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5年生 3学期 3月
それが必要な理由を述べよ
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僕と大ちゃんは、ユーリを連れて、無事、地球に帰ってきた。
……あっという間に時間は過ぎて、僕たちは学校にいる。
今はもう、次の日の一時間目。
「必要なのは、移動手段とガジェットだなー」
算数の授業中だが、僕たち5人はブルーを介して堂々と作戦会議だ。
「ガジェットを用意できなきゃ、ウォルナミスは救えないぜー? 最低、1つか2つ……できれば5つだ」
「やー? なんでガジェットが要るのん? 私たち5人でドッカーン! って、やっつけちゃえばいいんじゃない?」
ユーリ、雑だぞ? その〝懐かしのアニメ〟的な擬音でやられた方は、たまったもんじゃない。
「それにしても……すごいわユーリさん。ちゃんと会話できてる……!」
彩歌が嬉しそうに言った。
あ、そうそう、忘れるところだった。ウォルナミスの欠片の力を〝正式〟に開放した事で、ユーリのガジェットは、ブルーと直接交信できるようになったんだ。
『波長を合わせるだけでいいからね。キミたちが、いつでも通信し合えるのは、とてもいい事だ』
「便利だよね! 今までは、大ちゃんと一緒じゃなきゃ、お話できなかったもんね!」
「やー! ウォルナミスに感謝だよー! 早く助けに行きたい。行こう! 明日行こう!」
帰ってきてから、ユーリはずっとこの調子だ。
「おいおいユーリ。ちゃんと話聞いてたかー? そのためには、正式に〝宣戦布告〟して、俺たちがウォルナミスを〝侵略〟しなきゃなんだろー?」
星同士の争いは〝銀河法〟に則って、5対5の代表戦で決着をつけなければならない。
それ以外の方法でどこかの星を侵略すれば、全ての星々を敵に回すことになる。
「そのためには、移動手段……まあ、宇宙船だな。それとガジェットだ。俺はガジェットの〝時間操作〟に関わる部分を作れない」
「それ〝バベルの図書館〟で調べられないの?」
この世のありとあらゆる知識が詰まった〝バベルの図書館〟に、ガジェットに関する本があるんじゃないのか?
「それがな? どこを探しても無いんだぜー。きっと〝禁書庫〟に置かれていたのをオヤジが隠したんだと思う」
大ちゃんの父親……九条博士は〝バベルの図書館〟に、魂だけの状態で常駐しているらしい。大ちゃんの害になる本は、全てどこかに隠してしまっているという。
……息子不在の部屋を片付ける母親っぽいな。チェックポイントはベッドの下や押し入れの奥だ。本棚に並んでいる本のカバーまで外すから、気をつけたほうがいいぞ?
『タツヤ、キミは本当にアレだな』
男の子はみんなそうだよ! 全員アレだよ!
『それは偏見だ。思い込みでの決めつけは良くない』
……ごめんなさい、許してください。
「……? どうしたの? 達也さん、ブルー」
「いやいや、何でもないよ彩歌さん。コホン……大ちゃん、続きどうぞ」
「あー、とにかく移動手段……宇宙船とガジェットだ。準備できるまでは、どうしようもないぜー?」
……ふむ。宇宙船は分かるけど、なんでガジェットなんだ?
ユーリはもともと、ガジェットを持ってるし。
僕、栗っち、大ちゃんも、時を止められる事なく戦場に立てる。あとは彩歌の時券問題と、惑星ウォルナミスまでの移動手段だけなんじゃないのか?
「えへへー! 僕、分かっちゃった!」
「あ、栗っちズルいぞ! 精神感応で、大ちゃんの心を読んだな?」
「ううん。ちがうよ? えーっと……ヒントはね、攻撃だけ考えちゃダメって事なんだ」
「ふふ。達也さん、私も分かったわ。なぜガジェットが必要なのか」
彩歌まで?! ヤバイぞ、ユーリより先に回答しなきゃ、知的キャラである僕の立場が!
『タツヤ、幸運な事に、キミはその立場ではない』
幸運じゃねーよ! 絶ッ不幸だよ!!
「んー、例えばな? 俺たち5人がさー、何らかの方法でウォルナミスまで行って、戦いに勝つとするだろー?」
「うん、そうだな……とにかく速い宇宙船を手に入れないと!」
2000年前でさえ、ウォルナミスから地球までの距離2万4千光年を、たった3年で移動できたらしいし、もしかしたら、今の技術で造られた宇宙船は、もっともっと早く移動できるかもしれない。
「いやまあ、もちろんそれも大問題なんだけどな。ガジェットが無いのは、それより厄介な事なんだぜー?」
ええー? 宇宙船が手に入れば、あとは全員でウォルナミスに行ってドッカーン! てやっちゃえばいいんじゃ……
……おっと、いかんいかん。ユーリみたいな言い草になってるぞ。
「あ……そっか、分かったよ! ユーリちゃん天才!」
げげぇ?! 僕より先にユーリが気付いた! マジか?!
これは由々しき事態だ。よし、こういう時は分かったフリで通すぞ!
……前にも似たような事があった気がするけど。
「フッ。そうだな。それはたしかに問題だ。だが僕たちはあきらめないぞ! なあ、みんな!」
……よし、パーフェクトだ。これで誰も気付くまい。ああ、自分の演技力が怖い!
「たっちゃん……もう、答え言っていいかー?」
むぅ……? バレた?! ……いや、そんなはずはない!
「な、何を言っているのかね、九条くん?」
「えへへー。たっちゃん、面白いねー!」
「クスクス。達也さん、往生際が悪いわよ」
ひあっ?! 気付かれてる!
「ぬふふ……それじゃここは、ユーリちゃんから説明させてもらうよ?」
ぐぬう……なんだこの敗北感は?
っていうか立ち上がって、ふんぞり返るなよ、授業中だぞ!
「やー! つまり、私たち5人が宇宙に行くとね?」
人差し指を立てて、説明を始めるユーリ。
「ふむふむ、宇宙に行くと? ……っておいユーリ!」
不意に、先生が振り返った!
「うぉおお?!」
……時には、きっちり着席しているユーリ。
先生が小首をかしげて、不思議そうな顔をしたあと前を向くと、ユーリは、また立ち上がってふんぞり返る。
「あうあう、怖いよユーリちゃん、座って話そうよ」
栗っちが涙目だ。
そうだぞ! やめろよ、そのコント。心臓に悪いだろ?
「やー?」
ふんぞり返ったまま、不思議そうにしているユーリ。なんで他の生徒はスルーしてるんだ?
「……でね、どんなにスゴイ宇宙船でも、何日とか、何年とか、かかるじゃん?」
……続けるのかよ。
「そしたらさー?」
ふむふむ?
「お腹へっちゃうよー! 宇宙には、ミカンとかあるのかな?」
ガターン!
僕と彩歌が、同時に机をひっくり返した。
振り返る先生。
「こら! 達也、藤島! 何してるんだ、授業中だぞ?!」
「すみません……」
「ごめんなさい……」
っていうか、なんで僕と彩歌だけ……?
チラッと見ると、ふんぞり返っていたはずのユーリは、すまし顔で座っている。お前なあ……
「おいおいユーリ。やっぱ分かってなかったんだなー?」
「ユーリちゃん、悪気がないから怖いよね!」
大ちゃんも栗っちも、ユーリのボケを、それぞれの能力で〝読んで〟いたみたいだ。
……おかげで僕と彩歌だけ、怒られたじゃないか。
「ウォッホン!」
先生が、咳払いをひとつ。そして……
「仲がいいのは結構だが、休み時間か、家でやってくれ」
ニヤニヤ顔で放った先生の言葉に、教室中から冷やかしの歓声があがる。
……なんだよ〝冷やかしの歓声〟って。
「ヒューヒュー! お熱いねぇー、お2人さんー!」
その筆頭がユーリって、もう意味がわからん。
「チューしちゃえ! チュー!」
ええい! 口をトガらせるなユーリ! お前、あとで説教だからな?
>>>
「それじゃ、説明するぜー?」
結局、そのまま休み時間に突入。大ちゃんが説明をする事になった。
「俺たちが惑星ウォルナミスに行くには、まず移動手段が必要だよな」
そうそう。それは分かるんだけど……
「ブルーは〝分岐点〟の日時が分かるからな。それまでに、ウォルナミスに移動できるぐらい、高性能の宇宙船を用意しなきゃダメだ」
「え? 移動できるぐらいって、帰りは……?」
「帰り道は、たっちゃんの〝阿吽帰還〟で、一瞬だろー? それに戦っている間は〝時神の休日〟で、全宇宙の時間が止まる。他にも時間を食うかもしれないけど、基本、惑星ウォルナミスまでの時間だけ考えればいいぜー」
なるほどね。宇宙船を乗り捨てることになるけど、片道だけの時間でいいのか。
それじゃ、やっぱり宇宙船さえ用意できれば……
「問題ないように思えるだろー?」
……えー? なんか他に問題点ってあるか?
「あ! 私たちがいなくなったら、どこかの星に攻められちゃうよー!」
お、それだユーリ、なかなかやるな!
「それは大丈夫だろー? たしか、侵略戦争は完全予約制で、ルールを破ったらペナルティが凄いんじゃなかったか?」
「やー、そっか! 不意打ちでは攻めては来れないんだった」
そうそう。〝銀河法〟に則って侵略しなければ〝銀河法〟に則らない形で、全ての星に侵略されるとか何とか……じゃあ、絶対攻めて来ないな。
……あれぇ? それじゃ何だ? ガジェットが必要な理由って……
「地球を留守にする期間にもよるけどなー。2000年まえのウォルナミス人みたいに、3年以上も母星を離れたら、その間に宣戦布告されて、攻められちまう」
「そりゃそうだ。大体、分岐点までの間隔が、年単位で空くことも無いんじゃないかな?」
『そうだねタツヤ。今わかっている分岐点で、最長は4ヶ月だ』
「そっかー。2万4000光年を4ヶ月で移動しなきゃなのか。まあ、ちょっとキビシイけど、それより問題はガジェットだ」
ちょっとって事もないと思うんだけど。
うーん……だから、なんでガジェットが要るんだ?
……あっという間に時間は過ぎて、僕たちは学校にいる。
今はもう、次の日の一時間目。
「必要なのは、移動手段とガジェットだなー」
算数の授業中だが、僕たち5人はブルーを介して堂々と作戦会議だ。
「ガジェットを用意できなきゃ、ウォルナミスは救えないぜー? 最低、1つか2つ……できれば5つだ」
「やー? なんでガジェットが要るのん? 私たち5人でドッカーン! って、やっつけちゃえばいいんじゃない?」
ユーリ、雑だぞ? その〝懐かしのアニメ〟的な擬音でやられた方は、たまったもんじゃない。
「それにしても……すごいわユーリさん。ちゃんと会話できてる……!」
彩歌が嬉しそうに言った。
あ、そうそう、忘れるところだった。ウォルナミスの欠片の力を〝正式〟に開放した事で、ユーリのガジェットは、ブルーと直接交信できるようになったんだ。
『波長を合わせるだけでいいからね。キミたちが、いつでも通信し合えるのは、とてもいい事だ』
「便利だよね! 今までは、大ちゃんと一緒じゃなきゃ、お話できなかったもんね!」
「やー! ウォルナミスに感謝だよー! 早く助けに行きたい。行こう! 明日行こう!」
帰ってきてから、ユーリはずっとこの調子だ。
「おいおいユーリ。ちゃんと話聞いてたかー? そのためには、正式に〝宣戦布告〟して、俺たちがウォルナミスを〝侵略〟しなきゃなんだろー?」
星同士の争いは〝銀河法〟に則って、5対5の代表戦で決着をつけなければならない。
それ以外の方法でどこかの星を侵略すれば、全ての星々を敵に回すことになる。
「そのためには、移動手段……まあ、宇宙船だな。それとガジェットだ。俺はガジェットの〝時間操作〟に関わる部分を作れない」
「それ〝バベルの図書館〟で調べられないの?」
この世のありとあらゆる知識が詰まった〝バベルの図書館〟に、ガジェットに関する本があるんじゃないのか?
「それがな? どこを探しても無いんだぜー。きっと〝禁書庫〟に置かれていたのをオヤジが隠したんだと思う」
大ちゃんの父親……九条博士は〝バベルの図書館〟に、魂だけの状態で常駐しているらしい。大ちゃんの害になる本は、全てどこかに隠してしまっているという。
……息子不在の部屋を片付ける母親っぽいな。チェックポイントはベッドの下や押し入れの奥だ。本棚に並んでいる本のカバーまで外すから、気をつけたほうがいいぞ?
『タツヤ、キミは本当にアレだな』
男の子はみんなそうだよ! 全員アレだよ!
『それは偏見だ。思い込みでの決めつけは良くない』
……ごめんなさい、許してください。
「……? どうしたの? 達也さん、ブルー」
「いやいや、何でもないよ彩歌さん。コホン……大ちゃん、続きどうぞ」
「あー、とにかく移動手段……宇宙船とガジェットだ。準備できるまでは、どうしようもないぜー?」
……ふむ。宇宙船は分かるけど、なんでガジェットなんだ?
ユーリはもともと、ガジェットを持ってるし。
僕、栗っち、大ちゃんも、時を止められる事なく戦場に立てる。あとは彩歌の時券問題と、惑星ウォルナミスまでの移動手段だけなんじゃないのか?
「えへへー! 僕、分かっちゃった!」
「あ、栗っちズルいぞ! 精神感応で、大ちゃんの心を読んだな?」
「ううん。ちがうよ? えーっと……ヒントはね、攻撃だけ考えちゃダメって事なんだ」
「ふふ。達也さん、私も分かったわ。なぜガジェットが必要なのか」
彩歌まで?! ヤバイぞ、ユーリより先に回答しなきゃ、知的キャラである僕の立場が!
『タツヤ、幸運な事に、キミはその立場ではない』
幸運じゃねーよ! 絶ッ不幸だよ!!
「んー、例えばな? 俺たち5人がさー、何らかの方法でウォルナミスまで行って、戦いに勝つとするだろー?」
「うん、そうだな……とにかく速い宇宙船を手に入れないと!」
2000年前でさえ、ウォルナミスから地球までの距離2万4千光年を、たった3年で移動できたらしいし、もしかしたら、今の技術で造られた宇宙船は、もっともっと早く移動できるかもしれない。
「いやまあ、もちろんそれも大問題なんだけどな。ガジェットが無いのは、それより厄介な事なんだぜー?」
ええー? 宇宙船が手に入れば、あとは全員でウォルナミスに行ってドッカーン! てやっちゃえばいいんじゃ……
……おっと、いかんいかん。ユーリみたいな言い草になってるぞ。
「あ……そっか、分かったよ! ユーリちゃん天才!」
げげぇ?! 僕より先にユーリが気付いた! マジか?!
これは由々しき事態だ。よし、こういう時は分かったフリで通すぞ!
……前にも似たような事があった気がするけど。
「フッ。そうだな。それはたしかに問題だ。だが僕たちはあきらめないぞ! なあ、みんな!」
……よし、パーフェクトだ。これで誰も気付くまい。ああ、自分の演技力が怖い!
「たっちゃん……もう、答え言っていいかー?」
むぅ……? バレた?! ……いや、そんなはずはない!
「な、何を言っているのかね、九条くん?」
「えへへー。たっちゃん、面白いねー!」
「クスクス。達也さん、往生際が悪いわよ」
ひあっ?! 気付かれてる!
「ぬふふ……それじゃここは、ユーリちゃんから説明させてもらうよ?」
ぐぬう……なんだこの敗北感は?
っていうか立ち上がって、ふんぞり返るなよ、授業中だぞ!
「やー! つまり、私たち5人が宇宙に行くとね?」
人差し指を立てて、説明を始めるユーリ。
「ふむふむ、宇宙に行くと? ……っておいユーリ!」
不意に、先生が振り返った!
「うぉおお?!」
……時には、きっちり着席しているユーリ。
先生が小首をかしげて、不思議そうな顔をしたあと前を向くと、ユーリは、また立ち上がってふんぞり返る。
「あうあう、怖いよユーリちゃん、座って話そうよ」
栗っちが涙目だ。
そうだぞ! やめろよ、そのコント。心臓に悪いだろ?
「やー?」
ふんぞり返ったまま、不思議そうにしているユーリ。なんで他の生徒はスルーしてるんだ?
「……でね、どんなにスゴイ宇宙船でも、何日とか、何年とか、かかるじゃん?」
……続けるのかよ。
「そしたらさー?」
ふむふむ?
「お腹へっちゃうよー! 宇宙には、ミカンとかあるのかな?」
ガターン!
僕と彩歌が、同時に机をひっくり返した。
振り返る先生。
「こら! 達也、藤島! 何してるんだ、授業中だぞ?!」
「すみません……」
「ごめんなさい……」
っていうか、なんで僕と彩歌だけ……?
チラッと見ると、ふんぞり返っていたはずのユーリは、すまし顔で座っている。お前なあ……
「おいおいユーリ。やっぱ分かってなかったんだなー?」
「ユーリちゃん、悪気がないから怖いよね!」
大ちゃんも栗っちも、ユーリのボケを、それぞれの能力で〝読んで〟いたみたいだ。
……おかげで僕と彩歌だけ、怒られたじゃないか。
「ウォッホン!」
先生が、咳払いをひとつ。そして……
「仲がいいのは結構だが、休み時間か、家でやってくれ」
ニヤニヤ顔で放った先生の言葉に、教室中から冷やかしの歓声があがる。
……なんだよ〝冷やかしの歓声〟って。
「ヒューヒュー! お熱いねぇー、お2人さんー!」
その筆頭がユーリって、もう意味がわからん。
「チューしちゃえ! チュー!」
ええい! 口をトガらせるなユーリ! お前、あとで説教だからな?
>>>
「それじゃ、説明するぜー?」
結局、そのまま休み時間に突入。大ちゃんが説明をする事になった。
「俺たちが惑星ウォルナミスに行くには、まず移動手段が必要だよな」
そうそう。それは分かるんだけど……
「ブルーは〝分岐点〟の日時が分かるからな。それまでに、ウォルナミスに移動できるぐらい、高性能の宇宙船を用意しなきゃダメだ」
「え? 移動できるぐらいって、帰りは……?」
「帰り道は、たっちゃんの〝阿吽帰還〟で、一瞬だろー? それに戦っている間は〝時神の休日〟で、全宇宙の時間が止まる。他にも時間を食うかもしれないけど、基本、惑星ウォルナミスまでの時間だけ考えればいいぜー」
なるほどね。宇宙船を乗り捨てることになるけど、片道だけの時間でいいのか。
それじゃ、やっぱり宇宙船さえ用意できれば……
「問題ないように思えるだろー?」
……えー? なんか他に問題点ってあるか?
「あ! 私たちがいなくなったら、どこかの星に攻められちゃうよー!」
お、それだユーリ、なかなかやるな!
「それは大丈夫だろー? たしか、侵略戦争は完全予約制で、ルールを破ったらペナルティが凄いんじゃなかったか?」
「やー、そっか! 不意打ちでは攻めては来れないんだった」
そうそう。〝銀河法〟に則って侵略しなければ〝銀河法〟に則らない形で、全ての星に侵略されるとか何とか……じゃあ、絶対攻めて来ないな。
……あれぇ? それじゃ何だ? ガジェットが必要な理由って……
「地球を留守にする期間にもよるけどなー。2000年まえのウォルナミス人みたいに、3年以上も母星を離れたら、その間に宣戦布告されて、攻められちまう」
「そりゃそうだ。大体、分岐点までの間隔が、年単位で空くことも無いんじゃないかな?」
『そうだねタツヤ。今わかっている分岐点で、最長は4ヶ月だ』
「そっかー。2万4000光年を4ヶ月で移動しなきゃなのか。まあ、ちょっとキビシイけど、それより問題はガジェットだ」
ちょっとって事もないと思うんだけど。
うーん……だから、なんでガジェットが要るんだ?
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