桜色に染まる

雨峰心優

わたしはきっと貴方がいないと何もできない。

私の名前は雨峰心優。
私はいじめられていた。それもカースト最上位である、七瀬沙羅に。
最初はすれ違った時に悪口を言われるだけだったが、しだいに、掃除を押し付けられ、隠れているところを殴られ、次第には放課後、複数人から殴られたら、蹴られたりもした。
でもそんな私を支えてくれたのは彼、蒼輝くんだった。彼は私に優しくしてくれて、いじめられていることにも気づかずに関わってくれた人だった。
ある時、沙羅にいわれた。
「もう2度と蒼輝くんに近づかないで」
その言葉を聞いた時、私は初めて言い返した。
「嫌だ。彼はこんな私にもやさしくしてくれる人だし何より、私の好きな人だから。」
そう言い返すと、彼女は
「あんたってほんとバカよね！」
とそんなことを言われる。
「あんたに蒼輝くんに釣り合うわけないじゃない！あぁかわいそうに私の蒼輝くんこんなやつでも幼馴染のよしみで関わってあげてるのね！？そんなところも素敵だわ！」
狂ってる。
そう思った。自分の中で勝手に神格化して、自分は関わりもせず、彼の性格を勝手に決めつけて、すると、自分でも驚くほど、言い返せた。
「あなたは蒼輝くんのことを見てないのね。」
「は？」
明らかに殺意がこもっていた。
「あんたなんて生きてる価値ないのよ、蒼輝くんの隣に立てるのはこの私だけなの。だからあんたは邪魔なの、よっ！」
胸ぐらを掴まれ、こかされたあと、腹部を蹴られた。
（痛い、泣きそう、でもそれじゃあこの人に負けたことになる）その一心で涙が出ないようにした。
やがて、蹴りが止み、
「これで懲りたらもう2度と私の蒼輝くんに関わらないで」
そういって彼女は教室を出た。
靴箱に行くと蒼輝くんと彼女が話していた。
少しすると、不満げな様子で彼女は帰って行った。
そして彼に近づくと、
「遅いから心配してたんだよ？何かあったの？」
そう言われて、私は耐えきれずに涙を流した。
彼に抱きついて、泣いて、頭を撫でてもらった。そして彼はただ笑って私の頭を撫でてくれていた。
そして、私は決意したのだ。










卒業の時、私は彼に告白すると。
それがたとえ、どんな結末になろうと...