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いまへかえるげんざい

こどものひと

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彼女は次のように語った。



子供がいない独身であることを非難されてきた。
やっと、可能性がでてくると「年甲斐もない」白い目で見られる。

そういう攻撃をするひとたちは、もはや古代に滅びたはずの何らかの部族の残党なのだ。

そんなに、教科書にのるようなイメージ図通りの人生が誇らしいか。
イメージ図通りでないものがそんなに悪いか。
いまはそういう時代ではないでしょうに、テンプレートを自慢してくる人たち。

「子孫を残したことが自慢なら安心してさっさと○ね」
とまではふつう思わないから言わないが、子供の有無を利用して私を罵倒するときにあのひとたちはこういう。
「人として」「生物の当たり前の義務として」「生まれたからには」とかなんやかんや。
そして《生きる意味がない》と強い言葉をぶつけてくる。それは言葉で殴るのと同じなので、反論で当たり前に《死》をつかって何が悪いのだろうか。

単語だけを拾って裁判するのは、黎明期のインターネット。もはやそれすら時代遅れのポンコツ審判。



彼女は今日も歯を食いしばって生きている。
パートナーは彼女の感情が怒りや悲しみであることはわからず《持つものに持たないことを指摘されて妬んでいる》と判断している。
「妬み嫉みはやめなさいな」
彼女が歯を食いしばっても何も生まれないのだ、もうなにも背負わずに口を開けて生きていけたらいいのに。
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