4 / 33
4 ロンダリア
しおりを挟む
幼少期は聖ファルムスの貧民街で過ごし、物心ついてからは聖女としての職務に追われていた。
そのせいだろう。世間知らずのシリカにとって、外の世界は新鮮だった。
山々や木々、自然の中に時々現れる人工物の看板や人家、時には商人や旅人たちとすれ違う。
それだけで妙な高揚感と、期待感を抱いた。
牧歌的な雰囲気に、シリカは少しずつ心が癒されるのを感じる。
数日前が嘘のようにシリカは笑顔を取り戻していた。
もちろん、忘れたわけではない。
半ば自棄になっている部分もあるが、それでも前を向こうとしていた。
そして出立から一か月が経過した。
初めての旅で疲労が凄まじかったが、愚痴も漏らさず、疲れを顔に出さなかった。
そんなシリカには、ここ数日で気になっていたことがある。
一週間ほど前まではすれ違う人たちに、活気があったように見えた。
足取りは軽く、仕事に熱心で、表情は活き活きとしていた。
だが、今はどうもそういったものがない。
農民は疲れた様子でふらふらと歩いているし、商人や旅人はほとんど見ない。
土地は荒涼としており、青々とした自然はほとんど見えず、岩々が視界を占めている。
風は乾いているし、妙に気怠さを感じるほどだ。
気温が高いわけではない。空気が淀んでいる、と言った方が近いだろう。
「なんだか様子が変ですね」
おもわず独りごちると、御者が肩越しに振り返りながら答える。
「もうロンダリアなんでね」
それはつまりロンダリアがそういう国である、と暗に言っていた。
国民に元気がない、そんな国なのだと。
ずっと教会の中で生きてきたシリカが、異国の情勢など知るはすもなく。
世間一般の常識がないのだから仕方がない。
聖女として活動するため、最低限の教養は得ているのだが。
「貧困国と聞きましたが、事実なのですか?」
「ああ。小国なため領土は少なく、観光地もない。市場も開かれてないため、商人や旅人を誘致できない。農業も畜産業も工業も盛んじゃないから、経済は滞っている。かなり貧乏な国だって噂だ。まあ、あんなことがありゃあな……」
あんなこと?
シリカがさらに疑問を口にしようとしたとき、御者が声を上げた。
「ほら、見えてきたぞ。あれがロンダリアの王都だ」
言われて窓から顔を出すシリカ。
遠くの方に小さな街が見えた。
そう、『街』であった。
一か月の旅の中で、何度も食料や必要品を街で買う機会があった。
シリカ自身はほとんど金銭を持ち合わせていなかったが、御者がすべて支払ってくれた。
教団の経費として賄える範囲内のことだったのだろう。
あるいはそうまでしてロンダリアへ嫁がせようとしているのかもしれない。
閑話休題。
その街と同程度の街。
それが目の前に見えている『ロンダリア王都』であった。
館のような小さな城が奥に見え、手前には百に満たない家屋が立ち並んでいるだけ。
聖ファルムス独立行政区の十分の……いや二十分の一程度の広さしかない。
「噂にゃ聞いてたが、本当にあれが王都なのか」
御者が驚くように呟き、慌てて言葉を紡いだ。
「い、いや、ま、まあ、うん。風情があって悪くないな」
明らかな誤魔化しと気遣いだった。
しかしシリカはそんな御者の言葉を気にしてはいなかった。
王都としては明らかに貧相であったが、シリカの内心に影響はなかった。
小さな安堵と不安、そして徐々に大きくなる期待感に胸を膨らませる。
(あれが私の住む場所!)
シリカは胸躍らせながら笑顔を浮かべ、愛しそうに街並みを眺めた。
数時間かけ、馬車は王都へ到着する。
王都であるというのに正門は小さく、三人ほどが横に並べるほどの幅しかない。
門が小さすぎて脇戸がないほどだった。
やる気のなさそうな門衛が一人。手入れのされていない槍とボロボロの鎧姿の初老の男性で、眠そうに半目の状態で立っていた。
門は開いた状態で、誰でも入れそうだった。
シリカは珍しそうに門衛や正門、防壁を眺め、感心したように「おー」と声を漏らしていた。
他に人の姿はなく、辺りはしんとしている。
王都周辺は平原が広がり、その奥に丘と森林があるだけで、見張り塔などはなかった。
御者が馬車を止めると面倒くさそうに近づいてくる。
「聖ファルムス国から陛下のご婚約者シリカ様をお連れしました」
「……通れ」
門衛に敬意も何もなく適当に返答した。
だらだらと門の横まで戻ると、先ほどと同じように佇んだ。
シリカが乗っているのは普通の馬車だし、賓客用としてはかなり見劣りがするのは間違いない。
しかし、本来君主の伴侶を迎えるとなれば、国を挙げて出迎えるべきだが、そんな素振りは微塵もなく町は平穏そのものだった。
御者が呆れたように馬車を進ませる。
正門近くの地面は石畳だったが、少し進むとすぐに土の地面に変わる。
どうやら舗装する金がなかったらしい。
左右には石造木造の家屋が立ち並ぶが、どれもボロボロで手入れがされていない。
大通り――実際は馬車二台分くらいの幅しかない――には、宿らしき建物が一つあるだけで他に店はないようだった。
シリカが遠目で見た感じでは、大通りの左右に一つ細い通りがあり、中央に川が流れているだけで、他に目立った部分はなかった。
路地裏には他に店があるのかもしれないが、それにしても少ない。
都内の就労者はどうやって身銭を稼いでいるのだろうか。
大通りには人がほとんどいない。
若者は片手で数える程度、大半は老人か初老の男女だった。
誰もが顔に覇気がない。猫背で笑顔なくとぼとぼと歩いている。
王都に住まう人々なのに服は簡素で、むしろ泥や土で汚れている人も散見された。
「こりゃ想像よりも酷いな」
思わず御者が言葉を漏らした。
シリカは興味深そうに辺りを見回していた。
(やっぱりみんな元気ないなぁ。疲労? いえ、それだけじゃないような……)
シリカは自分自身の感情よりも、周りの様子を気にした。
中心都市である王都がこの様子では、貧困国という噂は恐らく事実なのだろう。
少なくとも裕福には決して見えなかった。
馬車が大通りを進み、小城へとたどり着く。
近くで見ると余計に、城というより館のようだった。
外壁はところどころ剥がれ落ち、老朽化していることが見て取れる。
跳ね橋もなく、落とし格子もない。
外敵から身を守ることなど到底できない造りだった。
城の門衛に声をかけるとさっさと奥へと誘われる。
馬車は城の奥へと進み、中庭まで行くと止まった。
「ほら、着いたよ」
「ありがとうございます」
小窓越しに御者が言うと、シリカは笑顔で返した。
あまりに素直な反応だったからか、御者は気まずそうに顔を伏せる。
「感謝なんぞいらんよ。仕事だからな。それに……俺はあんたをこんな場所まで連れてきちまったんだから……むしろ恨み言の一つでも――」
「大丈夫です」
御者の言葉を遮るようにシリカは言った。
笑顔で、恨みも憎しみもなく、ただ純粋に頷いた。
御者は驚きを隠せなかった。
シリカが馬車から降りると出迎えの守衛たちが近づいてくる。
そんな中、御者も台から降り、シリカに向き直ると地面に跪いた。
シリカに傅くように祈り、そして一言漏らす。
「……あなたに聖神様のご加護があらんことを」
シリカは笑顔で大きく頷いて返す。
御者は苦虫を噛み潰したような顔で立ち上がる。
その顔は、何かの呵責に苛まれているように見えた。
しかしそれ以上は互いに何も言わない。
御者は無言で御者台に戻り、そして馬車を操り、去っていった。
「こちらです」
やる気がなさそうな守衛に導かれ、シリカは城の中へと足を踏み入れた。
その足取りは妙に軽かった。
そのせいだろう。世間知らずのシリカにとって、外の世界は新鮮だった。
山々や木々、自然の中に時々現れる人工物の看板や人家、時には商人や旅人たちとすれ違う。
それだけで妙な高揚感と、期待感を抱いた。
牧歌的な雰囲気に、シリカは少しずつ心が癒されるのを感じる。
数日前が嘘のようにシリカは笑顔を取り戻していた。
もちろん、忘れたわけではない。
半ば自棄になっている部分もあるが、それでも前を向こうとしていた。
そして出立から一か月が経過した。
初めての旅で疲労が凄まじかったが、愚痴も漏らさず、疲れを顔に出さなかった。
そんなシリカには、ここ数日で気になっていたことがある。
一週間ほど前まではすれ違う人たちに、活気があったように見えた。
足取りは軽く、仕事に熱心で、表情は活き活きとしていた。
だが、今はどうもそういったものがない。
農民は疲れた様子でふらふらと歩いているし、商人や旅人はほとんど見ない。
土地は荒涼としており、青々とした自然はほとんど見えず、岩々が視界を占めている。
風は乾いているし、妙に気怠さを感じるほどだ。
気温が高いわけではない。空気が淀んでいる、と言った方が近いだろう。
「なんだか様子が変ですね」
おもわず独りごちると、御者が肩越しに振り返りながら答える。
「もうロンダリアなんでね」
それはつまりロンダリアがそういう国である、と暗に言っていた。
国民に元気がない、そんな国なのだと。
ずっと教会の中で生きてきたシリカが、異国の情勢など知るはすもなく。
世間一般の常識がないのだから仕方がない。
聖女として活動するため、最低限の教養は得ているのだが。
「貧困国と聞きましたが、事実なのですか?」
「ああ。小国なため領土は少なく、観光地もない。市場も開かれてないため、商人や旅人を誘致できない。農業も畜産業も工業も盛んじゃないから、経済は滞っている。かなり貧乏な国だって噂だ。まあ、あんなことがありゃあな……」
あんなこと?
シリカがさらに疑問を口にしようとしたとき、御者が声を上げた。
「ほら、見えてきたぞ。あれがロンダリアの王都だ」
言われて窓から顔を出すシリカ。
遠くの方に小さな街が見えた。
そう、『街』であった。
一か月の旅の中で、何度も食料や必要品を街で買う機会があった。
シリカ自身はほとんど金銭を持ち合わせていなかったが、御者がすべて支払ってくれた。
教団の経費として賄える範囲内のことだったのだろう。
あるいはそうまでしてロンダリアへ嫁がせようとしているのかもしれない。
閑話休題。
その街と同程度の街。
それが目の前に見えている『ロンダリア王都』であった。
館のような小さな城が奥に見え、手前には百に満たない家屋が立ち並んでいるだけ。
聖ファルムス独立行政区の十分の……いや二十分の一程度の広さしかない。
「噂にゃ聞いてたが、本当にあれが王都なのか」
御者が驚くように呟き、慌てて言葉を紡いだ。
「い、いや、ま、まあ、うん。風情があって悪くないな」
明らかな誤魔化しと気遣いだった。
しかしシリカはそんな御者の言葉を気にしてはいなかった。
王都としては明らかに貧相であったが、シリカの内心に影響はなかった。
小さな安堵と不安、そして徐々に大きくなる期待感に胸を膨らませる。
(あれが私の住む場所!)
シリカは胸躍らせながら笑顔を浮かべ、愛しそうに街並みを眺めた。
数時間かけ、馬車は王都へ到着する。
王都であるというのに正門は小さく、三人ほどが横に並べるほどの幅しかない。
門が小さすぎて脇戸がないほどだった。
やる気のなさそうな門衛が一人。手入れのされていない槍とボロボロの鎧姿の初老の男性で、眠そうに半目の状態で立っていた。
門は開いた状態で、誰でも入れそうだった。
シリカは珍しそうに門衛や正門、防壁を眺め、感心したように「おー」と声を漏らしていた。
他に人の姿はなく、辺りはしんとしている。
王都周辺は平原が広がり、その奥に丘と森林があるだけで、見張り塔などはなかった。
御者が馬車を止めると面倒くさそうに近づいてくる。
「聖ファルムス国から陛下のご婚約者シリカ様をお連れしました」
「……通れ」
門衛に敬意も何もなく適当に返答した。
だらだらと門の横まで戻ると、先ほどと同じように佇んだ。
シリカが乗っているのは普通の馬車だし、賓客用としてはかなり見劣りがするのは間違いない。
しかし、本来君主の伴侶を迎えるとなれば、国を挙げて出迎えるべきだが、そんな素振りは微塵もなく町は平穏そのものだった。
御者が呆れたように馬車を進ませる。
正門近くの地面は石畳だったが、少し進むとすぐに土の地面に変わる。
どうやら舗装する金がなかったらしい。
左右には石造木造の家屋が立ち並ぶが、どれもボロボロで手入れがされていない。
大通り――実際は馬車二台分くらいの幅しかない――には、宿らしき建物が一つあるだけで他に店はないようだった。
シリカが遠目で見た感じでは、大通りの左右に一つ細い通りがあり、中央に川が流れているだけで、他に目立った部分はなかった。
路地裏には他に店があるのかもしれないが、それにしても少ない。
都内の就労者はどうやって身銭を稼いでいるのだろうか。
大通りには人がほとんどいない。
若者は片手で数える程度、大半は老人か初老の男女だった。
誰もが顔に覇気がない。猫背で笑顔なくとぼとぼと歩いている。
王都に住まう人々なのに服は簡素で、むしろ泥や土で汚れている人も散見された。
「こりゃ想像よりも酷いな」
思わず御者が言葉を漏らした。
シリカは興味深そうに辺りを見回していた。
(やっぱりみんな元気ないなぁ。疲労? いえ、それだけじゃないような……)
シリカは自分自身の感情よりも、周りの様子を気にした。
中心都市である王都がこの様子では、貧困国という噂は恐らく事実なのだろう。
少なくとも裕福には決して見えなかった。
馬車が大通りを進み、小城へとたどり着く。
近くで見ると余計に、城というより館のようだった。
外壁はところどころ剥がれ落ち、老朽化していることが見て取れる。
跳ね橋もなく、落とし格子もない。
外敵から身を守ることなど到底できない造りだった。
城の門衛に声をかけるとさっさと奥へと誘われる。
馬車は城の奥へと進み、中庭まで行くと止まった。
「ほら、着いたよ」
「ありがとうございます」
小窓越しに御者が言うと、シリカは笑顔で返した。
あまりに素直な反応だったからか、御者は気まずそうに顔を伏せる。
「感謝なんぞいらんよ。仕事だからな。それに……俺はあんたをこんな場所まで連れてきちまったんだから……むしろ恨み言の一つでも――」
「大丈夫です」
御者の言葉を遮るようにシリカは言った。
笑顔で、恨みも憎しみもなく、ただ純粋に頷いた。
御者は驚きを隠せなかった。
シリカが馬車から降りると出迎えの守衛たちが近づいてくる。
そんな中、御者も台から降り、シリカに向き直ると地面に跪いた。
シリカに傅くように祈り、そして一言漏らす。
「……あなたに聖神様のご加護があらんことを」
シリカは笑顔で大きく頷いて返す。
御者は苦虫を噛み潰したような顔で立ち上がる。
その顔は、何かの呵責に苛まれているように見えた。
しかしそれ以上は互いに何も言わない。
御者は無言で御者台に戻り、そして馬車を操り、去っていった。
「こちらです」
やる気がなさそうな守衛に導かれ、シリカは城の中へと足を踏み入れた。
その足取りは妙に軽かった。
114
お気に入りに追加
4,068
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
偽聖女の汚名を着せられ婚約破棄された元聖女ですが、『結界魔法』がことのほか便利なので魔獣の森でもふもふスローライフ始めます!
南田 此仁
恋愛
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人であると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」
■この三連休で完結します。14000文字程度の短編です。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。

前世の記憶を持つ守護聖女は婚約破棄されました。
さざれ石みだれ
恋愛
「カテリーナ。お前との婚約を破棄する!」
王子殿下に婚約破棄を突きつけられたのは、伯爵家次女、薄幸のカテリーナ。
前世で伝説の聖女であった彼女は、王都に対する闇の軍団の攻撃を防いでいた。
侵入しようとする悪霊は、聖女の力によって浄化されているのだ。
王国にとってなくてはならない存在のカテリーナであったが、とある理由で正体を明かすことができない。
政略的に決められた結婚にも納得し、静かに守護の祈りを捧げる日々を送っていたのだ。
ところが、王子殿下は婚約破棄したその場で巷で聖女と噂される女性、シャイナを侍らせ婚約を宣言する。
カテリーナは婚約者にふさわしくなく、本物の聖女であるシャイナが正に王家の正室として適格だと口にしたのだ。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる