半熟卵とメリーゴーランド

ゲル純水

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いまへかえるげんざい

だれかれ

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職場に“推し”がいる。
アイドルやバンドマンということではなく、応援するという言葉もおこがましいが、説明の難しい好感度をいだくあいてがいて、この感情は“推し”への感覚に近いなと気がついた。

プライベートに、好きなひとがいる。
これも表現としては微妙で、セフレを好きでいると言ってしまうとやけに軽薄で軽率、肉体関係のある友達というのがそのとおりなのだけどもそれはそれで世間体は良くない。
交際のくすぐったさなしに、実家のような穏やかな付き合いをしているのに、交際という契約めいた(婚姻につながる)プレッシャーから目を背けた関係性だ。

ともあれ、
そんな相手がいるからと自動的にシャッターをガラガラとおろした結果の“淡い憧れ”がそのまま職場なり現実の自分が属するコミュニティ内の“推し”という感覚に繋がっているのだと思う。

この推し。
アニメなら“クー(ルなようでふとした時あるいは特別な相手には見せる)デレ”そのものの、静かな人だ。事務職だからといってそこまで事務的になる必要もないだろうと思うぐらい、淡々としている。もしかして現代の武士なのだろうかと思うぐらい、静かにもくもくと仕事をこなす。話し方もそのとおりだ。なにより、狭い給湯室で鉢合わせたときなどの小さな驚きや素直な顔が、まさにクーデレだと感じるような愛らしさがあった。いや、狭く人目のない給湯室で特別な何かをしているわけではない。鉢合わせた瞬間の顔、それだけだ。その一瞬にあまりに物語のあふれる良い顔をするのだ。

私はこの人物を知りたい。
それは、恋だろうか。
あの友人が友人であろうとするから、バグが起きてる。
いいや、私はこの友人と一緒になりたい。
これは興味だ。
物語を読みたい欲求だ。
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