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機密文書

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「恵太だって男子なんだから、そーいうことも勿論あるわよ。幻滅したなら帰っていいよ?」

「幻滅なんてしてないっっ!」

新島春香に「シッシ」と右手でジェスチャーされ、真中聡子はバンと机を叩いて反論した。

「…だけど、知るのも怖い気がする」

「大丈夫です、前情報はありますから」

ルーが口元に手を当て、「ニシシ」と笑う。

「前情報…?」

「そうです、眼鏡巨乳の委員長モノに、ツインテールのロリッ娘モノ…私たちは限りなく当確のハズなんです」

「なんか前にもそんなコト言ってたわね、一体何を根拠に…」

新島春香がくだらなそうに呟いた。

「ファーラスで春日翔さんから得た情報ですよ。あの時のケータお兄ちゃんの態度から察するに、かなり信憑性が高いと思います」

「う……ファーラス…」

新島春香は言葉に詰まる。

「ハルカさんに見つかると困るから、隠し場所のことで春日翔さんに相談したみたいですよ」

「何で恵太が、私に見つかるなんて思うのよ?」

ルーの言葉を聞いて、新島春香の目が丸くなる。

「前にも言いましたけど、ケータお兄ちゃんがハルカさんのの事を知ってるからです」

「むー…」

「ホットパンツ姿でベッドの下に潜り込んで、お尻を振ってる姿も見られてるんじゃないですか?」

ルーは壁に掛けてある、新島春香の薄桃色の部屋着を指差しながら「ニシシ」と笑った。

「振ってない!お尻なんて振ってないっっ」

「潜り込んでるのは、否定しないんですね」

「ぐ……」

ルーにジト目で見つめられ、新島春香は口元を押さえて赤面する。

「ちょっと待ってっっ」

そのとき真中聡子が会話に割り込んだ。

「話が全然見えないんだけどっ!そもそも『ファーラス』って何!?」

「…え!?」

真中聡子の言葉に、ルーと新島春香はキョトンと顔を見合わせる。それから「あーっ!!」と声を張り上げた。

   ~~~

「今まで必死に誤魔化してきたのに、まさかこんなタイミングで…」

新島春香がゲンナリしたように溜め息をついた。

「面倒事を先延ばしにした私の責任です。もー潮時だったってコトですね」

ルーも自嘲気味に微笑む。

「ちょっと、分かるように言いなさいよっ」

真中聡子は、二人の様子にやや苛立ちを覚えた。

「分かりました」

ルーはゆっくり頷くと、真中聡子の瞳を真っ直ぐに見つめた。

「これから私はを話しますが、それを信じるかどうかはサトコさんに任せます」

ルーの普段にない真剣な表情に、真中聡子はゴクリと息を飲んだ。

   ~~~

「それじゃ、図書館や校舎裏の怪物は、全部本当の事だったの?」

「そうです」

ルーが力強く頷くのを見て、真中聡子は「ふー」と大きく息を吐いた。

「その様子だと、春香は信じてるのね?」

「まー…ね、私の場合は、信じざるを得ない事実を突き付けられたからね」

「何それ、ちなみにどんな?」

「黙秘権を主張します」

「ふーん、でもルーは知ってるんだよね?」

「まーそうですね。ですが、私とサトコさんにとっては不利益な情報に成りかねません」

「どーいう意味よ?…でもまあ、了解」

そう言って真中聡子は、どこかスッキリした表情になった。

「どーにも腑に落ちないことが続いたけど、コレでやっとスッキリしたわ」

「信じてくれるんですか?」

ルーが驚いたような声を出す。

「信じると言うか、その方が辻褄が合うってだけ」

真中聡子は肩をすくめながら微笑んだ。

「それに…そこの春香バカが信じてるなら、そーなんでしょ?」

「な…誰がバカよっっ!!」

唐突に貶された新島春香は、顔を真っ赤にして頬を膨らませた。
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