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第三章 追放令嬢リュドミラ
第六十六話 魔物の正体
しおりを挟む「お前たち……どうしてここに?」
「魔物が裏手に飛び去ったのを見て、追いかけてきたのです」
弱弱しい声で尋ねる国王を、騎士団長が肩を貸しながら答える。そして、少しだけ声のトーンを落としながら言った。
「……先ほどの会話も、全て聞かせていただきました」
その言葉に、国王は声が出せなかった。王家のしでかしたことが、全て明るみになったも同然ということだ。
国王は恐る恐る兵士たちにも表情を向ける。兵士たちは皆、気まずそうに視線を逸らした。それを見て、もはや逃れる術はないのだと理解できてしまう。
「おい、お前たち! 国王様を安全なところへ!」
騎士団長は兵士たちに向かって声を上げた。
「しっかり守り通すんだ。要らんことをさせないという意味でもな!」
「――はっ!!」
その言葉を汲み取った兵士が、ビシッと敬礼をしながら、力強い返事をする。そして兵士たちは、国王を連れて歩き出した。
「すぐに応援を呼んできます!」
「頼む!」
騎士団長に声をかけ、兵士たちが王宮の内部へと入っていったと同時に――
「グルァアアーーーッ!!」
魔物が逃がすかと言わんばかりに飛びかかってきた。
すかさずアヤメが前に躍り出て、魔物の顔に魔法をぶつける。顔面に思いっきり直撃したことで、魔物は後方にのけぞるが、すぐに体勢は立て直された。
「はぁっ!」
そこにリュドミラが魔法を放つ。魔物の視線が彼女に向けられたその隙に、ミナヅキはアイテムボックスからエーテルを取り出した。
「アヤメ、使え!」
「どーもっ!」
投げつけられた瓶を受け取り、アヤメはそれを一気にあおる。スッキリとした味わいとともに、体の奥底から魔力が湧き上がってきた。
エーテルの瓶をミナヅキに投げ返し、アヤメは短剣を抜いて走り出す。
リュドミラが引きつけたのが大きな隙となり、その大きな体に魔力を宿した短剣が素早く切り付けられる。真っ黒な血を噴き出させ、魔物をよろめかすことはできたものの、致命傷には至っていない。
「――ボァアアアアァァァーーーーッ!!」
凄まじい咆哮が解き放たれるとともに、魔物の体の色が変化する。目は赤く光っており、息は途轍もなく荒い。
狂暴性が極限まで増してしまった――その場にいる者全員がそう悟った。
「もはや、一刻の猶予もないわね」
アヤメは自分の頬に、冷たい液体が伝うのを感じた。リュドミラはミナヅキから受け取ったエーテルを飲み、魔力を回復させる。そして息を整えつつ、アヤメの隣に並んだ。
「なんとかしなきゃ……行きましょう、アヤメさん!」
「えぇ!」
リュドミラとアヤメが一斉に動き出す。先に魔法を打ったのはアヤメだった。攻撃が命中し、魔物の視線がほんの一瞬アヤメに向けられた隙に、リュドミラが短剣で切りかかろうとする。
しかし魔物は、それを即座に打ち払ってしまった。
「やばっ――」
打ち払われた衝撃で、リュドミラの体はがら空き状態となった。そこに魔物の鋭い爪を誇る手が振りかぶられる。
引き裂かれる――そう危惧した時。
――ぎぃんっ!
魔物の爪と、騎士団長の長剣がぶつかり合う。彼が素早く間に入ったのだ。
長剣でそれを打ち払い、距離をとりながら騎士団長は呼びかける。
「大丈夫か?」
「えぇ、どうも」
「それはなによりだ――来るぞ!」
騎士団長とリュドミラは動き出す。その直後、二人のいた場所の地面に、魔物の拳がたたきつけられた。
すかさず魔物が振り返り、再び腕を振り上げる。
そこには――
「集約する青き魔力、今ここに解き放つ――マジックブラスト!」
アヤメがしっかりとスタンバイしていた。稼がれた時間を利用して、ため込んだ魔力を一気に解き放つ。
その凄まじい衝撃で魔物を仰向けに倒れさせる。しかしすぐに立ち上がった。まるで何事もなかったかのように。
「くっ、それなら――」
アヤメは再び魔法の発動に入る。それを察したリュドミラと騎士団長が、時間を稼ぐべく動き出した。
魔物が腕を振りかぶるのに合わせる形で、騎士団長が長剣を振るう。しかし魔物は更に力が増し、さっきは止めることができていた剣は、あっけなく弾き飛ばされてしまった。
「こんのぉーっ!」
リュドミラが魔法を放つ。しかしそれも素早い身のこなしで躱され、その勢いに乗って魔物はリュドミラへと一気に迫る。
「はぁっ!」
その時、魔物の右目にナイフが突き刺さった。思わぬ衝撃に、魔物は咆哮を上げながらよろめく。
「ご無事でなによりです、お嬢様」
「爺や……」
リュドミラが見上げると、ラスカーの微笑みが視界に飛び込んできた。
幼い頃からいつも自分を助けてくれた。そしていつも、自分のことを一番に見ていてくれた。
何故かリュドミラは、それを今思い出していた。
「さぁ、行くわよ!」
アヤメの勇ましい声が響き渡る。その手元に集められた魔力は、神々しい七色に光り輝いていた。
「集約する七色の魔力、今ここに凝縮し、一つとなりて解き放つ――」
それは数ヶ月前の夏、偶然にも発動させることができた必殺の魔法だった。
完全にモノにするべく修行を積み重ね、ようやく完成させた。あの時みたく、ミナヅキの調合薬による魔力の底上げも一切ない。正真正銘、アヤメ自身による魔法となって、解き放たれようとしていた。
「喰らいなさい! 覚醒の魔法――エーテルブラスト!!」
七色の光が混じり合い、それが一直線の光となって魔物に向かってゆく。それは見事命中し、凄まじい大爆発を起こしたが――
「ウソ……」
白い煙が晴れたその光景を見て、アヤメは思わず呆然とする。
発動は成功していた。手ごたえもあった。しかし魔物は倒れておらず、赤い目を光らせ、睨みつけてきている。
信じられなかった。完成させてからも、これを受けて倒れなかった魔物は見たことがなかった。それ故に勝利を確信していたというのに。
「マジかよ……エーテルブラストでもダメなのか?」
ミナヅキもアヤメと同じく、勝利を確信していただけに、目の前の光景に驚きを隠せないでいた。
その時――
「グルルルルル――」
唸り声を上げる魔物の体が光り出した。まるでヴェールのような淡い光が、魔物に付けられた傷を修復させていく。
「グオオオオオォォォーーーーッ!!」
魔物は凄まじい咆哮を上げる。また振り出しに戻ってしまった――その事実が、その場にいる者たちを大いに絶望させる。
騎士団長さえも、流石の展開に膝をついていた。
「なんてヤツだ……」
その表情は、表の広場で見せていた兵士たちの表情と同じであった。無論、本人に自覚は全くないが。
するとここでラスカーが、魔物の様子のある部分に気づいた。
「あの魔物、何かしらの魔力を纏っているようですな」
「魔力?」
リュドミラが反応し、改めて魔物の体を注意深く見る。確かにそれはあった。よく見ないと分からないレベルではあるが。
「纏ってるね。それもすっごい禍々しい感じの」
「えぇ……あれを引っぺがすことさえできれば、あるいは……」
「引っぺがすって、そんな手段あるの?」
リュドミラが問い詰めるも、ラスカーは力なく首を左右に振る。それを聞いていた騎士団長もアヤメも、悔しそうな表情を浮かべていた。
そんな中、ミナヅキは少し引っかかっている部分があった。
「魔力を引っぺがす……っ!!」
そして思い出した。この国に来てから、新しく調合した薬の存在を。
(確かあの薬の効果は――とにかくやってみるしかないな!)
ミナヅキはアイテムボックスから小瓶を取り出しつつ、唸り声を上げている魔物を見据えるのだった。
◇ ◇ ◇
(ダメージを与えても回復されちゃうなんて……どうすればいいの?)
アヤメは追い詰められていた。一番の決め技が通用せず、何回でも振り出しに戻ってしまうことが発覚し、本当の意味で打つ手がなくなっていた。
しかしそれでも、魔物が待ってくれないことも、よく分かっていた。
「――来るわよ!!」
叫びながら動き出す。更に速さが増した動きで振り下ろされる爪。もし巻き込まれでもしたら、血みどろでは済まないだろうと恐怖する。
「アイツの動きを止めろ! できれば十秒くらい!」
後方からそれは聞こえた。動きながら振り返ると、ミナヅキが冷や汗を流しながらもニッと笑っているのが確かに見えた。
(……何か思いついた?)
アヤメは理屈抜きにそんな気がした。そして彼の言葉に従うことにした。どうせ他に策は何もない、彼の言葉に全てを賭けてみよう、と。
「頼むわよ」
そう呟きながらアヤメは、真っすぐ魔物に向かって動き出す。
俊敏な動きで飛びかかってくる魔物を、アヤメは走りながら体をひねって交差するように躱し、そのまま魔物の足を短剣で切りつけた。
魔物が着地すると同時によろめく。切られた足の痛みでバランスを崩したのだ。その隙にアヤメは、再び魔力を溜めていった。
「立ち上がらせないわ――マジックブラストぉーっ!!」
小さめの青い魔力が光となって、足に命中した魔物はひっくり返る。それでも魔物は立ち上がろうとしたが、そこにラスカーがナイフを投げつけ、更に足への傷を増やしていった。
しかしここで、再び魔物の体が光り出す。傷が修復し、魔物が立ち上がろうとしたその瞬間――
「今だっ!!」
リュドミラが魔法を仕掛けた。しかしそれは攻撃魔法ではない。
魔物の足元に大きな魔法陣が展開され、そこから無数の鎖が飛び出し、魔物の体に纏わりつく。がしゃぁん――金物の音とともに、魔物の体はしっかりと固定されるように締め付けられた。
アヤメたちが呆然とする中、リュドミラはニヤリと笑う。
「攻撃するだけが魔法じゃないってね――ミナヅキさん、今のうちっ!」
「おぉっ!!」
ミナヅキが走り出し、魔物の開いている口を目掛けて薬の瓶を投げ込んだ。瓶はそのまま魔物の体の奥へと入っていく。
魔物の拘束が解かれたのは、それと同時のことであった。
――がしゃぁんっ!!
魔力の鎖が次々と引き千切れる。魔物は完全に自由となり、再び傷の癒えた状態で立ち上がった。
その時――魔物の体が白く光り出した。
「グルッ? グルルルウゥォオオオオォォーーーッ!!」
魔物が咆哮を上げるとともに、纏っていた魔力が体から剥がれ落ちていく。同時にその光は、魔物の体ごとみるみる小さくなっていった。
「な、何が起きてるの?」
戸惑うアヤメの声に、ミナヅキが不敵な笑みとともに答える。
「魔力の浄化だ。今しがた俺が投げた、薬の効果さ」
「浄化? そんな効果の薬があるなんて……」
アヤメは呆然としながら、事の成り行きを見守る。リュドミラや騎士団長、そしてラスカーも、驚きを隠せないでいた。
やがて光は収まり、元の大きさとなった魔物の姿が明らかとなる。
「コイツ……こんなに小さいヤツだったのか」
ミナヅキは眠っている魔物をマジマジと見つめる。さっきまでの狂暴過ぎる姿は影も形もない。もはや、ごく普通の小動物そのものにしか見えなかった。
「これも、違法実験の結果でしょうね」
ラスカーがしゃがみながら、魔物の様子を観察し出した。
「魔力で無理やり戦闘能力を上げる――それこそが実験の正体だったそうです。目的は国の戦力補強。成功すれば無敵の軍を作ることも夢ではありません。もっとも命を伴う危険性も非常に大きく、その実験は違法と認定されました」
「まさにハイリスクハイリターンってことか」
ミナヅキがラスカーの説明に相槌を入れる。
「それをこの国の王族は、内緒で行っちまったってことですか」
「えぇ。当時はまだしがない貴族で、王族に大きな結果を提出するべく、躍起になっていたそうです」
「……よくある話ですね」
ラスカーの苦笑に釣られるかのように、ミナヅキも軽く笑みを浮かべた。そして気になっていたことを問いかける。
「ところでその魔物、もう暴れ出すってことはないんですか?」
「えぇ。すっかり魔力も抜け切れてるようですし、命に別状はないでしょう」
頷きながら笑顔を見せるラスカーに、ミナヅキは安心したように頷く。アヤメとリュドミラも、互いに顔を見合わせながら笑った。
しかしここで、騎士団長が厳しい表情とともに長剣を掲げる。
「それでも、このまま黙って見過ごすことはできない。一度は凄まじい暴れっぷりを見せているんだ。今のうちにここで仕留めてしまったほうが――」
『ちょっと! なんてこと言うの!?』
アヤメとリュドミラが、声を揃えて騎士団長に叫び出す。
「ラスカーさんが言ってたじゃない。魔力はすっかり抜け落ちてるって! 安全ならそれでいいじゃないの!!」
「むしろこの魔物ちゃんも被害者なんだよ!? なのに全て魔物が悪いと決めつけるなんて、騎士団長としてどうかしているとしか思えないよ!!」
その凄まじい気迫に、ミナヅキもラスカーも目を丸くしていた。真正面から受けた騎士団長も、あまりの展開にたじろぎながら、なんとか言葉を返そうとする。
「い、いや、別に私は、魔物が悪いとは一言も――」
「似たようなもんだと思うけど?」
「仕留めようとしている時点で、言い逃れはできないと思うなぁ」
そして今度は冷たい視線がぶつけられる。この人でなし――そんな無言の圧を二人から感じてしまい、騎士団長は完全に押されてしまっていた。
「まぁ、確かに魔物と言えど、大切な命であることに変わりはないよな」
やんわりと言いつつ、ミナヅキが騎士団長を見る。そしてラスカーからも無言の笑みを向けられた。
騎士団長は遂に観念したかのように、深いため息をつく。
「分かった。今のは私が悪かった。ひとまずこのことは、国王に報告する。魔物の命も奪わない方向で、できる限り説得してみよう」
それを聞いたアヤメとリュドミラは、満足そうな笑顔を浮かべるのだった。
説得が上手くいかなくても恨まないでくれ――そんな意味も込められていることに気づいてはいたが、アヤメたちは特に何も言うことはなかった。
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