半熟卵とメリーゴーランド

ゲル純水

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画家仕事

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  初めて見たときから、ずっと気になっていた人がいる。その人を眺めていると、なにかと面白い。女性としての観点で言うならば一目惚れなのだろうけれど、そういうものとは違うなにかの話。

「いままで自分がやってない、色の塗り方が思い浮かんだんだ」

  ぬいぐるみに、絵の秘密を明かす。

教本では常識だとは思う。
勉強する人には常識だとは思う。
私が直感頼みで勉強しなさすぎる。

「そんなこともできなかったのか」

と、思われても仕方ない。

  でも、自力で行き着いたことにも価値はあるもので、そんなに否定するものでもないさと。

さて。

  実験した画面は、自分が描いたことのないできだった。あまりにドキドキして、途中だというのに先に進めない。

    その姿に何故ひかれるのかと一年観察を続け、今朝やっと一つ理屈がわかった。

私をひきつける美しさ、なぜ美しいのか。

「比率」

比率がいとおしいとは以前から思っていた。
私でなくともあの比率にひかれはするだろう。
あの美しさにひかれるだろう。
ありていにいえば、かっこうがよい。

けれど、私は誰がなんと言おうと画家なのだ。

物事を理解し、飲み込み、再構築するのだ。

なぜ美しいの?
美しいから愛している?
そんな台詞は、そこいらの愛くるしい(愛される)少女達のお仕事なのだ。

私はこのような私だから、私として、つきとめる。

「肌の色」

私にはない色、意識が溶け込む唯一の色相?
それは勿論、釘付けにされている。
だが、それだけでもない。
もっと、それ以上のなにかがある。


「      」

一つみつけた答えは、脳をはっとさせ、視界を鮮やかにした。

いとおし、いとおし、私にみえる世界にまた一つ新しい領域が。
私の心にしまう、私の世界の鍵、君の姿は、君こそが、私の世界が壁の向こうではなく扉の向こうであると教えてくれた。
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