48 / 75
機密文書
48
しおりを挟む
「恵太だって男子なんだから、そーいうことも勿論あるわよ。幻滅したなら帰っていいよ?」
「幻滅なんてしてないっっ!」
新島春香に「シッシ」と右手でジェスチャーされ、真中聡子はバンと机を叩いて反論した。
「…だけど、知るのも怖い気がする」
「大丈夫です、前情報はありますから」
ルーが口元に手を当て、「ニシシ」と笑う。
「前情報…?」
「そうです、眼鏡巨乳の委員長モノに、ツインテールのロリッ娘モノ…私たちは限りなく当確のハズなんです」
「なんか前にもそんなコト言ってたわね、一体何を根拠に…」
新島春香がくだらなそうに呟いた。
「ファーラスで春日翔さんから得た情報ですよ。あの時のケータお兄ちゃんの態度から察するに、かなり信憑性が高いと思います」
「う……ファーラス…」
新島春香は言葉に詰まる。
「ハルカさんに見つかると困るから、隠し場所のことで春日翔さんに相談したみたいですよ」
「何で恵太が、私に見つかるなんて思うのよ?」
ルーの言葉を聞いて、新島春香の目が丸くなる。
「前にも言いましたけど、ケータお兄ちゃんがハルカさんの掃除の事を知ってるからです」
「むー…」
「ホットパンツ姿でベッドの下に潜り込んで、お尻を振ってる姿も見られてるんじゃないですか?」
ルーは壁に掛けてある、新島春香の薄桃色の部屋着を指差しながら「ニシシ」と笑った。
「振ってない!お尻なんて振ってないっっ」
「潜り込んでるのは、否定しないんですね」
「ぐ……」
ルーにジト目で見つめられ、新島春香は口元を押さえて赤面する。
「ちょっと待ってっっ」
そのとき真中聡子が会話に割り込んだ。
「話が全然見えないんだけどっ!そもそも『ファーラス』って何!?」
「…え!?」
真中聡子の言葉に、ルーと新島春香はキョトンと顔を見合わせる。それから「あーっ!!」と声を張り上げた。
~~~
「今まで必死に誤魔化してきたのに、まさかこんなタイミングで…」
新島春香がゲンナリしたように溜め息をついた。
「面倒事を先延ばしにした私の責任です。もー潮時だったってコトですね」
ルーも自嘲気味に微笑む。
「ちょっと、分かるように言いなさいよっ」
真中聡子は、二人の様子にやや苛立ちを覚えた。
「分かりました」
ルーはゆっくり頷くと、真中聡子の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「これから私は本当の事を話しますが、それを信じるかどうかはサトコさんに任せます」
ルーの普段にない真剣な表情に、真中聡子はゴクリと息を飲んだ。
~~~
「それじゃ、図書館や校舎裏の怪物は、全部本当の事だったの?」
「そうです」
ルーが力強く頷くのを見て、真中聡子は「ふー」と大きく息を吐いた。
「その様子だと、春香は信じてるのね?」
「まー…ね、私の場合は、信じざるを得ない事実を突き付けられたからね」
「何それ、ちなみにどんな?」
「黙秘権を主張します」
「ふーん、でもルーは知ってるんだよね?」
「まーそうですね。ですが、私とサトコさんにとっては不利益な情報に成りかねません」
「どーいう意味よ?…でもまあ、了解」
そう言って真中聡子は、どこかスッキリした表情になった。
「どーにも腑に落ちないことが続いたけど、コレでやっとスッキリしたわ」
「信じてくれるんですか?」
ルーが驚いたような声を出す。
「信じると言うか、その方が辻褄が合うってだけ」
真中聡子は肩をすくめながら微笑んだ。
「それに…そこの春香が信じてるなら、そーなんでしょ?」
「な…誰がバカよっっ!!」
唐突に貶された新島春香は、顔を真っ赤にして頬を膨らませた。
「幻滅なんてしてないっっ!」
新島春香に「シッシ」と右手でジェスチャーされ、真中聡子はバンと机を叩いて反論した。
「…だけど、知るのも怖い気がする」
「大丈夫です、前情報はありますから」
ルーが口元に手を当て、「ニシシ」と笑う。
「前情報…?」
「そうです、眼鏡巨乳の委員長モノに、ツインテールのロリッ娘モノ…私たちは限りなく当確のハズなんです」
「なんか前にもそんなコト言ってたわね、一体何を根拠に…」
新島春香がくだらなそうに呟いた。
「ファーラスで春日翔さんから得た情報ですよ。あの時のケータお兄ちゃんの態度から察するに、かなり信憑性が高いと思います」
「う……ファーラス…」
新島春香は言葉に詰まる。
「ハルカさんに見つかると困るから、隠し場所のことで春日翔さんに相談したみたいですよ」
「何で恵太が、私に見つかるなんて思うのよ?」
ルーの言葉を聞いて、新島春香の目が丸くなる。
「前にも言いましたけど、ケータお兄ちゃんがハルカさんの掃除の事を知ってるからです」
「むー…」
「ホットパンツ姿でベッドの下に潜り込んで、お尻を振ってる姿も見られてるんじゃないですか?」
ルーは壁に掛けてある、新島春香の薄桃色の部屋着を指差しながら「ニシシ」と笑った。
「振ってない!お尻なんて振ってないっっ」
「潜り込んでるのは、否定しないんですね」
「ぐ……」
ルーにジト目で見つめられ、新島春香は口元を押さえて赤面する。
「ちょっと待ってっっ」
そのとき真中聡子が会話に割り込んだ。
「話が全然見えないんだけどっ!そもそも『ファーラス』って何!?」
「…え!?」
真中聡子の言葉に、ルーと新島春香はキョトンと顔を見合わせる。それから「あーっ!!」と声を張り上げた。
~~~
「今まで必死に誤魔化してきたのに、まさかこんなタイミングで…」
新島春香がゲンナリしたように溜め息をついた。
「面倒事を先延ばしにした私の責任です。もー潮時だったってコトですね」
ルーも自嘲気味に微笑む。
「ちょっと、分かるように言いなさいよっ」
真中聡子は、二人の様子にやや苛立ちを覚えた。
「分かりました」
ルーはゆっくり頷くと、真中聡子の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「これから私は本当の事を話しますが、それを信じるかどうかはサトコさんに任せます」
ルーの普段にない真剣な表情に、真中聡子はゴクリと息を飲んだ。
~~~
「それじゃ、図書館や校舎裏の怪物は、全部本当の事だったの?」
「そうです」
ルーが力強く頷くのを見て、真中聡子は「ふー」と大きく息を吐いた。
「その様子だと、春香は信じてるのね?」
「まー…ね、私の場合は、信じざるを得ない事実を突き付けられたからね」
「何それ、ちなみにどんな?」
「黙秘権を主張します」
「ふーん、でもルーは知ってるんだよね?」
「まーそうですね。ですが、私とサトコさんにとっては不利益な情報に成りかねません」
「どーいう意味よ?…でもまあ、了解」
そう言って真中聡子は、どこかスッキリした表情になった。
「どーにも腑に落ちないことが続いたけど、コレでやっとスッキリしたわ」
「信じてくれるんですか?」
ルーが驚いたような声を出す。
「信じると言うか、その方が辻褄が合うってだけ」
真中聡子は肩をすくめながら微笑んだ。
「それに…そこの春香が信じてるなら、そーなんでしょ?」
「な…誰がバカよっっ!!」
唐突に貶された新島春香は、顔を真っ赤にして頬を膨らませた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ@10シリーズ書籍化
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる