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第三章 追放令嬢リュドミラ
第五十九話 裏路地の宿屋にて
しおりを挟む国や町にもよるが、裏路地の宿屋は目立たない分、大概寂れていて安い。故に客の出入りもそれほど多くなく、サービスも限りなく少ないことが多い。
ラトヴィッジが選んだ宿屋もまさにそれであった。
ベッドとシャワーは完備されているが、食事は出てこない。宿賃は前払いで、夜明けとともに強制チェックアウト。まさに屋根の下で寝るだけの場所といっても過言ではない。
しかしながら夜中は何も言われず、今回は客が二人しかいない事実も、当の本人たちからすれば好都合であった。
「よくもまぁ、こんな宿屋を見つけたもんだな」
「はは。僕にかかれば、なんてことないさ」
ベッドに身を沈めながら感心の言葉を出すミナヅキに、ラトヴィッジは得意げな笑みを浮かべる。
「そんなことよりも、ぼちぼち話をしていこうか。キミもキミで、色々と見当はついてきてるんじゃないのかい?」
「……まぁ、それなりに」
ミナヅキはベッドから起き上がり、昼間の出来事を話す。特にグリゴリーから聞いた話についてだ。
今の王家が前の王家の失態を理由にのし上がった。それがどうにも引っかかって仕方がないのだ。
「それがどこまで本当かどうかはともかく、恐らくその前の王家に、リュドミラが何かしらの形で関わっている……そんな気がするんだよな」
「理由は?」
「いや、確証はないし、本当に単なる俺の勘だ。でもなぁ……」
ミナヅキは腕を組みながら、もどかしい気持ちに駆られる。ずっと喉元まで出かかっているのに、最後のピースがないから出てこれない。しかしながらそのまま飲み込むには、あまりにも惜しい気がしてならない。
するとここでラトヴィッジが、あっけらかんと言い放った。
「まぁ、結論から言えば、その推測は概ね当たっていると思うよ」
「……マジか?」
「少なくとも、僕が調べた限りではね」
呆然としながら尋ねるミナヅキに、ラトヴィッジはニッコリと笑う。
「そのリュドミラって子は、かつてこの国を治めていた王家の末裔。しかも最後の一人らしいよ」
アレクサンドロフ家に嫁いだリュドミラの実母は、前の王家の血を引いていた。しかしその実母は、リュドミラを生んですぐに亡くなっており、リュドミラの義理の母と妹であるイリヤとレギーナは、前の王家とは全くの無関係であった。
したがって、残されたリュドミラだけが、前の王家の末裔ということになる。
「ついでに知ったことなんだけど、そのルスタンとイリヤって人は、昔から身分違いの恋をしていたらしいよ。当然ながら最初は引き離されたらしいけどね」
「……リュドミラの母親が病死したのをチャンスにしたってか?」
「恐らくね。色々とあの手この手を使ったっていう、ウワサが残っていたよ」
引きつった表情を浮かべるミナヅキに、ラトヴィッジも流石に呆れの気持ちを抱いたのか、苦笑を混じらせていた。
「更に言えば、アレクサンドロフ家は何も知らないらしい」
「何もって?」
「リュドミラの秘密さ。そもそも今の王家を持ち上げることに必死で、前の王家のことなんて完全に忘れ去ってるみたいだよ」
どこまでも他人事のようにサラッと語るラトヴィッジ。しかしミナヅキは、どうにも疑問の思えてならなかった。
「忘れ去るって……それはそれで色々とマズいような気もするが……」
「やっぱそう思うよねぇ。ちなみにあの家は、既にリュドミラの存在すらも、軽く記憶から放り出しつつあるみたいだよ」
「うーわ」
ミナヅキは思わず声を出した。ワザと頭の中で忘れることすらも、生易しく思えてくるかもしれない。
「良くも悪くも、典型的な貴族だな。自分の子供ですら政治の道具かよ」
「それは言いえて妙だね」
そしてアレクサンドロフ家は、それが代々上手く続いてしまったのだった。
当然ながらルスタンも例外ではない。
ロディオンからの一方的な婚約破棄の責任を、全てリュドミラに押し付けて身勝手に切り捨てた。それがなによりの証拠だ。
「そーいや、リュドミラが言ってたっけかな」
ミナヅキはラステカの家で彼女が話していたことを思い出す。
父親にどれだけ反論や進言をしても、全ては単なる子供の駄々としか受け止めてもらえなかったと。
――お前に意見する権利がないということを、分かっていないようだな。
冷たい目で見下ろされながら、そう言われたらしい。
たとえどのような経緯があろうと、リュドミラが悪いと周りが認めれば、それは正しいこととして処理される。それが貴族という社会なのだと。そんなことも分からんとは、お前はどこまで失望させるつもりだと。
父親から呆れ果てた目でそう言われたリュドミラは、父親に対して失望した。
それ以降リュドミラは、父親のルスタンはおろか、家族にも執事のラスカーやメイドたち相手にも反抗することはなくなったという。
しかし同時に、リュドミラが家族に対して笑顔を見せることもなくなったとか。
父の叱りの言葉が悪い意味で効いてしまったということだろう。リュドミラは家族に対して何の期待も寄せなくなったのだ。
「……まぁ、貴族としては不思議でもなんでもないし、むしろ正しいとすら言えてしまうところではあるよねぇ」
「そこなんだよな」
苦笑するラトヴィッジに、ミナヅキはため息交じりで頷く。
「だからと言って、リュドミラが追い出されて清々したって気持ちも、それはそれで分からんではないんだけどな」
「恐らく噛み合わなかったんだろうね。その家の考え方――もっと言えば、貴族としての考え方と、その子自身の抱く考え方がさ」
「かもな」
再びベッドに沈み込みながら、ミナヅキは思う。
ルスタンからしてみれば、自分の娘がロディオンと結婚し、王家との繋がりがより強固になれば、それで良かったのだろうと。
すなわちその相手は、リュドミラとレギーナのどちらでも良かった。故にリュドミラが一方的に婚約破棄をされた時も、どうすれば自分に不利益が被らないかを瞬時に考え、さっさとリュドミラを切り捨てることにした。
使えない道具を残しておく理由がない。どんな経緯があろうと、もう一つの道具であるレギーナが上手く動き、結果を出してさえくれればそれでいい。
それこそが、ルスタンの本心なのだとしたら。
(まぁ、多分これも正解だろう。今話してたことをかけ合わせればな)
もし今回のことがなかったとしても、下手に我慢して従い続けていれば、いつかどこかでリュドミラは気持ちを爆発させていた。今回と同じようなこと――もしくはもっと悪い何かが起きていたかもしれない。
そうミナヅキは思えてならなかった。
「とにかく明らかなのは、今のアレクサンドロフ家が、リュドミラの存在を全く気にも留めていないということだね」
「あぁ。だからアイツを連れ戻そうとする理由もないってことだ」
ラトヴィッジが話を戻しにかかる。そしてミナヅキも再び、ベッドから身を起こしながら同意を示した。
「つまり今回の件、アレクサンドロフ家は無関係の可能性が高いことになる」
「だと思うんだよなぁ」
ミナヅキは重々しく頷く。あくまで仮説の域を出てはいないが、可能性としては十分過ぎるくらいに高いと思えてならない。
「僕が思うに、今の王家が仕組んだとも考え難い気はするんだ」
ラトヴィッジが自分の考えを語り出す。
「仮に、リュドミラが前の王家の血を引いていることを知っていたとしたら、むしろ邪魔に思うんじゃないかな? 始末しに行くならともかく、わざわざこの国に舞い戻らせるようなことをするとは思えないよ」
「……確かにそうだな」
ミナヅキは軽く頷きながら納得する。同時にある可能性が思い浮かんだ。
「となると考えられるのは……やっぱり前の王家か」
「だろうね。もしくはその強い関係者だった人。あるいは――」
ラトヴィッジは力を込めて視線をミナヅキに向ける。
「そのリュドミラこそが真犯人、ってこともあり得るよね?」
まるで何かを試すかのような物言いに、ミナヅキは思わずビクッとなる。しかしそれほど慌てる様子もなく――
「確かにその線もなぁ。できれば考えたくはないが……」
ため息交じりにそう言うのだった。それに対してラトヴィッジは、不思議そうな表情を浮かべる。
「おや、意外と素直に認めるんだね?」
「しょうがないだろ。少しでも可能性がある以上はな」
軽くお手上げのポーズを取りながら言うミナヅキだったが、ラステカの町で見せていた彼女の表情を思い出していた。
追い出されて清々した――その時の笑顔が、果たしてウソだったのかどうか。
(アレはどう見ても、本心で言ってたようにしか思えなかったんだが……まぁ、証拠もないのに断定するのもなぁ)
考えたところでキリもないため、ミナヅキはひとまずその思考を中断する。そして表情を引き締めつつ、小さく息を吐いた。
「俺はそれ以上に、気になっている人物がいる」
「奇遇だね。僕もだよ」
感情がありそうでない声色で、ラトヴィッジも淡々と言う。そして――
『ラスカー』
二人は同時にそう言った。アレクサンドロフ家の元執事で、リュドミラの専属世話係でもあった初老の男性の名前を。
「……やっぱお前もそう思った?」
「まぁね」
眉をひそめながら視線だけを上げるミナヅキに、ラトヴィッジはいつもの穏やかな笑みを見せる。
「リュドミラが辿り着いたフレッド王国にピンポイントで合流。そしてその晩にキミが謎の誰かに連れ去られる事件が起きている。そのラスカーって男が手引きしていたんだと考えれば、辻褄としては十分だと思うけどね」
「あぁ」
ラトヴィッジの要約に、改めて納得するミナヅキ。すると今度は、ラトヴィッジが首を傾げた。
「でも、どうしてこんなメンドくさいことをしたんだろうね? 連れ去るだけならいつでもできた気がするけど……」
「手荒なマネをしたくなかったからじゃないか?」
これに関しては、ミナヅキの中に思い当たる節があった。
「仮にラスカーさんが大きく絡んでるとしたら尚更だ。少なくとも俺が見る限り、ラスカーさんがリュドミラを想う気持ちは、紛れもなく本物だった」
「なるほどね。それで極力自然に、その子がこの国へ帰るよう仕向けた。それが人質作戦に結びついたんだね。そこで選ばれたのが、圧倒的に戦闘能力が低いキミだったというワケだ」
「ハハッ、返す言葉もないな」
ミナヅキは笑うしかなかった。酷い言われようではあるが、事実なのだから否定のしようがない。
「もしラスカーさんが犯人だとすると、その狙いもなんとなく想像はつくな」
「そうだね。まぁそれもすぐに分かると思うよ」
ラトヴィッジは実に楽しそうな表情でウィンクをする。
「僕が聞いた話では、黒幕らしき人物は明日の朝早くに来るらしい。言い換えれば黒幕は今、この国にいないってことだね」
「明日の朝……船の直行便か!」
ミナヅキの中で、ますますラスカーの可能性が高まってきた。ラトヴィッジの言葉を照らし合わせると、やはりそうとしか思えなくなる。
「ラスカーが船に乗ってくるとしたら、リュドミラとアヤメくんも一緒かもね」
「……アヤメもか?」
求めているのはリュドミラだけであって、アヤメは含まれていない。だから一緒に来る必要性はないと言える。
そうミナヅキは思っていたのだが――
「黙って大人しく家で帰りを待つような人なのかい? キミの強い奥さんは」
苦笑しながら問いかけてくるラトヴィッジに、すっかり考えが一部分抜け落ちていたことに気づかされた。
そしてため息交じりに首を左右に振る。
「……待たないな。むしろ自分からガンガン動き出すタイプだ」
「でしょ?」
ラトヴィッジは肩をすくめる。心の中で羨ましい限りだと思いながら。
そんな彼の気持ちに気づくこともなく、ミナヅキは更にもう一発、大きなため息をついた。
「とりあえず明日の朝一で、港にでも行ってみるか」
そう呟きながら、ミナヅキは窓から見える夜空を見上げるのだった。
◇ ◇ ◇
船は順調に海の上を走っていた。滑るように進み続けるそれは、真夜中になっても息切れ一つ起こす様子を見せていない。
このままいけば予定どおり、メドヴィー王都には明朝到着する見込みであった。
そんな船長からのアナウンスを聞いて、乗客も安心して眠りにつく。
リュドミラとアヤメも、客室で寝息を立てていた。待ち受けているであろう戦いに備えて、体力と気力を蓄えておこうと気持ちに整理をつけたのだ。
目に見えてミナヅキを心配しまくっていたアヤメだったが、実はリュドミラも心の中では一番気にかけていた。自分のせいでミナヅキとアヤメに迷惑をかけてしまっていると、ずっと申し訳なく思っていたのだ。
もしもアヤメが気づいていなければ、リュドミラは間違いなく、夜が明けるまで大海原の景色を眺めていただろう。
(アヤメ様には、感謝してもしきれませんね)
下層のデッキを歩きながら、ラスカーは心の中で呟いた。しかしその表情は、暗いを通り越して冷たさを醸し出していた。
(もっとも――私がそれを言う資格があるとも、到底思えませんが)
ラスカーは船の右側後部、それも片隅の位置にまで来ていた。客室はおろか大型休憩室からも遠く、乗客が訪れるような場所ではない。それどころか、船員ですらも滅多に訪れない場所であった。
そこで立ち止まり、左側――つまり海側に視線を落とす。
――ガッ!
下から現れた黒い手が、手すりを掴む。そして黒い影が飛び出し、ラスカーの前に着地した。
それを確認したラスカーは、視線を再び前に向ける。
「ご苦労様です。どうなっているかを聞かせてください」
感情のない声で淡々と言うラスカーに、黒い影は立ち上がり耳打ちをする。
「……分かりました。筋書きを少し変えます。彼を追う必要はもうありません」
ラスカーがそれだけ告げると、黒い影は再び飛び上がり、そのまま海のほうへと落下していった。
水に落ちる音は、何故か聞こえることはなかった。
(こうも予想外のことが立て続けに起こるとは……まるで神様が、もう止めろとおっしゃっているかのようですね)
小さなため息をつき、ラスカーは踵を返して歩き出す。
(しかし、私はもう後戻りはできません――奪われたモノを取り返すまでは!)
ラスカーの目が鋭く光る。その恐ろしい表情を見た者は、誰もいない。
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