9 / 31
彼女と駆け落ちすると?上
しおりを挟む
僕はルイ、貴族だ。
そんな僕には許嫁がいる。
今、僕の目の前にいる彼女こそ、その許嫁のフィローネだ。
しかしそんな彼女は僕に無関心だ。
僕がたとえ女性と居ようが約束を無視しようが何も言わずただそこにいるだけだった。
しかしそんな僕にも心から好きな人がいた。
その人はミネアだ。
ただの街娘だけど僕のことを好いてくれていて、僕が貴族ということを伝えてもそばに居てくれていた。
僕はこの家を継がなければならいない。だからフィローネと結婚しなければいけないのは分かっている。けど僕のことを好いてもいない人と結婚しなければいけないのは嫌だ。
幸い僕には弟がいる。だから僕一人がいなくなっても大丈夫だろう。
そんなことを考えていても彼女は目の前で紅茶を啜っているだけだ。
僕は「こんなことをしてて楽しいのか?」と聞いてみる。しかし彼女は僕を無視して紅茶を飲んでいる。
そんな日が続き、僕は限界だった。
とある日、僕はミネアに言う、
「僕と、駆け落ちしてくれ」と、普通の人であれば到底受け入れ難いものだったはずなのにミネアは「嬉しい」と一言だけ言って了承してくれた。
そうしてその夜僕達は家からお金や色んなものを持って街を出た。
僕達はふたり平原を歩いていた。
ふたりで見る星空はなんとも言い表せない背徳感の様なもので満たされていた。
「すっごく星空が綺麗だね!」と彼女は嬉しそうにそう言う。
その姿は星空に引けを取らない、いやそれ以上の魅力があった
僕は「あぁ、そうだね」と言い僕達は別の国へと向かった。
そうして歩くこと数日
僕達は隣国に来ていた。
僕たちが駆け落ちしたことはまだ内密になっているのか、そこで数日経っても広がることは無かった。
そこで僕達はここて戸籍と家を買うことにした。
幸い家から抜け出した時に僕が引き出せる限界を引き出していたのでそれらを買っても十分に暮らせるほどのお金が余っていた。
そうして僕達は買った家に向かいその家の扉を開く。
そこは住んでいた家よりもずっと質素だったが、今の僕たちには城よりも輝いて見えるほど希望に満ちていた。
それから数日がたったある日、僕達は話し合いをしていた。
「そろそろ、生活が安定してきたし結婚しない?」と彼女は言ってくる。
その言葉に僕は嬉しかった。
ここまで着いてきてくれたから受け入れてくれるだろうとは思っていたけど、どこか心のなかで断られるかもしれないという恐怖があったのだ。
しかしその言葉を聞いて僕は彼女と手を取り、
「僕と、結婚してください」と言うのだった。
そうして次の日、僕達は無事に夫婦になった。
そこからの日は天国のようだった。
フィローネといた日々の方が豪華だったのにこの日々の方が楽しく、自分を出せる日々だった。
僕は仕事を見つけ、働き、帰ってくる。
すると彼女は温かいご飯を作って待っていてくれていた。
それは、楽しくて、煌めいていて、自由になったような気分だった。
そんな僕には許嫁がいる。
今、僕の目の前にいる彼女こそ、その許嫁のフィローネだ。
しかしそんな彼女は僕に無関心だ。
僕がたとえ女性と居ようが約束を無視しようが何も言わずただそこにいるだけだった。
しかしそんな僕にも心から好きな人がいた。
その人はミネアだ。
ただの街娘だけど僕のことを好いてくれていて、僕が貴族ということを伝えてもそばに居てくれていた。
僕はこの家を継がなければならいない。だからフィローネと結婚しなければいけないのは分かっている。けど僕のことを好いてもいない人と結婚しなければいけないのは嫌だ。
幸い僕には弟がいる。だから僕一人がいなくなっても大丈夫だろう。
そんなことを考えていても彼女は目の前で紅茶を啜っているだけだ。
僕は「こんなことをしてて楽しいのか?」と聞いてみる。しかし彼女は僕を無視して紅茶を飲んでいる。
そんな日が続き、僕は限界だった。
とある日、僕はミネアに言う、
「僕と、駆け落ちしてくれ」と、普通の人であれば到底受け入れ難いものだったはずなのにミネアは「嬉しい」と一言だけ言って了承してくれた。
そうしてその夜僕達は家からお金や色んなものを持って街を出た。
僕達はふたり平原を歩いていた。
ふたりで見る星空はなんとも言い表せない背徳感の様なもので満たされていた。
「すっごく星空が綺麗だね!」と彼女は嬉しそうにそう言う。
その姿は星空に引けを取らない、いやそれ以上の魅力があった
僕は「あぁ、そうだね」と言い僕達は別の国へと向かった。
そうして歩くこと数日
僕達は隣国に来ていた。
僕たちが駆け落ちしたことはまだ内密になっているのか、そこで数日経っても広がることは無かった。
そこで僕達はここて戸籍と家を買うことにした。
幸い家から抜け出した時に僕が引き出せる限界を引き出していたのでそれらを買っても十分に暮らせるほどのお金が余っていた。
そうして僕達は買った家に向かいその家の扉を開く。
そこは住んでいた家よりもずっと質素だったが、今の僕たちには城よりも輝いて見えるほど希望に満ちていた。
それから数日がたったある日、僕達は話し合いをしていた。
「そろそろ、生活が安定してきたし結婚しない?」と彼女は言ってくる。
その言葉に僕は嬉しかった。
ここまで着いてきてくれたから受け入れてくれるだろうとは思っていたけど、どこか心のなかで断られるかもしれないという恐怖があったのだ。
しかしその言葉を聞いて僕は彼女と手を取り、
「僕と、結婚してください」と言うのだった。
そうして次の日、僕達は無事に夫婦になった。
そこからの日は天国のようだった。
フィローネといた日々の方が豪華だったのにこの日々の方が楽しく、自分を出せる日々だった。
僕は仕事を見つけ、働き、帰ってくる。
すると彼女は温かいご飯を作って待っていてくれていた。
それは、楽しくて、煌めいていて、自由になったような気分だった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました
utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。
がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる