螺旋の中の欠片

琴葉

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最終章 旅立ち

38 迷走

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ふふふ。
傍で聞こえてきた含み笑いに、澪は驚いて振り向いた。
「なに?」
ずっと黙り込んでいたはずの福田が声を殺して笑っている。
「だって」
そう言って、澪の顔を覗き込む。
「玖珂くんのこと、ずっと考えてるでしょ?」
「………」
澪が黙り込むと、福田が仰け反るように天を仰ぎながら言う。
「まだ好きなんだね、良かった」
「え」
「だって。ずっと玖珂くんのこと話してる時と同じ顔してるよ」
「………」
澪は膝を抱えて、その間に顔を埋めるようにした。
そう。
あんなに乱暴にされたのに、あんなに怖いと思って、もう信じられないとさえ思った。本能のままに逃げ出して来たのに、悠真を嫌いになれなかった。
澪を閉じ込めようとしたのに。
会いたくない、と思うのに。
まだ、こんなに好き。
嫌いになれたら、楽だったかもしれないのに。
喉の奥に苦いものがこみ上げてくる。
「良かった」
福田がまた、嬉しそうに笑う。
「なんで?」
澪が聞き返す。
「だって、僕の理想の恋人同士だったんだもん、志垣くんと玖珂くん」
「ええ!?」
驚いた拍子に、マグカップの中のココアが水音を立てた。
慌てて溢れていないかを確認する。
汚れたからと言って、着替えさえないのだから。
淀さないようにしないと。
そんな澪を優しく見つめながら福田は続ける。
「お互いに信頼しあって、好き合って。あんな二人になりたいな、ってコウくんにも言ったんだ」
「………そんなんじゃ…」
そんなんじゃ、なかった。
確かに、澪もそう、思い込んでいたけれど。
実際にはこんなに悠真のことがわからない。
どこまでが澪の幻想で、どこからが本当の悠真なのかさえわからない。
悠真の本心すら…。
「あ」
福田が小さく声を上げ、ポケットからスマホを取り出した。
軽快な音楽を流しながら小さく点滅する画面を見つめ、福田が呟く。
「…賢木さんからだ…」
びく、っと澪が跳ねると、福田はちらりと視線を投げる。
「どうする?」
出ないのも、不自然。
用事は分かりきっている。
このタイミングなら、確実に澪のこと。
玖珂家のものなら誰でも知ってる。
澪には一人しか友達がいないこと。
玖珂から逃げ出した澪が行くところは福田のところしかないこと。
澪が答えずにいると、福田は大きく息を吸い込んで、スマホを掴む指をスライドさせ、耳に運んだ。
「はい」
話し声は聞こえるけれど内容は聞こえない。
「はい、ここにいます」
澪が驚いて福田を振り向くと、にっこりと笑った。
「帰りたくないみたいなので、しばらくうちで預かります」
福田が答えるのを聞いて、澪は再び膝の間に顎を落とした。
賢木にも、もう伝わった。
賢木は味方だ、わかってくれると思っていたけれど、もう、何も信じられない。
何もかも幻想に思えて。
澪が思い込んでいただけ。
福田のことも、幻想だったどうしようと不安だったけれど。
事情もわからないのに迎えに来てくれた。
友達だと言ってくれたから。
今、澪が信じられるのは福田だけしかいない。
福田にまで裏切られたら、本当にひとりぼっちだ。
ますます自分が惨めに思えて、また涙が滲んで来た。
「はい、分かりました。伝えます」
福田がスマホを切るのを横目で眺める。
何も聞かずとも福田が答えた。
「玖珂くんから全部聞いた、って」
「…そう…」
視線を戻して、澪は黙り込む。
「帰りたくないなら仕方ない、ってさ」
「…そう」
結局、その程度。
賢木にとって悠真といない自分にはなんの価値もない。
「でも大学にはきちんと行きなさい、って。あと龍一さんの所に書類は届けておくから、仕事にも行くように、って」
「……なんで?…」
澪は口を尖らせて、思わず呟いた。
もう、大学に行く必要はなくなったはず。
書類だって。
賢木が保証人になる理由はどこにもない。
…………。
「どうするの?」
福田の問いかけに、澪は膝の間に顔を潜り込ませた。
「…大学には行かない…。仕事は、辞めるって言ってくる」
福田は何も言わなかった。



福田に近くまで送ってもらって、澪は龍一の会社にやってきた。
とりあえず着替えは福田が貸してくれた。
幸いサイズが一緒だったから良かったけれど。
借りた服もなんとか洗濯して返さなきゃいけないけれど、その目処もつかない。
とりあえず一個ずつ片付けて、次に進まなきゃ。
ビルを見上げると思わず大きな溜息が出た。
ここは辞めて、別の働き口を探す。
そしてお金を貯めて部屋を借りる。
それまでは申し訳ないけれど、福田の世話になることにした。
重い気持ちで階段を登り始める。
龍一と約束した日時ではない日を選んできた。
福田と、福田の母親に手伝って貰って初めての「退職願」を書いた。
福田の家族は思いの外、澪を歓迎してくれた。
一人っ子の福田に兄弟が出来たようだと、ことの外母親が喜んで世話をしてくれている。
大学にもいかず、かと言ってどこかへ出かける用事も手段もない澪は、必然的に福田の母親の手伝いをして過ごしていた。
その際、福田とよく似た雰囲気を持つ話しやすい母親に相談して、もう採用が決まったのなら必要だと教えられ、さらに書き方も教えて貰った。
手の中でぐしゃっと白い封筒が音を立てたので、澪は慌てて皺を伸ばす。
これで。
これでもう、悠真と完全に切れてしまう。
スマホはずっと震えていたけれど、一度も手に取らずにいたら静かになった。
充電が切れたようだった。
福田に充電を勧められたけれど、澪はそのままにしておいた。
そして退職願と一緒に、会社の人に渡して、龍一から返して貰おうと、ポケットに入っている。
ゆっくりと、とぼとぼと登ってきたはずの階段も終わってしまい、龍一の会社の廊下にでた。
再び大きな溜息を吐く。
これでいいのか?
何度も自分に問いかけてきた。
福田の部屋に転がり込んで3日。
ほとんど部屋で過ごしてる。
福田に一緒に行こうと誘われたけれど、大学には行ってない。
ずっと悠真のことばかり考えてるのが嫌で。
でもすぐに浮かんでくるのが、我ながら女々しくて情けなかった。
思いは通じ合ってるはずなのに、捉え方が違う以上、一緒にいられない。
何度も自分に言い聞かせて。
社名の入ったドアを小さくノックした。
このドアが開いたら、出てくる恐らくは知らない人に、書類とスマホを渡したら全て終わる。
ほんのひと時だったけれど、悠真と過ごした甘い時間が蘇って、胸が締め付けられるように痛んだ。
誰も出てこないのでもう一度ノックしようと腕を振り上げると、不意に開いたドアから伸びてきた手にいきなり掴まれて引き込まれた。
「な!?なんで、ここに!?」
澪の腕を掴んで賢木が顔を歪ませ立っていた。
「なんでじゃありませんよっ!?何度電話したと思ってるんですか!?」
賢木の剣幕に怯みそうになって、澪は慌てて握りしめていた退職願を差し出した。
「あの、辞めようと思って」
差し出した途端、乱暴に受け取った賢木は、目の前で粉々に引きちぎった。
「何するんですかっ!?」
さすがに澪も声を荒げる。
賢木の足元に落ちて行く残骸に苛立ちが湧き上がった。
全てを断ち切るつもりで、必死の思いで書いたのに。
賢木に訴えようと顔を上げた途端、抱き締められた。
「すみませんでした」
「…賢木さん?」
「悠真さんが、ひどいことを…」
「…なんで賢木さんが謝るんですか…」
賢木は悪くない。
むしろ関係ない。
悠真と自分との問題。
気付かなかった自分が悪い。
自分と悠真の間にある溝に。
「こんな風になるなんて」
賢木の声が震えている。
抱きしめてくる体に、今は腕を回す気になれない。
賢木でさえ、遠く感じる。
もう、何もかもが…。
黙り込む澪を、賢木はそっと離した。
「悠真さんの話を聞いてあげてください」
なんとなくそう言われる気がしていた。
結局、賢木は悠真の味方。
澪の味方ではない。
味方ではないということは、信じて従うと、澪は籠の鳥に戻されてしまう。
「…嫌です…」
即座に澪が返事をすると、賢木は苦笑いした。
「そうでしょうね。そう言うと思ってました」
「………」
「今度ばかりは私も力を貸さないことにしたんです」
「………」
賢木の言葉が胸に響かない。
こんなことは一度もなかったのに。
澪の反応を待つように黙り込んだ賢木が、小さく微笑んだ。
「大学と、この仕事は続けてください」
「いいえ、出来ません。僕はもう…」
玖珂の力には頼りたくない。
「気持ちはわかりますが、現実をみてください。大学は、澪さんのためになるものです。一人で生きて行くためにも、学歴、学力は必要でしょう?」
一人で、に妙な力を感じて澪は賢木を見た。
「大学に行きながら働くにはここが一番条件がいい、澪さんもわかってるはずです」
「………」
じっと見つめられて、澪は思わず視線を逸らした。
「…でも学費が…」
「奨学金制度、聞いたことありませんか?」
「え?」
「澪さんがずっと電話に出てくれなかったので、きっとこのままでは大学もやめてしまうと思いまして、急遽調べさせてもらいました」
「なにを…」
半分上の空で聞いていた言葉が、だんだん胸に落ちてくる。
「澪さんの成績ならば、全額、とはいかないまでも半額以上の奨学金が出るはずです」
「…半額…」
「バイトも続けながらだと、成績キープがかなり厳しいかもしれませんが、澪さんならできると思いますよ」
考えもしなかった。
辞めなきゃ、それしか考えてなかったから、通い続ける手段があるかもしれない可能性すら探さなかった。
「あと。住む所ですけど」
「え」
澪が顔を上げると、賢木が少し呆れた顔をする。
「いつまでも福田くんのところにいるわけにはいかないでしょう?」
「あ、はい…」
それはもちろん考えているけれど。
学生でバイト代だけで住めるところなんて…。
入居するにも資金がいる。
どちらにしてもすぐには見つからない。
賢木が周りを気にしながら声を潜める。
「うちの子、あ、元賢木家の子たちしか知らないんですけどね。アパートがあるんですけど、どうです?」
「え、それって…」
「はい。私が所有してるアパートです」
にっこりと賢木が笑う。
「………」
そういえば賢木はこう見えて資産家だった。
「住民はほとんど施設から出たばかりの子たちばかりで…。あ、私が孤児院にいたのはご存知でしたっけ?」
「あ、はい」
直接賢木から聞いたわけではないけれど。
賢木がほっと顔を綻ばせる。
「家賃は貰ってないんです。その代わり期限付きなんですけど」
「え」
賢木によれば、施設は高校を卒業すると強制的に退出させられるらしく、大学に行くにも就職するにも住むところがいる。就職するにしてもすぐに引っ越せる場所があるわけがなく、また少なからず費用がかかる。賢木はそんな孤児たちを支援しているのだという。
契約時に5年以下の年数を決めさせ、期限がきたら強制退去。
つまり期限以内に資金を貯めさせることを目的としているわけだ。
もちろん、病気や怪我など、不慮の出来事による期限の延期は可能。
「澪さんも5年ぐらいあれば十分でしょ?」
「それは、そうですけど…」
「あ、光熱費は自腹ですよ」
「それは構わないんですけど」
「保証人もいりませんし、最低限の家具も付いてますよ」
賢木は澪が安心できるよう好条件を並べ立てる。
「まあ、龍には住所知らせることになりますけど、口は堅い子ですから。私も他言しません。圭吾は、忘れてるかもしれませんねえ…。あ、残念ながら惣一はアパートの存在知ってるんですけど、誰が住んでるかはわかりませんし…」
「ちょ、賢木さんっ」
澪の反応など気にも止めずに一人で話し続ける賢木に、澪はさすがに口を挟んだ。
「なんです?まだ何か不満がありますか?」
賢木は澪に遮られたことが不満そうに眉を寄せる。
「いえ、あの」
澪が答えるより先に、手をぽんと叩いた。
「あ、車でしょ?車なら龍が使ってない車がありますよ。もう、古いので格安で譲ってくれると思います」
「………」
まるで澪が断るとは思っていないような口調。
賢木は黙り込んだ澪に少し口を尖らせ、拗ねた様子を見せた。
何が不満なんだ、と言わんばかりで。
気迫に押されるように、澪は小さく口にした。
「…お世話になります…」
断る選択肢が澪にはない。
賢木の言う通りにするしか、方法がない。
わかっているけれど、なんとなく胸に何かが引っかかる。
ぱあっと、嬉しそうに表情を明るくした賢木が、嬉しそうに自分のバッグまで澪を引きずって行く。
パーテンションの向こうでは、微かにキーボードを叩く音がする。
誰か他にもいるようだが、こちらには一切干渉してこない。
龍一や倉石ではなさそうだが。
澪は面談で座ったソファーに、賢木に引っ張られるままに腰を下ろした。
「はい。私からの独り立ち祝いです」
そんなの聞いたことない。
ちょっと眉を寄せた澪に、賢木は嬉しそうに掌サイズの小さなリボンのかけられた箱を、ぐいぐい差し出してくる。
澪は仕方なく受け取った。
すっかり賢木のペースだ。
「開けてください」
強請るように言われて、澪は抵抗も諦めて包みを開いた。
「これ…」
出てきたのは携帯電話。
「スマホ、使う気になれないんじゃないかと思いまして。でもないと誰とも連絡取れなくなってしまいますし、私も困ります」
「………」
「プリペイド式なので、忘れないでくださいね」
「………」
「お願いです、澪さん。時々でいいですから私からの電話に答えてください。前にも言ったかもしれませんが、本当に澪さんのことは家族だと思っているんです。心配なんです。お願いします」
賢木は深々と頭を下げた。
自分のペースに巻き込んだり、こうして頭を下げたり。
完全に賢木に振り回されている。
でも。
どれも賢木の本心に思えて、逆らえない。
「…悠真には、内緒にしてください…」
「もちろんです!」
顔を上げた賢木が大きく頷いて、それから安心したように破顔した。
澪もぎこちないながらもそれに合わせる。
「…これ、返してもいいですか…」
ふと思い出して、ポケットのスマホを差し出した。
賢木はにっこりと頷きながら受け取る。
どうやら別の連絡手段を与えたので、気が済んだらしい。
あっさりとした態度だった。
「さあ、じゃあ、アパート案内しますね」
また元気を取り戻した賢木が、澪の腕を引きながら立ち上がると、すたすたと出口に向かって歩き出す。
「お疲れ様~お邪魔しました」
賢木が誰ともなく大きな声で言った。
「え、社長、帰っちゃうんですか?!」
奥の方から慌てた声が追いかけてきた。
女の人の声。
やがてパタパタと駆け寄ってきた、龍一と賢木のちょうど中間ぐらいの年齢の女性が、澪をちらりと見やった。
その女性に向かって、賢木は腰に手を当てた。
「嶋田さん、私は社長じゃないって何度もいわせないでください」
「ええ、でも~」
女性は戸惑ったように口に手を当てる。
「社長は倉石さん。次期社長は龍一です」
「はあい。じゃあ、この子のことずっと待ってらしたんですか?しゃ、賢木さん」
ずっと?
澪は嶋田と呼ばれた女性の言葉を心で繰り返して、首を傾げた。
「そうですよ。かわいいでしょ?今度からここで働くので、嶋田さんよろしくお願いしますね」
賢木は澪の肩を両手で掴んで、嶋田に向かってにっこりと笑う。
「あ、今度入ってくる新しい子って、君だったんだ」
「あ、はい。よろしくお願いします」
澪がぺこりと頭を下げると、賢木がぐいっと腕を引いた。
「じゃあ、今からデートに行ってくるから」
「え?デート?!」
澪が驚く横で、賢木は嬉しそうに澪の腕に腕を絡めて、嶋田に手をひらひらと振った。
「いいですね、こんな若い子と」
嶋田は呑気にけらけら笑った。
「そう、だから龍にも惣一にも内緒ね」
「はいはい」
「龍には後で電話するって言っといてくださいね」
「はあい」
笑いながら大きく手を振る嶋田に見送られ、なんだか上機嫌な賢木と澪は会社を後にした。


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