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第三章 追放令嬢リュドミラ
第六十二話 化けの皮が剥がれるとき
しおりを挟む「お姉さまにも思うところがあるのはよく分かります。でも……でもっ!!」
レギーナは涙を浮かべ、目を閉じながら首を左右に振る。
「ここまで責め立てるなんて……仮にも婚約者だった方なんですよ? いくらなんでも酷過ぎます!」
そして再びリュドミラを見上げながら、思いっきり涙を浮かべた目を開いた。まるでどこぞのメロドラマに出演している悲劇のヒロインみたいな姿に、ミナヅキもアヤメも、心の底から白けた表情をしていた。
そして勿論、訴えられているリュドミラも例外ではない。しかしレギーナはそれに気づいていないのか、構うことなく続けるのだった。
胸に手のひらを添えながら、まるで舞台女優の如く目を閉じた状態で。
「もうこれ以上、ロディオン様を傷つけさせません。責めるならこの私を――」
「あー、もうそれ良いから。ウソ泣きってことはもう分かってるから」
リュドミラは思いっきり投げやりな口調で、レギーナに言う。
「アンタこそ、あたしに何か言いたいことがあるんじゃないの? この際だからハッキリ言ってご覧なさい」
「…………」
レギーナは顔を伏せたまま、無言となった。立っているミナヅキたちから、その表情は確認できない。
唯一分かることといえば、さっきまであれほど涙を流していたにもかかわらず、今はピタリと止み、体を震えさせてもいないという点であった。
「フッ――そこまでおっしゃるのでしたら、遠慮なく言わせてもらいますね?」
媚びるような高い声から一転、相手を貶すような低い声とともに、レギーナは顔をゆっくりと上げる。
その薄ら笑いは、まるで別人のようであった。
思わずミナヅキもアヤメも、ビクッとしてしまうほどに。
(きっと、オンナの恐ろしさってのは、こ-ゆーことを言うんだろうな)
(私も何回か似たようなのは見てきたけど、アレは相当なレベルね)
完全にドン引きした表情を浮かべているミナヅキとアヤメ。しかしレギーナの視線はリュドミラにロックオンされており、二人のことは全く眼中になかった。
「無様に逃げだした元御令嬢が、今更ノコノコ帰ってきて何の用ですの? まぁ大体の想像は着きますわ。質素な生活が辛すぎて、ロディオン様に泣きつこうとしたにもかかわらず、再び突っぱねられて八つ当たりをしましたのね? 全くこんなのが姉だったと思うと、人生の汚点にも程がありますわ」
ベラベラと自分の世界に入る勢いで言いまくるレギーナ。あからさまに嫌がらせを込めていることは分かっていたが、リュドミラは反論もせず、黙っている。
言い返す価値もないと言わんばかりの、心から冷めきった表情で。
しかしそんな彼女の様子を見たレギーナは、これ見よがしに勝ち誇ったかのような笑みをニヤリと深めた。
「あーら、どうやら図星で何も言い返せないようですわね? 大きな後ろめたさがあるというのが見て取れますわ。やはり悪徳令嬢だった方の考えることは、どこまでもセコくて愚かな惨めさが溢れ出ていますわね♪」
実に気持ち良さそうな口調で、ペラペラと喋りまくるレギーナ。もはや最初に見せていた健気な表情は、遠いどこかへ吹き飛んでいた。
「……そもそも何でここにいるんだよ?」
ミナヅキは心の中で呟いたつもりだったのだが――
「あら、私たちの会話を立ち聞きするなんて、失礼な庶民の方ですこと」
「――あっ」
ここでようやくミナヅキは、自分が言葉を口に出していたことに気づく。
「まぁでも、そんな小さなことを気にする私ではございませんわ。折角ですから、特別に答えて差し上げましょう」
上から目線で言い放つレギーナの表情は、むしろ『よくぞ聞いてくれた』と言っているようにも思えた。
それはそれで良いのか、と問いかけたくなるが、聞いたら確実に面倒なことになるだろうと思い、ミナヅキは言葉を喉の奥に押し込める。
「ロディオン様がお姉さま――もとい、元泥棒猫に会いに行かれたと聞き、いてもたってもいられなくなりまして、こうして駆け付けた所存ですわ」
「泥棒猫、ねぇ……」
誇らしげに語るレギーナに対し、ミナヅキは半目で呟く。あからさまに信用していないという態度を全開で披露していたが、レギーナは気づいていない。
「そうしたら案の定でした。手を差し伸べるロディオン様の優しさを、あんなに冷たく取り払うなんて……全くなんて心の狭いお方なのかしら? これだから婚約者の座を落とされてしまうのですよ」
まるで小さい子供を叱る母親のような態度を取っていたかと思いきや、レギーナは再びワガママお嬢様らしき笑みを浮かべ出す。
「まぁ、もっとも――この私がロディオン様の隣に寄り添うことは、最初から決まっていたことですけどね♪ お父さまもお母さまも、ずっと前から認めてくださっておりましたし、やはり私は神様に選ばれた存在なのですね♪」
レギーナは実に気分良さげに高笑いをする。そんな彼女に対し、ミナヅキとアヤメは今しがた放たれた言葉について、思うところがあった。
(いや……それもう、お前が仕組んだって言ってるようなもんじゃないか)
(よくもまぁ、あそこまで堂々と勝ち誇れるわねぇ)
二人揃ってため息をつく。しかしレギーナは、そんなミナヅキたちのことなど、既に全く気にも留めていなかった。
するとここで、ずっと座り込んで俯いていたロディオンが、手をついてゆっくりと立ち上がろうとする。
「おい、レギーナ。お前――」
「ご安心くださいロディオン様。今はこのレギーナがついております」
そんなロディオンに、颯爽とレギーナが寄り添った。
「ロディオン様のお気持ちはよく分かります。しかしもう、あんな性悪女のことなどお忘れになるべきですわ。さぁ、一緒に王宮へ戻って私との――」
結婚式について話し合いましょう――甘い声で囁きながら、レギーナがロディオンの手を取ろうとした瞬間。
――ぱぁんっ!
その手はロディオンによって、思いっきり跳ねのけられてしまうのだった。
「ロ、ロディオン、さま?」
「黙れ」
恐ろしく低い声が、ロディオンの口から解き放たれた。そして凄まじい怒りを込めた形相で、レギーナを睨みつける。
いつもの甘いマスクは、一体どこへ行ってしまったのか。
あまりにも突然過ぎる彼の変貌に、流石のリュドミラも驚きを隠せない。
「そもそも私がこんな目にあってるのも、お前の身勝手さが招いたことだろう。そんな自己中心的な女と、私は一生を添い遂げる気などない!」
完全に自分のことを棚に上げているような発言ではあったが、リュドミラもミナヅキたちも、それどころではなかった。
レギーナに対するロディオンの完膚なきまでの拒絶。
それはまるで、レギーナがリュドミラを陥れた張本人であると、最初から知っていたかのようにも聞こえたのだ。
「きゅ、急に一体何を……私は別に身勝手なことなど――」
「お前が散々やらかしてきたことを、この私が全く知らないとでも思ったか?」
まるでゴミを見るような目を向けてくるロディオンに、レギーナはショックを隠し切れない。
厳しくも優しい爽やかな笑顔を見せる彼とは、まるで別人であった。
それはリュドミラも同じであり、今しがた解き放たれた彼の言葉も相まって、口を開けて呆然としていた。
「表向きは悲劇かつ健気な令嬢を演じ続け、陰では取り巻きを手足のように操り、自分の思うがままに良い結果を根こそぎ奪い尽くす――その際に浮かべていた黒い笑みを見た時は、思わず鳥肌が立ったモノだぞ」
「え……あ、その、あの……」
レギーナは上手く言葉が出せない。それほどまでに混乱していた。そしてそんな彼女に構うことなく、ロディオンは続ける。
「そしてキサマは事もあろうに、姉から私という婚約者をも奪おうとした。かなり骨が折れたぞ? 追放した取り巻きを探し出して尋問するのはな」
その瞬間、レギーナはロディオンに向かって叫ぶ。
「そ、そんなハズはありませんわ! 確かに私は、あの子が船に乗って無事に国を出る姿をこの目で――」
「ほう。どうやらよく知っているようだな。何も知らないと言えば良いモノを」
「……あっ!」
ニヤリと意地の悪い笑みに、レギーナは言葉を失ってしまう。そしてロディオンは小さなため息をついた。
「まぁ、キサマのきな臭さは最初から感じていたからな。隠密隊を動かしてなんとか接触することはできたよ。その子には正直に答えてくれたため、少なくない謝礼を私から与えたがね」
「そ、そんな……よくも私との約束を……っ!」
レギーナは憎悪を込めた低い声を出す。もはや隠そうとすらしておらず、落ちるところまで落ちていくように見えてならない。
そんなことを考えつつ、ミナヅキはアヤメに囁く。
「あの王子様が、さっきリュドミラに投げかけていた言葉――アレって案外、その場しのぎとかじゃなかったのかもしれないな」
「そうね。それならそれで、色々と言いたくなることもあるけれど」
アヤメも頷きながら顔をしかめる。
知ってたのなら、もっと早く助けても――そんな気持ちが頭を過ぎっていた。
(ロディオンもなんだかんだで、黒い部分は持ってたってことかな?)
そう思うリュドミラは、妙に冷静でいられる自分がいた。驚きが一周して、逆に落ち着きを持てているのかもしれない。割と本気でそう考えていた。
一方ロディオンは、目を閉じてレギーナから完全に顔を背ける。
「レギーナ。僕はお前のこれまでの所業を全て晒すよう父上に話す。もう好き勝手が許される立場にいられると思うな」
悔やんでも悔やみきれないと言わんばかりに表情を歪ませ、そのまま歩き出す。もはやリュドミラに一言告げることすらもしない。
そしてようやく我に返ったレギーナは、慌てて立ち上がりつつ、去りゆくロディオンに後ろから抱き着こうとする。
「ま、待ってくださいまし! どうか私の話を――」
「触るな!」
――ばしぃんっ!
乱暴に払った手が、レギーナの頬を容赦なく叩きつける。その衝撃で派手に転んでしまい、レギーナの服は泥で汚れてしまった。
しかしロディオンは冷たい視線で一瞥し、さっさと歩いて行ってしまった。
もはや何の興味もなくなった――そう言わんばかりに。
「どうして、どうしてこんな……ヒロインであるこの私が……うっうぅっ!」
その場に崩れ落ち、レギーナはすすり泣く。リュドミラはそんな彼女に対し、悲しげな表情を浮かべていた。
ザマァ見ろ――そんな言葉すらも浮かんでこない。
むしろ、あんな王子を好きになってしまったことに対する、哀れみの気持ちがこみ上げてきていた。
もしもまだ自分がアレクサンドロフ家にいたならば、そのまま駆け寄って妹を宥めていたことだろう。
しかし、それはもうできない。自分は既に赤の他人となってしまっている。
残酷かもしれないが、そこらへんの線引きはしっかりとしておきたい――それがリュドミラの気持ちであった。
その一方で、アヤメはレギーナに対し、疑念を抱いていた。
(この子、確かに今『ヒロイン』って……やっぱりそうなのかしら?)
アヤメの中である可能性が本格的に形作られようとした、その時――
「あそこにいたぞ!」
突如聞こえてきた男性の声に、それは遮られた。声がしたほうを向いてみると、そこには兵士らしき恰好をした男女の二人が立っていた。
大急ぎで走ってきたところで、二人はようやくあることに気づいた。
「リュ、リュドミラ様!」
「こんなところでお会いするなんて……」
二人揃って驚いた表情を浮かべる。そしてリュドミラも、どこか居心地が悪そうに苦笑した。
「あなたたちは、確かアレクサンドロフ家の護衛たちだったかな?」
「えぇ……レギーナ様が飛び出して行かれたので、探していたのですが……」
女性兵士が言いにくそうに視線を逸らす。それを見て、リュドミラは察した。
「ロディオンの豹変っぷり……あなたたちも見たんだね?」
「はい。とても信じられませんでした」
「あたしたちが何かしたから、とは思わないの?」
「流石にそれは苦し過ぎることぐらい、我々も判断できますよ」
落ち込んだ様子の女性兵士に変わり、男性兵士が答えた。するとリュドミラも安心したように頷き、未だ崩れ落ちているレギーナに視線を落とす。
「早くその子を家に運んで、介抱してあげてちょうだい。ただショックを受けて落ち込んでいるだけで、体に傷を付けられたとかは、一切ないから」
「分かりました。私がすぐに運びましょう」
そう言って、女性兵士がレギーナを抱え、歩き出していった。すると今度は男性兵士が、緊張した様子でリュドミラに話しかける。
「あの、リュドミラ様――」
「違うでしょ?」
しかしそれを、リュドミラはピシャリと止めた。
「もうあたしは、ただの魔法剣士の冒険者。貴族のお嬢様なんかじゃないよ」
「……確かにそうでしたね。失礼いたしました。それでは!」
そして男性兵士も、軽く頭を下げてその場を去った。リュドミラはそれを見送ったところで、改めてミナヅキとアヤメに向き直り、頭を下げる。
「ゴメンなさい。あたしのせいで、二人を巻き込んじゃって」
「いいよ。そんなこと」
「リュドミラが気にすることなんてないわ」
ミナヅキに続いて、アヤメも笑顔で明るく言う。そんな二人に、リュドミラも笑みを浮かべた。
「ありがとう。そこでお願いがあるの」
リュドミラは表情を引き締め、少し低めの声を出した。
「私がここにいる以上、もう二人に危害が加わることはない。だから二人はこのままこの国を出て。ここまで巻き込んでおいて勝手だと承知の上で言うけど、あなたたちが無理に関わる必要はないと思うから」
そんなリュドミラの言葉に、アヤメは不安そうな表情を浮かべる。
ミナヅキと無事に会えたという目的は達成できた。しかしリュドミラのことも心配ではあるのだ。
そんなアヤメの表情を悟ったのか、リュドミラは強い笑みを見せてきた。
「自分の問題は、自分でケリをつけてみせる。あまり見くびらないでほしいな」
そう言ってウィンクする彼女は、確かな強い意志を持っていた。
アヤメはそれを感じ取り、下手に協力すると言わないほうが、彼女にとってもありがたいのだと悟る。
「分かったわ。私たちはこのまま、フレッド王都へ帰ることにする。ミナヅキも、それでいいかしら?」
「あぁ」
ミナヅキも了承し、それぞれの方針が決まった。
しかし船着き場へ向かってみると、既に今日の船のチケットは完売状態。明日の便で帰ることが決まった。
中心街の路地裏で安い宿も確保でき、明日までのんびり待つ。
ただそれだけのハズであったが――
(何だろう? どうにも嫌な予感がするんだよなぁ)
その明日が来るまでに、何か面倒なことが起こる――ミナヅキはそんな気がしてならなかった。
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