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最終章 旅立ち
40 再会
しおりを挟むあれから、悠真の声が耳に残って眠れなかった。
会いたい。
また触れ合って、キスを交わして。
でも。
でもそれで。
それでいいのか。
講義の間中、こっそりと何度も大欠伸を繰り返していた澪を、福田はくすくすと笑っていた。
「寝てないの?志垣くん」
講義後、がやがやとざわつきながら席を立って行く中で、福田が澪の肩を叩いた。
「…うん、ちょっとね」
澪は再び欠伸をした。
机に広げたノートを片付けながら、澪は曖昧答える。
「でも、ここ何日かずっとじゃない?」
「…………」
澪は黙り込んで俯いた。
悠真の電話が来た日からもう、1週間が経とうとしていた。
見つける、と言っていたのに。
悠真はまだ見つけてくれない。
それは澪の周りの人たちが澪を庇ってくれている証拠なのだけれど。
澪の居所を知っていると悠真に知られている賢木も、澪が仕事をしているかもしれないと悠真に推理されるはずの龍一も、悠真の尋問に屈していないのだろう。
本来なら喜ぶべき事態なのだけれど、どうしてか、苛立ちを覚える。
賢木に口止めをしたのは澪自身なのに。
俯いたまま、動きを止めてしまった澪を、福田が心配そうに覗き込んでくる。
「…何か、あった?…」
澪ははっとして、首を振った。
「…ううん…」
止めていた手を再び動かしてノートを無造作に詰め込んだ。
そのまま両手で抱えるように歩き始めた澪を、福田は慌てて追いかけてくる。
「ううん、って感じじゃないけど」
あまりこのことに関して詮索されたくない。
矛盾を抱えているから。
呆れられてしまいそうだから。
今、澪には福田しかいない。
彼にまで見捨てられてしまったら、もう立ち直れない。
「ぼ、僕のことより、ふ、福田くんはどうなの?仲直りした?」
逆に問いかけを投げて、誤魔化す。
福田が大泉の留学の件で激昂した日と、悠真から連絡が来た日は同じ日。
そのあとは一度も話題が出ていない。
福田は明らかに動揺した。
「え!?ぼ、僕?ず、ずるいよ、今、は志垣くんの話でしょ?」
澪が誤魔化そうとしたのも、福田は気付いてしまった。
それでも、澪も簡単には引き下がれない。
「じゃ、僕も話さない。ふ、福田くんが話してくれたら、僕も…」
「まだ喧嘩中だよ」
澪が言い終わらないうちに、福田はあっさりと答えた。
「え」
福田は小さく肩を窄めてみせた。
「お互いの言い分が平行線のままなんだよね。コウくんからは何度も連絡は来るけど、結局会ってない。もしかしたらこのままコウくんは留学して、戻って来てももう会わないかも、ってとこまできてる」
「え」
「こういう、こういうこともあるよね、残念だけど」
そのまま歩き出してしまった福田を今度は澪が慌てて追いかけた。
「そ、そんな、あっさり…。それでいいの?!」
「…よくはないけど、このままなあなあにしてしまっても、繰り返しそうな気がするから」
「…繰り返す…」
「コウくんはなぜ僕が怒ってるのか、まだよくわかってないんだよね。わかってくれると思ってた、喜んでくれる、応援してくれると思ってた、って。もちろんわかってるよ。反対するつもりなんてないよ、コウくんが決めたんだから、きっと必要なことなんだと思うし、応援もする。でもだからと言って何も言わなくてもいい、ってことじゃないと思うんだ」
福田が右手に視線を落としたので、澪も後を追った。そこには福田に不釣り合いな幅広の銀の指輪が付いている。
まだ学生だから、ファッションリングでいい、そう福田は照れ臭そうに笑っていた。
「ずっと僕と一緒にいたい、って言ってくれた。ずっと側で支えてほしい、って。僕はそのつもりでコウくんを支えようと、僕にできることを探してるのに。何も聞かされないで、それでもただ側にいる、って、僕のことなんだと思ってるの、って」
「………」
「コウくんにはもう一度僕とどう在りたいのかよく考えてみて、って言ってあるんだ。その答え次第、かな」
「………」
福田は少し泣きそうな笑顔で澪を振り向いた。
「僕たち、男のΩってさ、こういう葛藤ってつきものなのかもね」
「え」
澪が思わず足を止めると、福田も足を止めた。
「なんだか志垣くんと同じような喧嘩してる気がして、さ」
「………」
確かに。
同じ時期、似たような内容。
年齢的に、そうゆう時期なのかもしれない。
少し俯いた福田が再び歩き出し、顔を上げ正面を見つめた。
「性的にはほぼ女性で、でも心も価値観も、意識も男のままなんだよね、僕ら。だから女性みたいに黙って、家庭で待つとか出来ないよ」
その横に並び、澪はその横顔を見つめた。
「…うん…そうだね」
そう相槌を打ちながら澪は俯く。
「子供が出来たらまた変わってくるのかもしれないけど」
同じはずなのに、福田はやはり強い、と感じる。
澪はただ逃げただけなのに、福田はちゃんと向き合ってる。
「さあ、僕は話したよ。今度は志垣くんの番ね」
福田は悪戯っ子の笑みを浮かべて振り返った。
「………」
答えない澪を覗き込んで福田は小さく呟いた。
「玖珂くんから連絡きた?」
「え!?なんで」
驚いて顔を上げた澪を福田がからかうように笑った。
「志垣くんが悩むなんて他にないよ」
「…………」
「なんてね」
即座に福田が付け足した。
「本当は僕のところに玖珂くんから連絡きたんだ」
「え」
「もちろん、知らないって言ったんだけど」
『福田先輩が知らないなんて在りえない』
「…でも知らないものは…」
『もし本当に福田先輩が知らないんなら、澪は今頃大変なことになってるはずです。その場合、賢木があんなに落ち着いてるはずがありません』
「…もし、知っていたとしても、僕が教えると思う?」
『いいえ、だから連絡先を聞きたくて連絡したんじゃありません』
「じゃあ、なんのため?」
『澪の様子が聞きたいんです。知ってるはずの賢木はそれすら教えてくれなくて』
「………」
「元気だよ、って答えたら、安心したみたいだったよ」
その後福田は黙り込んでしまった。
澪からの言葉を待っている。
澪は諦めて、小さく話し出した。
「会いたいって言われた」
悠真の声が頭の中で再現される。
「絶対見つけるって」
「会うの?」
福田が即座に聞き返してくる
「…もし、見つけられたら会うって言った」
澪が答えると、福田が小さく息を吐く。
「そう、会いたいんでしょ」
「………」
「会いたくない?」
福田の口元は少し緩んでいて。
それを見ていると、なんだかいらっときた。
「………福田くんも言ってたでしょ!?繰り返すって!僕もそう思う!だから…」
つい声を荒げてしまった。
でも周りの視線が集まってきたので、澪は声を抑えて俯いた。
福田の手がそっと肩にかけられた。
「…会ってみて…」
小さく優しく声をかけられる。
「…でも…」
澪は俯いたまま首を振った。
「僕はいっぱいコウくんと話し合ったよ。志垣くんはあれから全然玖珂くんと話してないんでしょ?まだわからないと思うんだ」
「…………」
「志垣くん」
「…会うよ、見つけられたら…」
福田を見つめ返せないまま、澪は小さく呟いた。
それからさらに一週、二週、と過ぎていく。
見つけられないのか。
悠真が?
あれでも受験生だ。
勉強も忙しいだろう。
澪がいないからと言って倉石が手を抜いてくれるわけがない。
澪はアパートの駐車場に車を停め、運転席から降り立ち大きな溜息をついた。
いつも通りの日常が過ぎていく。
部屋に一人でいても勉強以外することがなく、集中力が途切れると悠真の声が浮かんでくる。
振り払いたくて。
週末多めに仕事をさせてもらってる。
荷物を肩に引っ掛けると、大した中身も入っていないのにずっしりと感じた。
さすがに朝から夕方までパソコンの前に座っていると、肩と腰が疲れる。
気持ちも、重い。
もう日付を数えるのも、週を数えるのも、やめてしまった。
もう、来ない。
きっと見つけられなかったのだろう。
諦めてしまったのかもしれない。
再び大きな溜息を吐いた。
疲れた足を引きずるように歩き出した。
「…え…」
視線の端に掠めた見慣れたものを思わず振り向いた。
「澪にはこの色が似合うと思うんだ」
そう言って、嬉しそうに悠真が見せてくれた深い青。
小さな丸みのあるボディに深い青色が目を惹く。
アパートの駐車場端に止められた車は、悠真が澪のために選んでくれた車にそっくりだった。
まさか。
似た車だ。
胸が動揺に早鐘を打つ。
触れようと指先を伸ばそうとした時、声を掛けられた。
「志垣くんっ」
振り向くと、声を抑えながら真下の部屋の子と隣の部屋の子が血相変えて駆け寄ってきた。
「どうかしたの、二人とも」
瞬きを繰り返しながら澪が言うと、二人は後ろを振り返りつつ、駐車してある車の後ろに澪を引き摺っていった。
「何かあったの?」
澪が再び聞くと、二人はまだ声を潜めたまま答えた。
「お昼過ぎぐらいに志垣くんの部屋にお客さんが来て」
「え」
澪は思わず先ほど触れようとした車を振り返る。
「出かけてるって言ったんだけど、待ってるって」
真下の子が息を喘がせつつ言う。
「…そう…」
悠真、か。
じゃあ、この車は悠真が?
でも運転手らしき人影はない。
それに二人がこんなに慌てる理由の検討がつかない。
「連絡しようか、って言ったんだけど、いいって」
真下の部屋の子が澪の服を握りしめてきた。
「約束してるって言ってたのに、いい、って言うの!おかしいでしょ?」
そう言いながら後ろを振り返る。
「ずっとドアの前に座り込んでるぜ」
「なんか様子が変だと思って」
二人が矢継ぎ早に語りかけてくる。
「礼儀正しいイケメンだけど、多分高校生じゃないかな」
「…イケメン重要か?」
「重要でしょ!?どうしよう、賢木さんに連絡しようか?」
澪はそんな二人をきょとんと見渡して、小さく笑った。
「大丈夫、約束してるのは本当だから」
どうやら悠真で間違いないらしい。
「でもっ」
「日時とか決めてなかったから、サプライズのつもりじゃないかな」
「…そう?」
「うん。それに彼、賢木さんの、知り合いだから」
子供だとは言わないでおいた。
二人は龍一と圭吾を知っているようだし、3人目の子供のことも入籍のことも知らないだろうから。
悠真のことを「玖珂」抜きで説明するにはこれしかない。
澪が心配そうに見上げてくる真下の部屋の子に、安心させるように微笑みを向けていると、それを眺めていた隣の部屋の子がぼそりと言った。
「…あいつ、元カレとかいうやつじゃないのか?」
「え」
「え、そうなの?」
澪は一瞬黙り込む。
「…まだ、元、ではなくて…」
「別れ話揉めてストーカーされてるんじゃないか?」
ああ、そうか。
そうゆう心配をしてくれていたのか。
「大丈夫、揉めてないよ。別れ話はまだ、これから決めるところ」
二人は澪を見つめて黙り込む。
別れたくはないけれど。
まだこんなに好きだから。
「じゃあ、行くね」
そう言って二人から離れようとすると、二人に腕を引っ張られた。
心配そうな瞳がじっと縋るように見つめてくる。
「大丈夫か?」
「うん」
澪はこっくりと頷いた。
「俺、こいつの部屋にいるから、揉めたら、すぐ駆けつけるからさ」
隣の子の言葉に小刻みに頷いていた真下の子が、はたと気付いたように振り返った。
「え、なんで私の部屋?隣の方が…」
「バカ。俺たちが隣で聞き耳立ててたら落ち着いて話せないだろ?下なら内容は聞こえないけど、揉めたらすぐわかる」
「そっか」
納得したのか澪を振り返ってぎゅっと服を握りしめてきた。
「うん、ありがとう」
二人が本当に心配してくれているのがわかる。
まだ出会って間もないというのに。
「じゃ、行くね。ありがとう」
澪はもう一度お礼を言って、二人から離れた。
部屋を見上げても悠真の姿は見えない。
座り込んでるって言ってたっけ。
一歩ずつ近付いていく。
鼓動がどんどん大きくなってくる。
どんな、顔をしたらいいんだろう。
最初にかける言葉は?
そんなことを考えながら階段を登り始める。
高い金属の足音を立てながら階段を登っていく。
階段の切れ目。
壁の角を見つめながら、一段一段踏みしめて。
最後の一段を登る途中で、座り込んでいる姿が見えてきた。
膝を抱えて、その間に頭を埋めている。
寂しそうな小さくなった塊に、胸が締め付けられて軋んだ。
止まった足音に気付いた悠真が顔を上げ、澪を見つけた。
一瞬、止まりそうになった心臓と一緒に、足も止まった。
澪を見つめて、嬉しそうに微笑む。
でもどこか寂しそう。
また、胸が軋んだ。
やっぱり…。
やっぱりまだ好き…。
別れる、とか考えられないくらいに。
でも、どうしたら…。
ゆっくり近付いていくと、悠真が声をかけてきた。
「澪」
「…悠真…」
その後お互いに黙り込む。
澪は真っ直ぐにドアに向かって鍵を開けた。
「入って」
「ああ」
大きくドアを開いて悠真を促す。
先に部屋に上がって荷物を端に置くと、悠真を振り返った。
悠真は玄関で驚くように部屋を見回している。
普段、悠真が見慣れている部屋に比べれば、この部屋は小さくて、古くて…。
「せ、狭いけど…」
急に気恥ずかしくなった。
「え?でもいい部屋だな」
「そう?」
この部屋はお世辞にも、いい部屋の基準には当てはまらないと思うのだけれど。
「ああ。居心地良さそうだ」
確かに悪くはないけれど。
悠真の目は輝いていて、口元も緩んでいる。
「なんか、賢木家を思い出すよ」
賢木家なら澪は龍一に招かれて行ったことがある。
新しくはないけれど、ここまで古くもなかった。
悠真が言いたいことを測りかねて、澪は少し首を傾げながら台所に向かう。
「適当に座ってて」
悠真の部屋に比べれば小さな流しに、一口しかないIH。
一人で住むには充分だけれど、今はなんだか恥ずかしい。
グラスは一個しかないけれど、倉石から引き出物のいらないマグカップ二個セットを貰ってたから助かった。
他にも生活に必要だろう、と色んな人が色々くれた。
コップを用意しながら、はたと気付いた。
準備できる飲み物がインスタントコーヒーしかない。
生島が貰い物だけどいらないから、ってくれたインスタントコーヒーしか。
でも、悠真はコーヒーはあまり飲まなくて。
飲むとしたら…。
澪は勢いよく振り向いて玄関へ急いだ。
「ちょっと待ってて」
「澪?」
すぐに悠真から驚いた声がかけられる。
「下からミルクとシロップ借りてくるっ」
靴を履き直す澪の背後に、悠真が近付いてきた。
「え、なんで」
澪は小さく悠真を振り返った。
「だって、コーヒーしかないから」
いつも澪はブラックで飲んでる。
ミルクとシロップは買うのがもったいなくて。
なくてもいいや、と。
慣れれば平気。
実際、澪はもう慣れたのだけれど、悠真は…。
「え、いいよ。俺、ブラックでも」
悠真は澪の様子に驚きながら言う。
「でも…」
「飲めなくはないから」
そう言いながら悠真は微笑んでくれた。
でも…。
澪の頭の中で記憶がフラッシュバックする。
前に一度ブラックを飲んだ時の悠真の顔。
苦そうに眉を寄せて…。
「やっぱり貰ってくる!」
澪はくるりと向きを変えて、駆け出すようにドアを開けた。
「すぐ戻るから!」
「澪!いいって」
澪は足も止めずに飛び出して階段を駆け下りた。
真下の部屋のドアをノックすると、内側からすごい勢いで開けられる。
「どうした!?」
出てきた隣の部屋の子とその部屋の子は青ざめている。
澪が駆け下りてくる音が聞こえたのだろう。
「え、あ、ごめん。ミルクとシロップを貸して欲しいんだけど」
息を喘がせながら澪がいうと、あからさまに拍子抜けした声が返って来た。
「はあ!?」
「あの、ごめん、コーヒーしかなくて、でもは…、彼はいつもブラックは飲まなくて、-あの…」
「ブラック飲ませとけよ」
隣の部屋の子が思い切り眉を寄せた。
「あ、うん、ブラックでいい、って言ってくれたんだけど…、でも彼、苦いの苦手で…」
呆れた様子の隣の子の後ろで、その部屋の子がくすっと笑った。
澪は顔が一気に熱を持ったのに気付いた。
恥ずかしい。
澪の気持ちを悟られてしまったようで。
「待ってて、すぐ、持ってくるから」
部屋の中へ駆け出していった背中を見つめて、澪は顔を手で仰いだ。
その様子を隣の部屋の子が呆れたように見つめている。
「一個ずつでいいの?」
「ごめん、二個ずついいかな?」
「うん、いいよ、はい」
小さなカップに入ったミルクとシロップを手渡してくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「あ、あの、じゃあ!」
再び駆け出すと、二人から変な視線を向けられる。
呆れた視線と、少しからかうような笑顔。
あとで二人には色々聞かれそうだな、と澪は予感した。
澪が再び部屋に戻ってきた時、悠真は窓辺に佇んでいた。
玄関を開けた澪を振り返るまで、外をじっと見つめていた。
不思議に思いながらも澪は台所へ急ぐ。
「待たせてごめん」
「いいよ、そんな慌てなくても」
悠真の苦笑いを聴きながら急いでコーヒーを準備する。
「うん、ごめん」
なんだか忙しない再会になっちゃったな…。
そう思いながら澪がコーヒーの入ったマグカップを手に振り返ると、悠真はまだ窓の外を眺めていた。
「悠真…」
テーブルの上に置いて声をかける。
「あ、うん。ありがとう」
小さなテーブルに向かい合って腰を下ろす。
椅子はなく、もちろん座布団なんてものもなく、床に直接座る。
悠真がコーヒーを一口啜るのを見て、ほっとしながら澪も口に含んだ。
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