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第1章 玖珂家
6 予兆
しおりを挟む賢木は澪の様子を伺いながら、優しく追い詰めていく。
「先生と澪さんの今の状況を話し合って、出た結論があります。まず推測ですが、澪さんはここへ来られた時はまだ発情期を迎えていなかったのではないですか?」
「………」
「私に、一つ目の時に言われたことは半分は本当だったのでしょう。あなたは自分の最初の発情期が近いことに気づいて、抑制器を望んだ。そして発情期を食い止め、兆しが現れると抑制剤を服用し、それでも不安になって二つ目、そして三つ目…」
「………」
賢木はぎゅっと目を閉じ顔を背ける澪の髪を梳く。
「咎めているわけではないんですよ?あなたが抱えている不安はわかっているつもりです」
「不安?」
悠真が聞き返すが、賢木は答えない。
悠真は澪ににじり寄った。
「何が不安なんだ?澪」
「………」
悠真にだけは知られたくなかった。
自分が不安を抱えていること。
「俺、が原因なのか?澪」
「………」
澪は悠真からも顔を逸らして、唇を噛む。
悠真にだけは…。
「澪?」
愕然とする悠真の肩を賢木が軽く叩いた。
「悠真さん」
悠真が振り向くと、賢木が小さく微笑み首を振ってみせる。
それから澪に向き直る。
「発情期を迎えていない未発達状態で抑制器や抑制剤を使い続けていたせいで、そのままΩ器官の成長が止まってしまっていると思われます」
賢木は一旦言葉を切り苦笑いをした。
「多分、あなたはそれでもいいと考えているでしょうが。でもこのままだと、いざあなたが子供が欲しいと望んでも産めない体になってしまう可能性が高いです」
「ええっ!?」
澪ではなく悠真が驚いた。
澪はやはりきつく唇を噛み、少し体を震わせる。
「……Ωは子供を産める状態が正常ですから、どんな弊害が出るかわかりません」
「弊害!?だめだそんなの、なあ、澪!?」
「でも、僕は…」
やっと口を開いた澪の声は小さく震えていた。
その澪の肩に賢木は手を置いた。
「抑制器を外してください、澪さん」
ぶわっと瞳から涙を溢れさせて、澪は青ざめ首を振る。
「賢木さん!嫌です、僕…」
「大丈夫、心配は要りませんよ。それにもう、悠真さんとここまで来てしまったんですから」
賢木の言葉に澪はぎゅっと唇を噛んだ。
「今は先のことを考えてはいけません。将来の不安はいずれ解消されると思いますよ?私は味方です、大丈夫」
賢木を濡れた瞳で見つめ返し、澪は俯いた。
「もちろん一度に外せとは言いません。押さえつけていた反動があるはずですからね」
「反動ってどんな?」
悠真が聞き返す。
「発情期のような状態になるかもしれません」
澪がびくっと肩を震わせる。
賢木の腕が澪を抱きしめるように回された。
「まずは一つ外した状態で学校へ行き、どうしても抑えきれない時にだけもう一つ着けていいです。もちろん付けっ放しはダメですよ、落ち着いたら外して下さい。それを繰り返していたら、しばらくすると反動は治まってくるでしょうから、その時に最後の一つを外します。もちろんまた反動が出るでしょうから、その時に一つだけ着けて下さい。完全に外しても平気になるまで繰り返します」
不安そうな瞳が賢木に向けられる。
「家の中では二つとも外して下さい」
「そんな!無理です、僕っ、僕は」
賢木の手が澪の頬を挟んで自分を向かせた。
「澪さんの体が心配なんです。いいですね」
澪の瞳が震えている。
「発情期が来たら、先生と相談しながら薬や抑制器を使って行きましょう。当然反動で最初の一・二回は強い発情期になる可能性があるので、学校を休むことも視野に入れておきましょうね」
澪は賢木の手の中でぎゅっと目を閉じ、震える。
「悠真さん、あなたは澪さんをよく見て置いて下さいね」
「見張れ、ってことか?」
嫌そう言った悠真に賢木は吹き出すように笑った。
「そうじゃありませんよ。手伝ってあげて下さいってことです」
「手伝う?」
「そう。澪さんが不安から抑制器に頼りすぎないように」
賢木の言葉に悠真は固まる。
手元を見下ろし、それからそっと賢木を見上げた。
「…なあ、やっぱり、俺のせいなのか?…」
「違う!悠真は悪くないっ!」
澪が叫ぶように言う。
驚いたのは悠真で思わず澪から離れてしまった。
「違う…僕が勝手に…」
首を振りながら澪は俯く。
「でも、さ」
悠真が澪を覗き込むように身を乗り出すと、澪は何度も首を振り「違う」と繰り返す。
それに合わせ数滴の雫が周囲に飛び散った。
困った悠真は、脱力するようにベッドに腰を落とした。
見兼ねた賢木がそっと口を挟む。
「悠真さんが悪いわけでも澪さんが悪いわけでもないですよ。ただ、ちょっと出会った環境が悪かっただけです」
「………」
「ね?」
賢木がにっこり二人に笑いかけた。。
「不安、と言うのは望まなくても勝手に湧き上がってくるものですから、それに対抗するのは大人でも大変なことです。考えるな、と言っても無理でしょう」
澪は賢木を見つめた。
賢木は澪の頭を撫でながら、柔らかく微笑む。
それから澪を見ながらゆっくりとした口調で語りかけた。
「悠真さんといるのは楽しいですか?」
賢木の問いに一瞬視線を下げた澪が、再び賢木を見上げる。
「…はい…」
「じゃあ、今はそれにすがってしまいましょう?」
「………」
澪はじっと賢木の微笑みを見てる。
「効果ないと思うでしょうけど、意外とね、効果が期待できます」
「………」
「それに悠真さんとの接触は澪さんのΩへいい刺激を与えてくれるはずです」
「………」
賢木の目を交互に見て、澪は小さく頷いた。
「ただし!」
賢木がちょっと厳しい顔付きになり、悠真を睨む。
「いいですか?先ほども言いましたが、澪さんのΩ器官は未発達です。だからと言って妊娠しないわけではないんですよ?」
「え?」
「ベッドの上の棚に箱を置いておきました。中にコンドームが入ってます。使い方、わかりますね?」
「わ、かる」
ベッドの上の小さな棚にある見慣れない箱を確認して悠真は大きく頷いた。
「未発達な器官では例え妊娠しても出産まで子供が育たないでしょう。育たなかった子供が勝手に体外へ排出されればいいのですが、そうもいかない時もありますし、着床場所や場合によっては体内で破裂、と言うこともあります」
「は、破裂!?」
びく、っと悠真の体が跳ねた。
そして少し顔色が悪くなる。
その悠真に眉根を寄せて、瞳は真っ直ぐに賢木は顔を近付けた。
「もちろん、澪さんの体へ悪影響を及ぼし、命を奪うことだってありえます」
「………」
悠真の喉がごくりと鳴った。
「ですから、悠真さん。責任持って避妊して下さい」
悠真がこくりと頷くと、賢木は若干表情を柔らかくした。
「性行為禁止、と言うのが正しいのでしょうけれど、澪さんの抑制器の反動が発情期のような衝動を起こすと考えられるので、…難しいでしょうね」
澪は真っ赤になって俯き、悠真も顔を赤くしながらも真剣な面持ちで頷いた。
「澪さん、今はただ、悠真さんといることだけを考えて下さい。いいですね?」
澪がじっと賢木を見つめ、やがて小さく頷くと賢木はにっこり微笑んで澪の頭を撫でた。
「さあ、長話になってしまいましたね。疲れたでしょう?少し休んで下さい」
澪の体を再び横にさせるため、肩を押す。
澪はそれに従いながら、賢木を見上げた。
「…ほ、んとうに大丈夫、でしょうか…」
賢木の手が澪の髪を撫でる。
「大丈夫です。…じゃあ、早速一つは外しますよ、いいですね?」
縋るような瞳で賢木を見つめていた澪が小さく頷くと、賢木の手が澪の左耳に触れ、それからピアスが抜ける感触がした。
途端に体の中に暖かい風が吹き抜けるような感覚がして。
澪は体を震わせる。
賢木は澪のピアスをポケットから取り出した小さな箱に入れ、枕元のサイドテーブルに置いた。
「…本当はこの話をしに来たんですけどね。別の事件と重なって、ついでみたいになりましたけど。結果的に話しやすい状況で助かりました」
賢木が腰を上げかけたのを見て、澪は上着の裾を軽く引いて引き止めた。
「賢木さん、僕、嘘をつくつもりじゃ…」
すぐに澪を振り向いた賢木がにっこり笑う。
「わかってますよ。大丈夫」
賢木に髪を撫でられると、そこから暖かい何かに包まれる感覚に安心感が広がる。
不思議に思いながらもその感覚に身を委ね、澪は目を閉じた。
「…何かあったらすぐ呼んで下さいね。さあ、悠真さんも出て」
「あ、ああ」
一度開いた視界に悠真と賢木が並んで寝室のドアから出ていくのが見えた。
再び目を閉じると、そのまま眠りに落ちていった。
なんだか、寝苦しい。
体が、変、だ。
痛いわけではないけれど、ちょっと怠い。
それから、熱いような、冷たいような。
「ん…」
身を捩って寝返りを打ってみると、少し収まったけれどまたじわじわと変な感覚がする。
足を動かすと、シーツに触れたところがざわざわとざわめくような。
「澪?どうした?」
悠真の優しい声を聞いて、ゆっくりと目を開けた。
寝室は薄暗く、ベッドサイドのランプが悠真の横顔照らしている。
ベッドのヘッド部分を背凭れに、悠真はいつもの読書タイム。
読んでいるのは洋書。
初めて会った時から変わらない。
変わったのは向けられる瞳。
優しくて、まっすぐなのは変わらないけれど、どこか熱くて、どきりとする眼差し。
「今、何時?」
「ん?21時ぐらいだ」
澪は結構眠り込んでしまったらしい。
けれど悠真が寝るにはずっと早い。
もしかして、自分を気遣って?
澪は少し口元を緩ませる。
「大丈夫か?」
悠真の指先が澪の前髪を少し掬い上げた。
少しだけ触れた悠真の指が熱い。
「汗、かいてるな。どっか痛いか?」
澪は首を振った。
違う。
熱いのは悠真が触れた部分。
皮膚の表面ではなくて、もっと奥の方が、熱い。
火傷のような熱ではなくて、電気が走ったようなピリっとした、熱。
でもすぐに飛散していく。
「…でも、なんか、変…」
悠真の顔が心配そうに歪む。
「反動、きたか?」
「…わかんない…」
飛散してしまった熱を追うように、知らずその場所に手が伸びる。
自分で額を撫でながら、目を閉じた。
「…頭、ぼうっとする…」
「…集中力や判断力の低下と倦怠感、って賢木が言ってた…」
目を閉じたまま悠真の声を聞いて、澪は苦笑いする。
「…ん、それかも…」
「ごめんな」
「ん?」
「辛いかもしれないけど、抑制器も薬もダメだ」
「うん」
目を閉じると、悠真の匂いが感じられた。
いつも感じるけれど、今夜は強く感じる。
αの匂い。
αの匂いといっても、一人一人違っていて。
一番最初に感じた通り、悠真の匂いは澪にとっては心地いい。
さっき、興奮した悠真の匂いには、引き摺られるように興奮したのに。
今は、心地よすぎて、…気持ちい、い。
澪は体の異変に気付いて、もぞもぞ足を動かした。
「澪?」
「あ、な、んでもない、んんっ」
皮膚の上を服が撫でていく感覚に、思わず枕に顔を押し付けた。
ふつふつ皮膚の下で何かが湧き上がってくるような、変な感覚。
「大丈夫か?」
「あっ、あ、どうしよ」
悠真に答えたわけではなくて、知らず呟いていた。
「………」
少しずつ体温が上がってくる気がする。
どこか一点に集中してるわけでもないのに、下半身が反応をしてる。
勝手に拾い始めた感覚が少しずつ快感に変わっていく。
(なんだろ、どうしよ)
そればかりが頭に浮かんでくる。
悠真が近くにいるのもわかっているのに、恥ずかしい、という感覚より困惑の方が優って。
さらにトイレに駆け込むとか、悠真に部屋をちょっと出てもらうとか、そういうことも考えられない。
困惑の中で染み込みながら広がっていく感覚に、戸惑って、身動ぐ。
嫌だったはずなのに。
悠真の前で発情することを避けてきたはずなのに。
澪の思考は全然働かない。
じっと澪の様子を見守っていた悠真が、そっと横になり澪を抱きしめた。
「ひゃぅっ」
悠真の手が澪のスウェットの下、下着の中へと入り込んできて、澪は体を跳ねさせた。
そのまま隠しようもなく立ち上がった澪に指を絡めてきた。
「な、何?」
悠真は片方の手を澪の頭の下を通し、後頭部を掴むと抱きしめた。
性器を掴んだ悠真の手が優しく揉むように動く。
「は、悠真、あ、あ」
恥ずかしいけど、気持ちいい。
やめて欲しいけど、やめて欲しくない。
悠真の指に澪が零した先走りのとろりとした蜜が絡んで音を立てた。
「や、恥ずかしい、から」
悠真の胸に顔を押し付けて、視線から逃れる。
でも腕は悠真の服を握りしめて、縋り付く。
「なあ、澪」
書斎の奥で、激情の中で聞いた甘い声を再び耳に注がれて、澪はふる、っと体を震わせた。
悠真の指にも、声にも、匂いにも、煽られる。
止まらない。
「なあ、澪。顔上げて」
「あ、や、あっんん」
胸に押しつけるように首を振る澪に、悠真は熱く優しい声をかける。
「なあ、キスしよう」
びくん、と肩を震わせた澪がゆっくりと顔を上げる。
高揚した頬と情熱で潤む瞳が現れ、悠真は吸い寄せられるように唇を寄せた。
ゆっくりと触れ合って、唇で澪の下唇を挟み吸う。
澪の鼻から吐息が漏れ、薄っすらと開き始めた唇に舌をそっと差し込んだ。
舌を見つけ出すと舌先で掬うように舐める。
ぷるぷると小動物のように震えながらも澪は悠真の舌を追いかけて来た。
指は絶えず澪を追い詰める。
舐め合うように、啄ばむように口付けを交わし、抱きしめ合う。
ふと唇を離した澪が水分過多な瞳で悠真を見上げた。
「はる、まも」
悠真の下肢を戸惑いながら目指してくる手を、悠真は掴む。
「俺はいい」
澪の手を自分の首に誘うと、掴んだ頭を引き寄せる。
「そ、んな、あっあ」
澪の耳や頬にキスを降らせながら、悠真は囁いた。
「澪がして欲しいようにするから」
澪が今にも破裂しそうな快感を堪えて見上げると、悠真がにっと笑った。
「さっき無茶したからな」
「そんな、こと」
悠真の指先が、澪の弱い先端に軽く爪を立てていたずらをし、澪は悠真にしがみついた。
「澪?どこか触って欲しいとこある?」
澪の口からは絶えず甘い吐息が、微かな嬌声を含みながら溢れる。
悠真の指に合わせるように、知らず腰が畝る。
「このままでいい?」
澪は悠真に与えられている快感よりも、さっき教えられた快感が口を開き、何かを期待するように湿り気を帯びて来たのを感じていた。
もどかしさについ腰も揺れて。
さっきからずっと悠真の腕の中で身悶えている。
悠真は気付いているんだ。
そう思うと恥ずかしくて。
でもどうにかして欲しくて。
「教えてくれよ、澪」
再び悠真に甘く訴えられ、耐えきれず、さらなる羞恥に赤く染まりながら、小さく強請った。
「あ、あ、…あ、う、しろ…」
「わかった」
頭を掴んでいた手が、澪の背後からズボンの中へ入り込んでくる。
下着の中では既に蜜を溢れさせた入口が、悠真を待っていた。
悠真の指がぬるりと入ってくる感触に澪は背を外らせながらびくつく。
「ああん、ん、はるまぁ」
悠真の背に腕を回して、腰を淫らに振る。
「澪」
呼ばれて顔を上げると、悠真の顔が寄せられ、澪は夢中で口付けた。
舌を絡め、唇を吸い合い、下肢は前も後ろも悠真の指が快感の高みへ押し上げていく。
「んんっ、んっんっ」
澪の絶頂への喘ぎは悠真の口の中に吸い込まれた。
悠真の手にべっとりと欲望を吐き出したことに、急に恥ずかしさが込み上げ、澪は涙声で悠真に謝った。
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「いいんだよ、俺がするっていったんだから」
「でもぉ」
涙で濡れる顔を悠真の首筋に埋めた澪を、宥めるように悠真は頭を撫でる。
「じゃ、澪が動けるようになったら俺にもして?」
「うん、うん!」
縋り付く澪の背中を悠真は優しく摩ってくれた。
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