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有名人のでる夢
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主人公はお店に入った。
壁際の丸いテーブル、レトロなカフェのようにみえる。
うずくまってる男と、後ろ手にしばられてすわってる女。
「大丈夫ですか?そとから、うずくまってるのが見えました」
事件性にきづかないふりをして男に声をかけるが、女は必死だ。
「騙されないで!こいつナイフ持ってるから!騙されないで!」
「そんな…ぼくはべつに…なんでみんな嘘を言う」
さてこまった。
「よくわかりませんが、人質をとってるのが本当なら私がなりましょう。嘘でも、そんなひどいことをいう女性とデートを続けるよりは、いまは体調悪さにつきそえる私といましょうよ」
と。
言うが、なぜか人質の女が必死に「騙されないで!ナイフを!」を繰り返していて、正直うるさい。犯人が何をいってるのか聞き取れないし、犯人は動かない。
逆なのか?と思いたくなる。
「じゃあ、いいや私は出ていきます」
あきらめて出ていこうとするが、ちょうど警備員がそとから警察ドラマのように「武器を窓からすてろ」と言っている。
出ていこうとする私の後ろにピタリと男がついてきて、窓からヒゴノカミをすてる。
小さな折り畳み式ナイフだけど、文具だ。カッターだ。
「疑われる持ち物も捨てた、これでいいだろうか」
男は言ってるが、人質が「騙されないで!」と暴れだす。
男はその場にあった燭台をかまえて、あまりに怒鳴る女にむかって駆け出す。
主人公はそれをかばうように、本棚からぶあつい本を投げた。
自分の胸に手持ちの本をあてて、男に突進した。
心臓が守られれば肩や目ぐらいは。
首や眉間には届かせるもんか。
…しばらくして。
奥に工房、文具売り場、書店
「代替わりしてやっともとのレイアウトにできた」
とは店長。
本社から来た店長がいろいろかえてしまって残念なところ、長年勤めてた自分が店長になったので、その店が業績を伸ばした理由でもある最初のレイアウトにもどしたのだ。
「防御のためにとったにとった。支払わなくては」
と主人公が紙袋から本をのぞかせる。
「お会計すんでますよ」
と笑う三浦春馬店員。
たしかにそうだ、お店の紙袋にはいっているし、テープはひきちぎれてる。
犯人との乱闘のときか。
『ともだちでよかった』
犬の本。
「まさにその本らしい活躍でした。さぁ、いっしょに帰りましょう」
と、三浦春馬店員。帰るとと終わることがわかってる主人公は、さくらももこだった。
これはなんらかの理由で発生したタイムラグの世界で、かえると、二度と会えない。
霧の中のモノレール。
のると、驚くほど早く静かに、隣駅。
隣駅といっても、同じ駅の端と端なので無料。
おりたくない。
振り替えると、もういない。
霧から出たら、もう、その世界は現実の時間の流れなのだ。
さくらももこということになっていたのは、エッセイ漫画家だった。編集者のオーダーで、そっくりに描いている男だった。
いわれるがままに色んな人になってるため、その気にながされて外観まで別人になる。メキメキと本来の姿になる、大柄な男。
無二の人はいなくなる。
いなくなっても存在はある。
でも、もうどこにもいない。
誰でもなくて誰でもある自分はしんでも、自分について思い出せる人はいないかもしれない。
と、大柄な男がないたところで、目がさめた。
それをながめてた私は誰だったのか。
壁際の丸いテーブル、レトロなカフェのようにみえる。
うずくまってる男と、後ろ手にしばられてすわってる女。
「大丈夫ですか?そとから、うずくまってるのが見えました」
事件性にきづかないふりをして男に声をかけるが、女は必死だ。
「騙されないで!こいつナイフ持ってるから!騙されないで!」
「そんな…ぼくはべつに…なんでみんな嘘を言う」
さてこまった。
「よくわかりませんが、人質をとってるのが本当なら私がなりましょう。嘘でも、そんなひどいことをいう女性とデートを続けるよりは、いまは体調悪さにつきそえる私といましょうよ」
と。
言うが、なぜか人質の女が必死に「騙されないで!ナイフを!」を繰り返していて、正直うるさい。犯人が何をいってるのか聞き取れないし、犯人は動かない。
逆なのか?と思いたくなる。
「じゃあ、いいや私は出ていきます」
あきらめて出ていこうとするが、ちょうど警備員がそとから警察ドラマのように「武器を窓からすてろ」と言っている。
出ていこうとする私の後ろにピタリと男がついてきて、窓からヒゴノカミをすてる。
小さな折り畳み式ナイフだけど、文具だ。カッターだ。
「疑われる持ち物も捨てた、これでいいだろうか」
男は言ってるが、人質が「騙されないで!」と暴れだす。
男はその場にあった燭台をかまえて、あまりに怒鳴る女にむかって駆け出す。
主人公はそれをかばうように、本棚からぶあつい本を投げた。
自分の胸に手持ちの本をあてて、男に突進した。
心臓が守られれば肩や目ぐらいは。
首や眉間には届かせるもんか。
…しばらくして。
奥に工房、文具売り場、書店
「代替わりしてやっともとのレイアウトにできた」
とは店長。
本社から来た店長がいろいろかえてしまって残念なところ、長年勤めてた自分が店長になったので、その店が業績を伸ばした理由でもある最初のレイアウトにもどしたのだ。
「防御のためにとったにとった。支払わなくては」
と主人公が紙袋から本をのぞかせる。
「お会計すんでますよ」
と笑う三浦春馬店員。
たしかにそうだ、お店の紙袋にはいっているし、テープはひきちぎれてる。
犯人との乱闘のときか。
『ともだちでよかった』
犬の本。
「まさにその本らしい活躍でした。さぁ、いっしょに帰りましょう」
と、三浦春馬店員。帰るとと終わることがわかってる主人公は、さくらももこだった。
これはなんらかの理由で発生したタイムラグの世界で、かえると、二度と会えない。
霧の中のモノレール。
のると、驚くほど早く静かに、隣駅。
隣駅といっても、同じ駅の端と端なので無料。
おりたくない。
振り替えると、もういない。
霧から出たら、もう、その世界は現実の時間の流れなのだ。
さくらももこということになっていたのは、エッセイ漫画家だった。編集者のオーダーで、そっくりに描いている男だった。
いわれるがままに色んな人になってるため、その気にながされて外観まで別人になる。メキメキと本来の姿になる、大柄な男。
無二の人はいなくなる。
いなくなっても存在はある。
でも、もうどこにもいない。
誰でもなくて誰でもある自分はしんでも、自分について思い出せる人はいないかもしれない。
と、大柄な男がないたところで、目がさめた。
それをながめてた私は誰だったのか。
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