駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ

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第三章 追放令嬢リュドミラ

第五十一話 婚約破棄

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 それは、数ヶ月前のこと――
 メドヴィー王都にて、魔法学院の卒業が近づいてきたある日、リュドミラは王宮に呼び出された。
 王の間には国王とその家族、そしてアレクサンドロフ家の家族も揃っており、何故か皆、厳しい表情でリュドミラを見つめていた。
 王子であり婚約者でもあったロディオンが、ゆっくりと歩いて中央の――リュドミラに面と向かうよう立つ。彼の隣には妹のレギーナも控えており、二人の距離が妙に近いことに疑問を感じていたのだが――

「リュドミラ・アレクサンドロフ! キサマとの婚約を破棄させてもらう!!」

 突如ロディオンからそう告げられ、その疑問は一気に吹き飛んでしまった。

「……はい?」

 あまりにも突然過ぎる宣言に、リュドミラは思わず呆けた表情で聞き返した。するとロディオンは、苛立ちを込めた口調でハッキリと言い放つ。

「これはメドヴィー王国王子、ロディオンの名に置いて、正式に決定したことだ。もはやキサマに言い逃れする余地などないぞ!」

 ビシッと右手人差し指を突き出してくるロディオンだったが、リュドミラは呆けた表情を浮かべるばかりであった。
 全くもって身に覚えがない。そもそも目の前で自分に指を突き出してきている人物とは、随分と久々に顔を合わせた。連絡さえも取っていない。最後に手紙のやり取りをしたのは、果たして何年前のことだっただろうか。
 魔法学院においても、ずっと勉学を全うしてきた。実績を積み重ね、首席卒業生の座は確実だと言われるほどに。
 少なくとも、こうして皆から冷たい視線を送られる道理はないハズなのだ。
 しかしこの状況は、誰もが本気で自分に失望している――多少混乱する頭でも、流石にそれが気づかないリュドミラではなかった。
 だからと言って、このまま言われっぱなしでいることもできない。

「恐れながら、ロディオン王子――」

 リュドミラは表情を引き締め、顔を上げてハッキリと問いかける。

「あなたにそう言われる覚えが全くございません。この私が何をしたのか、それを詳しく説明していただけませんでしょうか?」
「――ハッ!」

 しかしロディオンは、あからさまな嘲笑を向けてきた。

「どこまでもシラを切るつもりか? キサマが自分の妹に対し、酷い仕打ちを何年も隠れてし続けてきたことは分かっている。もうこれ以上、レギーナの可愛い顔を涙で汚すのは止めてもらおう!」

 そう言ってロディオンは、レギーナをそっと優しく抱き寄せる。その瞬間、レギーナは顔を伏せて涙を流して嗚咽を漏らし始めた。

「うっうっ……私はずっとお姉さまのために耐えてきました。しかしもう、これ以上は我慢することができませんっ!」
「今まで辛かったねレギーナ。もう大丈夫。俺が必ず助けるからな!」

 ――何、この茶番?
 それを見せつけられたリュドミラは、実に冷めきった表情でそう思った。
 どこぞの三文芝居のほうがまだマシだと思えてくるほどであり、よく二人ともあそこまで真剣にできるなぁと、思わず笑いたくなってしまう。

(でもそう思ってるのは、どうやらあたしだけみたいだね)

 リュドミラは、改めて周囲をチラリと見てみる。やはり誰もが厳しい表情で、一直線にジッと睨みつけてきていた。
 特に実の父親ことルスタンに至っては、まるでゴミを見るような目で数秒ほど睨んだのち、すぐに目を閉じながら視線をそらしてしまう。
 我が人生最大の汚点だ――恐らく父はそう思っているに違いない。
 リュドミラはどこか他人事のように考えていた。

(……とりあえず、少し状況を整理してみるか)

 改めて妹こと、レギーナ・アレクサンドロフに視線を向ける。
 姉である自分とは反対に、彼女は周りからたくさん甘やかされて育った、典型的な箱入りワガママ娘だ。欲しいと思ったモノはなんでも手に入る。そう心から当然のように思い込む性格だったと記憶している。
 おかげで何度彼女から、自分が大切にしているモノを奪われたことか。
 ――お姉ちゃんなんだから妹に譲ってあげなさい!
 そう強要されるのが当たり前だった。それなのに自分が欲しいと願い出れば、決まってこう言われてきた。
 ――あなたはお姉ちゃんなのよ? それぐらい我慢しなさい!
 そして決まってその際には、レギーナは見下してきた。
 ――お姉さまはワガママでカッコ悪いですね、もっと私を見習ってください。
 どの口がそれを言うのか――リュドミラは何度その言葉を、心の奥底で歯を噛み締めながら呟いたか。
 今となっては、それを数えるのも億劫となっていた。

「ひっく……お姉さまはホントにイジワルでカッコ悪すぎですよ! 少しでもいいから私を見習ってほしかったですわ!」
「全く情けないモノだな。私がついていながら、一体何を考えていたんだ?」

 ――まだやってるし。そもそもどの口がそれを言うのか?
 やはりリュドミラは怒りを感じない。ただ呆れ果てた表情で見上げるばかりだ。本当はそれすらもしたくないという気持ちとともに。

(大体、私がついていながらって――王子が私と一緒にいたことなんて、殆どなかったじゃないの! 会ったのも今日がすっごい久々だし)

 このメドヴィー王国のたった一人の王子であり、将来はこの国の王であり、物心ついたときには決定していた婚約者――それがリュドミラの認識するロディオンという名の人物であった。
 しかしリュドミラが魔法学院に進学するとほぼ同時期に、ロディオンも修行のため国を出ていたと聞かされた。
 それからというもの、二人が直接顔を合わせることはなかった。
 油を売るヒマがあるなら勉学に励むように――ルスタンから厳しい表情でそう言われていたのもあるが、なによりリュドミラ自身、そこまでしてロディオンに会いたいという気持ちもなかったのだ。

(正直、ロクに顔も合わせたことなかったっけかなぁ。世間じゃイケメンで優しい夢のような王子様とか言われてるけど、あたしにはどうにも……)

 リュドミラの中では、やはり単なる婚約者以外の何者でもなかった。そしてそれは魔法学院に進学してからも、変わることはなかった。
 そもそも、ロディオンのことを考えている余裕など、これっぽっちもなかったというべきだろう。首席卒業生の座を掴み取る――それこそが、王族教育における卒業試験でもあったのだから。
 物心ついた時点で、自分は将来は王妃になることが決定していた。それ故に厳しい教育を課せられるのを、ずっと当たり前だと思ってきた。そーゆーモノなのだろうと思い、気にすることもなく生きてきたのだ。

(まぁ、気にする余裕もなかったってのが、正直なところではあるけどね)

 しかし、国を守るという気持ちも分からなくはなかった。
 将来は王子と結婚し、故郷の国を支える。それが生まれた時からの使命ならば、しっかりと果たそうじゃないか。
 いつしかリュドミラは、そう割り切るようにもなってきていた。
 久々に再会するロディオンと、自分からきちんと話してみよう――そう決意していた矢先に、まさかの一方的な婚約破棄を突きつけられた。

(うーん、やっぱりどう考えても、あたしが何かやらかした覚えはないなぁ)

 それがリュドミラの率直な感想であった。ロディオンは未だ仇のように鋭い目で睨みつけてきており、完全に敵視していることがよく分かる。
 しかしここで無実の罪だと訴えても、聞き入れてはくれないだろう。むしろ発言すればするほど、自分が泥沼に沈んでいくことは、火を見るよりも明らかだ。

(とにかく余計なことは言わず、成り行きを見守ってみよう)

 リュドミラがそう思い、両方の拳を軽く握り締めたその時だった。

「国王、確かに由々しき事態ではありますが、まだ救いはございます。アレと王子が婚約していた件は、まだ正式に表には出しておりません」

 ルスタンが国王に向かって発言する。周囲が注目を集める中、ルスタンは淡々と言葉を続けた。

「つまりこの件は、一部の者を除いて誰も知らないということです」
「うむ……リュドミラが学院を首席で卒業すると同時に、ワシの口から発表する予定だったからな」
「ですから! ロディオン様と婚約していたのは、そこにいるレギーナでも何ら問題はないということが言えるのではないかと」

 苦々しい表情で頷く国王に、ルスタンは励ますように進言する。

「ほう。まぁ確かに、もっともな意見ではあるな」

 国王がロディオンとレギーナのほうに視線を向ける。ロディオンは強い意志を込めた表情でコクリと頷いた。
 そしてレギーナは――

「――フッ」

 リュドミラのほうを向いて、勝ち誇ったような笑みを浮かべるのだった。

(あの子……やっぱり!)

 リュドミラは理解した。これは間違いなく、彼女から仕掛けたのだろうと。
 恐らく姉の婚約者であるロディオンに、レギーナは惚れたのだ。
 イケメンで誰にでも優しく頭脳明晰で運動神経抜群――まさに絵に描いたような完璧すぎる王子様を狙うという点は、むしろ納得できてしまう。
 昔から姉の物は、なんでも欲しがり奪ってきた。むしろ狙わない理由がない。

(そしてロディオン王子は、まんまとあの子の仕掛けた網に引っかかり、あたしの与り知らぬところで、それ相応の関係が出来上がっていた)

 試しにリュドミラは軽く予測してみると、なんだかこれで正解のような気がしてならなかった。

(なーにが完璧な王子様よ? 今まで気づかなかったあたしもあたしだけど)

 リュドミラは再び冷めた表情でロディオンを見上げる。
 彼女が彼について、色々と気づかなかったのは無理もない。何せ彼に対し、そもそも興味を全く抱いていなかったのだから。
 どちらにせよ、手遅れ極まりない状態ではあるが。

「ふむ、これ以上のやり取りは不毛だな」

 国王がゆっくりと立ち上がる。同時に周囲の空気も変わり、それまでリュドミラを睨んでいた者たちは、打って変わって戦慄を抱くような表情で、国王のほうに視線を向ける。

「リュドミラよ。お前のこれまでの実績を全てはく奪する。魔法学院も抹籍だ」

 冷たい言葉が容赦なく突き刺さる。抹籍――これまでずっと頑張り、積み重ねてきたことの全てが、事実ごとなかったことにされた。
 国王の目に疑いはない。もはや何を言おうと、それが覆ることもない。
 これは最初から負け試合だったのだ。否、勝負にすらなっていないと言ったほうがいいかもしれない。
 完膚なきまでに嵌められ、容赦なく切り捨てられた。自分は最初から、その程度の存在でしかなかったということか。
 一瞬にして全てを奪われてしまったリュドミラは、酷く混乱していた。
 そして――

「国王の判断には感服いたしますなぁ」
「これが婚約発表後であれば、どうなっていたことか……ロディオン様に守っていただけて、レギーナも本当に幸せ者ですわね」
「当然の結果さ。なんといっても、私たちの大事な一人娘だからね」
「えぇ、私も母として、とても誇りに思いますわ」

 ルスタンと母親のイリヤが笑みを浮かべ合う。もはや自分は娘としても見なされなくなっていると、リュドミラは嫌でも認識せざるを得ない。

「心配しなくてもいいぞ、リュドミラ!」

 更にロディオンが、追い打ちをかけるかの如く呼びかける。

「いくらお前が首席という立場であろうと、処分されたことは確か。誰もそんなお前の存在を気にかけはしまい。犯罪者を庇うリスクを理解できないほど、学院の生徒たちが愚かであるとは、到底思えん」
「当然です!」

 レギーナがロディオンに抱き着きながら強く同意した。

「確かに最初は学院でも騒ぐ声が聞こえてくるかもしれません。しかし間違いなくあの女は、すぐさま人々の記憶から消えるでしょう。これからはこの私とロディオン様がいるのですから、尚更です!」
「――あぁ、そのとおりだ」

 再びロディオンは、レギーナをギュッと抱き寄せる。もう絶対に放さないぞと、意志表示をしているかのように。

(レギーナは私の一つ下。つまり来年には学院を卒業する。しかしこんな状況となってしまえば、恐らくもう数ヶ月後には――)

 リュドミラはとある予感を覚えた。
 確かに自分の抹籍処分は、学院を中心に騒がせるかもしれない。しかし、その予感がニュースとなって広がれば、果たしてどうなることか。
 それを想像するのは、もはや難しいことではない。

「リュドミラよ。ロディオンに感謝することだな」

 国王が突然そんなことを言い出した。あれだけ一方的に突きつけておいて、感謝とはどういうことか。
 そんな疑問を視線のみで投げかけてみると、分かっていないようだなと言わんばかりのガッカリした表情で、国王は見下ろしてくる。

「王族である我らの顔に泥を塗ったのだ。本来ならば極刑も視野に入れていたが、ロディオンがそれを止めたのだ。いくらなんでもあんまりだとな」

 国王が視線を向けると、ロディオンが厳しい表情で頷く。そして国王も小さく頷いた後、再びリュドミラに視線を戻した。

「ロディオンと話し合いを行った結果、お前からは全てを取り上げ、平民として過ごしてもらうことに決まった。これからは好きに生きるが良い。もっとも、この国にお前の居場所など、どこにもありはしないがな」

 それだけ告げて国王は退席する。そして再び重々しい空気が流れ出す。
 これは事実上の追放処分――リュドミラがそう悟ったところに、ルスタンがゆっくりと近づいてくる。
 ――パァン!
 そしてリュドミラに、容赦のない平手打ちをするのだった。

「今この時を以て、お前はアレクサンドロフ家の人間ではない。今後、我が家の敷地に近づくことは許さん。分かったらさっさと失せろ!」

 荒げた声で告げたルスタンは、途端に目を閉じつつ、深いため息をついた。

「本当ならばこうして、お前に声をかけることもしたくなどなかったがな。父としての最後の情けに、感謝するが良い!」

 一方的に告げるだけ告げたルスタンは、今度こそリュドミラから完全に目を逸らしつつ、妻のイリヤとともにその場から立ち去った。
 イリヤはリュドミラに一瞥すらしなかった。まるで最初から赤の他人でしたと言わんばかりに。
 そしてロディオンも、レギーナに連れられてその場を去る。
 わざわざ見せつけるようにリュドミラの前を通り、すれ違う際にレギーナがリュドミラの耳元に、小声でボソッと言った。

「フフッ♪ カッコイイ王子様と結ばれるのは、ヒロインであるこの私よ」

 レギーナは勝ち誇った笑みで去っていく。一方のリュドミラは、再び呆けた表情を浮かべていた。

(ヒロイン? 一体何のこと?)

 流石に意味が分からなかったリュドミラは、今一度問いかけようとレギーナの背に向かって疑問を投げかけようとする。
 しかしそれは叶わなかった。控えていた二人の兵士が、左右からリュドミラの腕を掴み上げ、身動きが取れないようにしたからだ。
 そして無言のまま、リュドミラは兵士に連れられて王宮内を歩く。
 長い廊下を抜けた先に広がる裏庭。その先にある王宮の裏口となる扉が、兵士によってゆっくりと開けられる。
 そしてリュドミラは、思いっきり乱暴に突き飛ばされた。

「きゃあっ!?」

 突然過ぎる行いに反応しきれず、リュドミラはそのままドサッと音を立てて、地面に倒れ込んでしまう。

「いたたたた……」

 服を泥で汚しつつリュドミラが立ち上がろうとすると、後ろからバタンと扉の閉じる音が聞こえた。
 振り向くと、確かに扉が閉まっていた。
 文字どおり城から締め出された――要はそういうことなのだと、リュドミラはようやく理解することができた。
 リュドミラは何も言わず、そのまま立ち上がって王宮から離れていった。

 それ以降――メドヴィー王国で彼女の姿を見た者は、誰もいない。


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