5 / 33
5 ヴィルヘルム・フォルク・アンガーミュラー
しおりを挟む
小城内は手狭で、そして飾り気がなかった。
豪華なシャンデリアも絵画もインテリアもない。
下級貴族の方が華美な内装を施しているだろう。
ホールもまた狭く、左右に扉、正面に階段があり、吹き抜けで二階が見えるだけ。
二階正面に両開きのほんの少し豪奢な扉がある。恐らく謁見の間だろう。
二階の扉は左右に二つ。くぐれば廊下が伸び、いくつか部屋があるのだろうが、広さから言えば二部屋あればいい方だろう。
シリカは興味深そうに内観を眺めた。
(住むには十分だし、何も問題ないわね……ちょっと汚れているけれど)
うんうんと嬉しそうに頷くシリカに、守衛は戸惑いながら視線を向けた。
守衛の案内で左側の扉を通り、手近な部屋の前で止まる。
「お連れ致しました」
「入れ」
部屋の奥から男性の声が聞こえる。
どうやら件の陛下がいるのだろう。
シリカの中で緊張が一気に高まる。
(一体どういうお方なのかしら……)
ゆっくりと扉が開かれると同時に、シリカは顔を上げて、中を見た。
正面の机にその人物はいた。
長い髪に痩躯。四肢は細く、およそ健康とは程遠い様相だった。
長身でありながら病的に痩せているため、かなり貧相に見える。
頬はこけ、それでいて眼光は妙に鋭い。
恐らくは二十代後半なのだろうが、痩せぎすなせいで妙に年老いて見えた。
(この方が陛下……ヴィルヘルム様)
シリカは観察するようにじっとヴィルヘルムを凝視した。
自然と足が一歩二歩と進み、気づけば部屋に足を踏み入れていた。
後方で扉が閉まる。守衛によるものだろう。
二人だけの空間が生まれたせいか、シリカは我に返った。
見惚れていたわけでも、落胆していたわけでもない。
ただなぜかヴィルヘルムから目を離せなかったのだ。
一般的な評価で言えば、ヴィルヘルムはかなり貧相で、おおよそ整った容姿ではなかった。
しかしシリカは彼の容姿を評価しない。
そんなものに大して意味はないのだと、シリカは考えていたからだ。
ヴィルヘルムはほんの僅かに眉を顰めるも、すぐに無表情に戻った。
どうやら執務の途中だったらしく、ペンを置くと部屋中央にある対面式のソファーに座った。
本棚が無数にあるためかなり狭く、移動もやや窮屈そうだった。
ヴィルヘルムが座ってなお、シリカは呆然としていた。
不思議な感覚だった。
一目惚れというわけではなく、彼の容姿に落胆したわけでもない。
彼そのものに何か言いようのない魅力があったのだ。
不可思議な求心力、というべきか。
あるいは……運命的な感覚と言ってもいい。
シリカは人生で初めての経験に戸惑っていた。
同時に鼓動が異常に早いことに気づく。
(こ、これは一体、どういうことなの? 心臓がとてもうるさい……)
不意に自分の胸に手を当ててしまう。
熱を持ち、心は混乱し、足は感覚を失っていた。
無作法に見つめられているというのに、ヴィルヘルムは感情を表に出さない。
あるいは憮然としたように感じられるほど無感情に、彼は言った。
「座ってはいかがか?」
「あ! も、申し訳ありません!」
慌ててシリカはヴィルヘルムの正面のソファーに座った。
さっきまでとは打って変わって、シリカはヴィルヘルムを直視できなくなる。
俯いて僅かに頬を染めることしかできない。
「……すまないな」
「い、今、何かおっしゃいましたか?」
ヴィルヘルムの声はあまりに小さく、シリカは聞き逃してしまう。
ヴィルヘルムの表情は変わらず、感情が読み取れない。
「何も……挨拶が遅れた。余はロンダリア国王、ヴィルヘルム・フォルク・アンガーミュラーだ」
「わ、私は聖ファルムス聖神教団聖女……元聖女のシリカと申します」
「元ということは、セイクリアの聖名は返却されたのだな」
「は、はい、陛下はご落胆なされるかと思いますが」
聖女である、というだけで求婚は後を絶たない。
それは聖女という肩書や地位、関連する権力を有したいという考えがあるに過ぎない。
聖女自身にその力を行使する権利はないが、伴侶であれば色々と利用できるだろう。
しかし元聖女には地位も権力もなく、あるのは聖女として従事したという名誉だけだ。
むしろその名誉や実績すら、教団の意思一つで覆る可能性さえある。
実際、シリカは追放され、聖名や聖女という肩書を剥奪、しかも力まで奪われてしまった。
(そんな私に価値を見出す人間はいないわよね)
シリカは可能な限り冷静に現状を理解していた。
しかし、完全には喪失感を拭えなかった。
少し思い出すだけで胸の奥がチクリと痛んだ。
「いや、こちらからの申し入れだ。落胆などはない」
驚き顔を見上げるシリカ。
ヴィルヘルムの表情に変化がないため、本心か建前かは判然としない。
だが少なくとも、噂であった『不遜』とは遠い反応であることは間違いなかった。
「シリカ殿。そちらはどうか?」
「どう、と言いますと」
「この婚姻に納得しているのだろうか?」
おかしなことを言う人だ、とシリカは思った。
納得しようがしまいが、シリカに選択権などない。
仮に現役の聖女であったとしても、枢機卿が決めた結婚を断ることなどできない。
聖女は聖神教団の傀儡なのだ。
元聖女であればより顕著であることは明白。
自由の身でありながら、過去のすべてが身体を縛る。
どこへ行こうと何をしようと、教団の繋ぐ鎖が絡んでくる。
それは恐らく、ヴィルヘルムも同じであることは、シリカには察しがついていた。
弱体国、貧困国のロンダリアにとって、世界最大の宗教勢力である聖神教団を持つ聖ファルムスからの言は絶対。
断ることは叶わないのではないだろうか。
本意ではない結婚。
しかしそれを拒絶することはできない。
元々、シリカは拒絶するつもりもなかったのだが。
例え、聖女だった自分を求めていたのだとしても、少しでも必要とされる場所に行きたい。
行く宛のない人生なのだから、前向きに生きられるかもしれない土地で生きたい。
だからシリカはもう迷わない。
前を向き、生きるとそう決めたのだから。
「もちろんです」
シリカの淀みない返事に、ほんの少しだけヴィルヘルムは面食らった様子だった。
それも一瞬で、すぐに無表情に戻る。
「そうか……では、婚儀は予定通りに行うこととする。だが見ての通り我が国は裕福ではない。他国との国交は乏しく、国内に置いても催しを行うほどの余裕も必要性もない。国王と言えど婚儀を大々的に行うことはできない。そのため簡易的なものに留めての結婚となるが構わないか?」
「ええ、もちろん構いません」
結婚に憧れはあったが、自分が主役になりたいわけでも、祝って欲しかったわけでもない。
ただ、家族が欲しかっただけだった。
「婚儀は明日。長旅で疲れただろう。ゆっくりと休むがよい。以上だ」
「ありがとうございます」
まるで会議のような会話だった。
端的に要点のみを話す。
夫婦になる二人の会話にしては無機質で感情が伴っていない。
シリカは立ち上がると流れるように一礼し、部屋を出た。
扉を閉め、扉に体重を預ける。
「……はぁ、びっくりしたわ」
顔が熱く、鼓動も早い。
胸の前できゅっと手を握ると、僅かに震えていたことに気づく。
緊張だろうか。それとも疲労が溜まっていたのだろうか。
シリカが、そんな風に見当違いなことを考えていると――
「シリカ様」
「ひっ!? な、ななな、なんですか!?」
突然声をかけられて、びくっとその場で跳ねる。
見ると六十そこそこの紳士がそこに立っていた。
身なりは清潔でシャツとパンツ姿。
白髪と白髭、ぴんと伸びた背筋、それらすべてが彼を執事然とさせている。
紳士の横には素朴そうな若い娘が、緊張した様子で頭を下げていた。
「突然お声をかけ失礼いたしました。執事長のクラウスと申します。こちらは侍女頭のアリーナです。今後はこのアリーナがシリカ様のお世話をさせていただきます」
「よ、よろしくお願いいたします」
侍女にしてはかなり若かった。
通常、侍女はある程度の経験や実績を持ち、血筋が一定以上の者を据える。
アリーナは下女と見間違うほどに若く、そして頼りなかった。
まともな国であれば、あり得ない配属だろう。
「こ、こちらこそよろしくお願いいたしますね」
どうやら、シリカが出てくるまで廊下で待ってくれていたらしい。
ドクドクと心臓がうるさいくらいに主張していた。
さっきまでとは違う感情が顔を出したせいか、鼓動は徐々に収まり、平常に戻った。
一体、あの状態はなんだったのだろうか。
シリカは首を傾げ、すぐに頭を振って邪念を払った。
考えもわからないことは考えても意味はない。
しかしやはり気になると、またうんうんと考え込んでしまう。
そんなおかしな様子の賓客を前にして、執事長と侍女は顔を見合わせた。
豪華なシャンデリアも絵画もインテリアもない。
下級貴族の方が華美な内装を施しているだろう。
ホールもまた狭く、左右に扉、正面に階段があり、吹き抜けで二階が見えるだけ。
二階正面に両開きのほんの少し豪奢な扉がある。恐らく謁見の間だろう。
二階の扉は左右に二つ。くぐれば廊下が伸び、いくつか部屋があるのだろうが、広さから言えば二部屋あればいい方だろう。
シリカは興味深そうに内観を眺めた。
(住むには十分だし、何も問題ないわね……ちょっと汚れているけれど)
うんうんと嬉しそうに頷くシリカに、守衛は戸惑いながら視線を向けた。
守衛の案内で左側の扉を通り、手近な部屋の前で止まる。
「お連れ致しました」
「入れ」
部屋の奥から男性の声が聞こえる。
どうやら件の陛下がいるのだろう。
シリカの中で緊張が一気に高まる。
(一体どういうお方なのかしら……)
ゆっくりと扉が開かれると同時に、シリカは顔を上げて、中を見た。
正面の机にその人物はいた。
長い髪に痩躯。四肢は細く、およそ健康とは程遠い様相だった。
長身でありながら病的に痩せているため、かなり貧相に見える。
頬はこけ、それでいて眼光は妙に鋭い。
恐らくは二十代後半なのだろうが、痩せぎすなせいで妙に年老いて見えた。
(この方が陛下……ヴィルヘルム様)
シリカは観察するようにじっとヴィルヘルムを凝視した。
自然と足が一歩二歩と進み、気づけば部屋に足を踏み入れていた。
後方で扉が閉まる。守衛によるものだろう。
二人だけの空間が生まれたせいか、シリカは我に返った。
見惚れていたわけでも、落胆していたわけでもない。
ただなぜかヴィルヘルムから目を離せなかったのだ。
一般的な評価で言えば、ヴィルヘルムはかなり貧相で、おおよそ整った容姿ではなかった。
しかしシリカは彼の容姿を評価しない。
そんなものに大して意味はないのだと、シリカは考えていたからだ。
ヴィルヘルムはほんの僅かに眉を顰めるも、すぐに無表情に戻った。
どうやら執務の途中だったらしく、ペンを置くと部屋中央にある対面式のソファーに座った。
本棚が無数にあるためかなり狭く、移動もやや窮屈そうだった。
ヴィルヘルムが座ってなお、シリカは呆然としていた。
不思議な感覚だった。
一目惚れというわけではなく、彼の容姿に落胆したわけでもない。
彼そのものに何か言いようのない魅力があったのだ。
不可思議な求心力、というべきか。
あるいは……運命的な感覚と言ってもいい。
シリカは人生で初めての経験に戸惑っていた。
同時に鼓動が異常に早いことに気づく。
(こ、これは一体、どういうことなの? 心臓がとてもうるさい……)
不意に自分の胸に手を当ててしまう。
熱を持ち、心は混乱し、足は感覚を失っていた。
無作法に見つめられているというのに、ヴィルヘルムは感情を表に出さない。
あるいは憮然としたように感じられるほど無感情に、彼は言った。
「座ってはいかがか?」
「あ! も、申し訳ありません!」
慌ててシリカはヴィルヘルムの正面のソファーに座った。
さっきまでとは打って変わって、シリカはヴィルヘルムを直視できなくなる。
俯いて僅かに頬を染めることしかできない。
「……すまないな」
「い、今、何かおっしゃいましたか?」
ヴィルヘルムの声はあまりに小さく、シリカは聞き逃してしまう。
ヴィルヘルムの表情は変わらず、感情が読み取れない。
「何も……挨拶が遅れた。余はロンダリア国王、ヴィルヘルム・フォルク・アンガーミュラーだ」
「わ、私は聖ファルムス聖神教団聖女……元聖女のシリカと申します」
「元ということは、セイクリアの聖名は返却されたのだな」
「は、はい、陛下はご落胆なされるかと思いますが」
聖女である、というだけで求婚は後を絶たない。
それは聖女という肩書や地位、関連する権力を有したいという考えがあるに過ぎない。
聖女自身にその力を行使する権利はないが、伴侶であれば色々と利用できるだろう。
しかし元聖女には地位も権力もなく、あるのは聖女として従事したという名誉だけだ。
むしろその名誉や実績すら、教団の意思一つで覆る可能性さえある。
実際、シリカは追放され、聖名や聖女という肩書を剥奪、しかも力まで奪われてしまった。
(そんな私に価値を見出す人間はいないわよね)
シリカは可能な限り冷静に現状を理解していた。
しかし、完全には喪失感を拭えなかった。
少し思い出すだけで胸の奥がチクリと痛んだ。
「いや、こちらからの申し入れだ。落胆などはない」
驚き顔を見上げるシリカ。
ヴィルヘルムの表情に変化がないため、本心か建前かは判然としない。
だが少なくとも、噂であった『不遜』とは遠い反応であることは間違いなかった。
「シリカ殿。そちらはどうか?」
「どう、と言いますと」
「この婚姻に納得しているのだろうか?」
おかしなことを言う人だ、とシリカは思った。
納得しようがしまいが、シリカに選択権などない。
仮に現役の聖女であったとしても、枢機卿が決めた結婚を断ることなどできない。
聖女は聖神教団の傀儡なのだ。
元聖女であればより顕著であることは明白。
自由の身でありながら、過去のすべてが身体を縛る。
どこへ行こうと何をしようと、教団の繋ぐ鎖が絡んでくる。
それは恐らく、ヴィルヘルムも同じであることは、シリカには察しがついていた。
弱体国、貧困国のロンダリアにとって、世界最大の宗教勢力である聖神教団を持つ聖ファルムスからの言は絶対。
断ることは叶わないのではないだろうか。
本意ではない結婚。
しかしそれを拒絶することはできない。
元々、シリカは拒絶するつもりもなかったのだが。
例え、聖女だった自分を求めていたのだとしても、少しでも必要とされる場所に行きたい。
行く宛のない人生なのだから、前向きに生きられるかもしれない土地で生きたい。
だからシリカはもう迷わない。
前を向き、生きるとそう決めたのだから。
「もちろんです」
シリカの淀みない返事に、ほんの少しだけヴィルヘルムは面食らった様子だった。
それも一瞬で、すぐに無表情に戻る。
「そうか……では、婚儀は予定通りに行うこととする。だが見ての通り我が国は裕福ではない。他国との国交は乏しく、国内に置いても催しを行うほどの余裕も必要性もない。国王と言えど婚儀を大々的に行うことはできない。そのため簡易的なものに留めての結婚となるが構わないか?」
「ええ、もちろん構いません」
結婚に憧れはあったが、自分が主役になりたいわけでも、祝って欲しかったわけでもない。
ただ、家族が欲しかっただけだった。
「婚儀は明日。長旅で疲れただろう。ゆっくりと休むがよい。以上だ」
「ありがとうございます」
まるで会議のような会話だった。
端的に要点のみを話す。
夫婦になる二人の会話にしては無機質で感情が伴っていない。
シリカは立ち上がると流れるように一礼し、部屋を出た。
扉を閉め、扉に体重を預ける。
「……はぁ、びっくりしたわ」
顔が熱く、鼓動も早い。
胸の前できゅっと手を握ると、僅かに震えていたことに気づく。
緊張だろうか。それとも疲労が溜まっていたのだろうか。
シリカが、そんな風に見当違いなことを考えていると――
「シリカ様」
「ひっ!? な、ななな、なんですか!?」
突然声をかけられて、びくっとその場で跳ねる。
見ると六十そこそこの紳士がそこに立っていた。
身なりは清潔でシャツとパンツ姿。
白髪と白髭、ぴんと伸びた背筋、それらすべてが彼を執事然とさせている。
紳士の横には素朴そうな若い娘が、緊張した様子で頭を下げていた。
「突然お声をかけ失礼いたしました。執事長のクラウスと申します。こちらは侍女頭のアリーナです。今後はこのアリーナがシリカ様のお世話をさせていただきます」
「よ、よろしくお願いいたします」
侍女にしてはかなり若かった。
通常、侍女はある程度の経験や実績を持ち、血筋が一定以上の者を据える。
アリーナは下女と見間違うほどに若く、そして頼りなかった。
まともな国であれば、あり得ない配属だろう。
「こ、こちらこそよろしくお願いいたしますね」
どうやら、シリカが出てくるまで廊下で待ってくれていたらしい。
ドクドクと心臓がうるさいくらいに主張していた。
さっきまでとは違う感情が顔を出したせいか、鼓動は徐々に収まり、平常に戻った。
一体、あの状態はなんだったのだろうか。
シリカは首を傾げ、すぐに頭を振って邪念を払った。
考えもわからないことは考えても意味はない。
しかしやはり気になると、またうんうんと考え込んでしまう。
そんなおかしな様子の賓客を前にして、執事長と侍女は顔を見合わせた。
110
お気に入りに追加
4,068
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
偽聖女の汚名を着せられ婚約破棄された元聖女ですが、『結界魔法』がことのほか便利なので魔獣の森でもふもふスローライフ始めます!
南田 此仁
恋愛
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人であると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」
■この三連休で完結します。14000文字程度の短編です。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。

一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・

前世の記憶を持つ守護聖女は婚約破棄されました。
さざれ石みだれ
恋愛
「カテリーナ。お前との婚約を破棄する!」
王子殿下に婚約破棄を突きつけられたのは、伯爵家次女、薄幸のカテリーナ。
前世で伝説の聖女であった彼女は、王都に対する闇の軍団の攻撃を防いでいた。
侵入しようとする悪霊は、聖女の力によって浄化されているのだ。
王国にとってなくてはならない存在のカテリーナであったが、とある理由で正体を明かすことができない。
政略的に決められた結婚にも納得し、静かに守護の祈りを捧げる日々を送っていたのだ。
ところが、王子殿下は婚約破棄したその場で巷で聖女と噂される女性、シャイナを侍らせ婚約を宣言する。
カテリーナは婚約者にふさわしくなく、本物の聖女であるシャイナが正に王家の正室として適格だと口にしたのだ。
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる