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子羊少年と王様少年
60.皆との関係
しおりを挟むボクがそんな思考の中に陥ってる中、そうこうしていると、フウマも話題に加わってきていた。
「子羊くんの言葉はオレにとっても凄く嬉しいものだったな!
まぁだが、オレにとって子羊くんは友達ではないがな!」
「え!?…違ったの!?ボク達友達じゃないの…!?」
フウマの唐突なそんな発言にボクの思考は一気にそちらへ傾き、心に強いショックを与えた。
フウマにとってはボクは友達じゃなかったの…!?
そう思ってたのってボクだけだったの…!?
やっぱりボクの気持ちって一方通行だった…!?
うわぁ…滅茶苦茶ショックだぁ……。
「ああ!オレにとって君は友達ではない、友達なんて言葉では君との関係は収まりきらない!!
何故ならオレにとって君は一等可愛くて、そしてどんな時もずっと一緒にいたい大事な家来だからな!!」
「あ…!あぁ…そういう事ね…。」
な、なんだ…。
いつもの王様と家来とかそういう話かぁ…、一安心した…。
フウマにとってそれは、友情を越えた人へ向ける最上級の言葉だっていうのはもう、今までの経験で理解してきてはいるけれど、でもやっぱり何か複雑だなぁ…。
ま、まぁだけど!自分でもなぜそう思うか理由が分からないけれど!
ボクとフウマの関係を単純に友達という言葉で収めてしまうのは、ボク自身もなぜだかちょっと嫌な気もして。
自分でもなぜなのか説明はできないけれど、だからフウマの言葉も、まぁそれでいいかなぁ…?とも思った。
そして、ボクとフウマの会話にもクウガ達も加わってきていた。
「確かにソウジくんは滅茶苦茶可愛いっすねフウマくん!」
「え…?そっちに話題いくの!?」
「おお!!分かってくれるかクウガ!」
「勿論っす!自分たちの発言にいちいち照れて顔を真っ赤にするのがもうとにかく可愛くて!
いやだからといってソウジくんに甘えてやり過ぎはダメと反省はしたんすが、それでもついついからかいたくなっちゃう位可愛っす!!」
「わかるぞその気持ち!
流石にオレでもグイグイ迫りすぎたかと、反省する事もあるんだが、それでも彼の反応があまりに可愛すぎて、辞める事が出来なくてな!
本当に可愛すぎるぞ子羊くん!!」
気づいたらボクの事をひたすら可愛いと、やたらめったら褒め続ける会話が続いていた。
は、恥ずかしい過ぎる……。
「可愛いとか連呼しないで!
恥ずかしいから…!」
「ほら今の表情も凄く可愛いぞ!!」
「あ!本当っすね!」
「もう!だからやめてって!」
「ぼくも…ソウジくんの照れ屋さんな所…すごく…かわいいと思うよ…。」
「さ、流石にココロは否定してよぉ…!
というかそももそも男が可愛いとか言われても全然嬉しくないからーーーーー!!」
そして再び、しかも今度は三人全員からボクがひたすら弄られ続けるターンに突入していた。
解せないし、本当におかしいと思う。
それでも、ボクは相変わらず恥ずかしさや照れ臭さでまともに対応ができないけど、でも同時にこういう賑やかな感じはけして嫌いじゃない、むしろ好きだとも今は思えていて。
仲直りをした直後のはずなのにこんなにも直ぐにもういつも通りなのかと拍子抜けはやっぱりしてしまうけれど、でもそれ以上にあんな衝突を経てもなお、またこうして皆といつもの様なやり取りが出来ているという事実が、やっぱりたまらなく嬉しくもあって。
そして、関係がギクシャクしてしまう程の出来事があっても、また直ぐにいつも通りの仲へと戻る事が出来る関係って、むしろ凄く素敵で尊いものなのではないかな?とも思ったりして。
そんな皆との関係がやっぱりボクは大好きで…!
「ふふっ。ふふふふふっ。」
だから結局は、納得出来ない気持ちや恥ずかしさよりも、そんな関係を皆と築く事ができているという、どうしようもない嬉しさの方が余裕で勝ってしまって、ボクの口からは笑みが零れ落ちていった。
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