーも早くこいよっ」
「…おい、おまえは警戒というものを知らんのか」
よっすーが遅くて声かけた。でも恐る恐る入ってきて相変わらずなチキンッぷり。チキン…鶏肉か…今日の夜からあげとかいいかもな。
────────────────────
薄暗い地下へと続く階段を降りていく。時折後ろを歩いている健太が壁や足元を照らし周りを確認しているのか光がふらふらと移動していた。そのおかげで状況もわかりやすくなっているのだが、壁や天井、それに床というか階段も土や岩で出来ており、洞窟みたいに見える。
「…98、99、100。おおっ丁度100段だなこの階段」
健太はのんきだった。俺はそんな階段の段数はどうでもよくて、地面に穴が続いていないのにこれだけの深さに潜れる穴が不可解でならない。
階段を降りきるとひとまず壁伝いに周りを確認して歩く。そこはそれほど広さはなく、6畳…いや8畳かもしれないがそれくらいの広さが壁で囲まれていた。
「なんもないな」
「いや…あそこだけ変だ」
丁度階段から真っ直ぐ前に向かったあたりの壁に一部他の壁と違う場所があった。それは表面がつるっとしていてまるでスマホなどの表面と同じ作りに見える。
「ほんとだ、なんかタッチパネルみたいだな。んー…えいっ」
「ばっおま…試すなら自分の手でやれよ!」
あろう事か健太は俺の手首を掴みそのパネルみたいな所に押し付けた。ちょっとは警戒しろって話だ。
『ピピッ…セイタイハンノウ…カクニン。ショウゴウ…ナシ。シンキトウロク…カンリョウ。』
するといきなりそのパネルから声のようなものが聞こえてきた。
「ちょっ…なんか登録されたんだけど!」
「なんの登録なんだろう…俺もやってみるかな」
先に人にやらせておいて触る分には問題ないとわかったとたん健太もパネルに触れた。そしたらやっぱりおんなじ声が同じ内容を言ってきた。
2人のなにかしらの登録が終了すると、周辺から軽い振動が伝わってくる。一瞬地震かとも思ったがよく周りを見ているとそのパネルの直ぐ横手の壁がゆっくりと開くのがわかった。
「うをををおをををお…!!」
「お前の声のがうるさいわっ」
健太が興奮して叫ぶから逆にこっちは冷静に様子を眺めることが出来る。振動が止まると目の前にはさらに奥へと続く通路があわられていた。思わず自分の喉がゴクリと鳴るのが静まり返った地下で響くのが聞こえたきがする。
慎重にまずは手だけ通路に入れてみるが何も違和感もなくすんなりと通路に手が入った。出し入れを繰り返し安全を確認下後、今度は頭から入り懐中電灯で左右の壁を確認する。そうするとやっぱりこっち側にも同じようなパネルがついていた。
そのパネルがなんなのか確認しようと眺めていると、すでに中に入ってしまった健太が通路の先から声を掛けてくる。
「なにしてんだ、よっすーも早くこいよっ」
「…おい、おまえは警戒というものを知らんのか」
ため息をつきつつもすでに健太が中にいてなんともなさそうなので俺もそのまま通路に足を踏み入れた。
…それが失敗だったと気がついたのは、2人が足を踏み入れてしまった後で、気がついた時にはすでに背後に開いていた出入り口は完全に閉じていた。
────────────────────
薄暗い階段をおりながら、俺は周りを見渡す。天井、壁、床というか階段…全部似たようなゴツゴツしたつくりをしている。洞窟ってやつかな?ちょっと冒険っぽくてワクワクしてきた。
「…98、99、100。おおっ丁度100段だなこの階段」
だからついつい階段の段数とか数えてみたり、壁に手をつきおりきった部屋みたいなところで壁伝いに歩いてみたりとかしてみた。思ったよりは広くないみたいだな。
「なんもないな」
「いや…あそこだけ変だ」
よっすーが変だといって指している方を見るとたしかに壁に何かつるっとしたものがあるのがわかる。まるでゲーム機の画面みたいだなーと思い、それならばと俺はおもむろによっすーの手を掴んでその画面に触らせてみた。
「ほんとだ、なんかタッチパネルみたいだな。んー…えいっ」
「ばっおま…試すなら自分の手でやれよ!」
なんで自分の手でやらないのかだって?いやいやいや…怖いとかじゃないよ?ただ純粋によっすー一番乗りで触らせてあげただけだよ?
『ピピッ…セイタイハンノウ…カクニン。ショウゴウ…ナシ。シンキトウロク…カンリョウ。』
うををををっなんか声がした!やばいテンション上がるっ
「ちょっ…なんか登録されたんだけど!」
「なんの登録なんだろう…俺もやってみるかな」
俺もやってみるとやっぱり同じ声がした。何か登録されたことは間違いがないみたいだ。2人で登録を終えると、その画面のすぐ左側が音を立てて開いた。どうやら奥に続いているみたいだ。
「うをををおをををお…!!」
「お前の声のがうるさいわっ」
やべーこれはやばい。男心がうずくと言うか、なんていうかあれだ。もう冒険するしかないじゃん?そんな感じ。よっすーが慎重に様子を見ているけど、俺はそんなことは気にせずさっさと中へと入る。少しだけ薄暗いけどまったく見えないと言うほどじゃない明るさ。ゴツゴツとした岩壁、天井、床。これは洞窟ってやつだろうか。
「なにしてんだ、よっすーも早くこいよっ」
「…おい、おまえは警戒というものを知らんのか」
よっすーが遅くて声かけた。でも恐る恐る入ってきて相変わらずなチキンッぷり。チキン…鶏肉か…今日の夜からあげとかいいかもな。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
魔女を求めて今日も彼らはやって来る。
まるねこ
ファンタジー
私の名前はエイシャ。私の腰から下は滑らかな青緑の鱗に覆われた蛇のような形をしており、人間たちの目には化け物のように映るようだ。神話に出てくるエキドナは私の曽祖母だ。
私が住むのは魔女エキドナが住む森と呼ばれている森の中。
昼間でも薄暗い森には多くの魔物が闊歩している。細い一本道を辿って歩いていくと、森の中心は小高い丘になっており、小さな木の家を見つけることが出来る。
魔女に会いたいと思わない限り森に入ることが出来ないし、無理にでも入ってしまえば、道は消え、迷いの森と化してしまう素敵な仕様になっている。
そんな危険を犯してまで森にやって来る人たちは魔女に頼り、願いを抱いてやってくる。
見目麗しい化け物に逢いに来るほどの願いを持つ人間たち。
さて、今回はどんな人間がくるのかしら?
※グロ表現も含まれています。読む方はご注意ください。
ダークファンタジーかも知れません…。
10/30ファンタジーにカテゴリ移動しました。
今流行りAIアプリで絵を作ってみました。
なろう小説、カクヨムにも投稿しています。
Copyright©︎2021-まるねこ
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。/自称悪役令嬢な妻の観察記録。
しき
ファンタジー
優秀すぎて人生イージーモードの王太子セシル。退屈な日々を過ごしていたある日、宰相の娘バーティア嬢と婚約することになったのだけれど――。「セシル殿下! 私は悪役令嬢ですの!!」。彼女の口から飛び出す言葉は、理解不能なことばかり。なんでもバーティア嬢には前世の記憶があり、『乙女ゲーム』なるものの『悪役令嬢』なのだという。そんな彼女の目的は、立派な悪役になって婚約破棄されること。そのために様々な悪事を企むバーティアだが、いつも空回りばかりで……。婚約者殿は、一流の悪の華を目指して迷走中? ネットで大人気! 異色のラブ(?)ファンタジー開幕!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる