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19 君の名は
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宝来尊は、大きく陥没した床の中心で片膝を突いていた。外傷は全くない。しかしその衝撃の重さに立っている事も出来なかった。
「はー、今の凄かったなー」
そのとき視界が赤く反転し、突然『warning!』と表示される。
続いて、
『障壁負荷甚大。耐久力残量少』
「はあ⁉︎」
表示内容に思わず大きな声が漏れ出たが、慌てて口元を右手で押さえた。
「今のに耐えるとはな、小僧」
するとチンチクリンの姿に戻った赤鬼が、宝来尊の目の前でドサっとその場に座り込んだ。
「で、どうします? もっともサービスタイムは終わりですので、次からは俺も手を出しますが」
宝来尊はドキドキを押し殺して、余裕の表情を必死に作る。
「はん、言ってくれる。だがもう終わりだ。どうやら儂では、足下にも及ばんようだからな」
赤鬼は「ガハハ」と大きな笑い声をあげると、背中から大の字に倒れ込んだ。
「…そーですか、良かった」
本当に良かった。宝来尊は「はああ」と大きく息を吐いた。
その頃になって、宝来尊の視界が元に戻る。どうやら自動修復は備わっているようだ。しかしそれを上回る攻撃を連続で受け続けたら、いつかは限界に達してしまう。
「運が良かったな」
宝来尊はボソリと呟いた。ここでスキルの検証が出来たのは本当に大きい。知らずに死地に放り込まれていたなら、どうなっていた事だろうか。
「ミコトさまーーっ!」
その時シラネが背後から飛びついてきた。
「シラネ⁉︎」
「何処もお怪我はありませんか? ああ、お膝が汚れてしまわれております」
シラネは宝来尊の全身を隈なく確認し、最後には砕けた床に自分の膝を突いてズボンの砂を払う。
「あーシラネ、もう大丈夫だから。シラネのドレスまで汚れてしまう」
「いいえミコトさま、わたくしの事はお気になさらないでください。御身の安寧が一番でございます」
今まで以上にキラキラした瞳を向けられ、宝来尊は思わず苦笑いを浮かべた。
「おい、小僧」
すると唐突に赤鬼が上体を起こし、白目の大きな三白眼を宝来尊にギロリと向ける。
「儂の名はホシワリ。いずれはこの拳ひとつで星を砕く漢よ」
そうして「ガハハ」と豪快な笑い声が、演習場内に響き渡った。
~~~
ホシワリ
職業 :ムキム鬼(赤)
体力 :9,999千
魔力 : 0
攻撃力:9,999千
敏捷性: 50千
その晩、宝来尊はホシワリを、そっと四天王に登録した。
「はー、今の凄かったなー」
そのとき視界が赤く反転し、突然『warning!』と表示される。
続いて、
『障壁負荷甚大。耐久力残量少』
「はあ⁉︎」
表示内容に思わず大きな声が漏れ出たが、慌てて口元を右手で押さえた。
「今のに耐えるとはな、小僧」
するとチンチクリンの姿に戻った赤鬼が、宝来尊の目の前でドサっとその場に座り込んだ。
「で、どうします? もっともサービスタイムは終わりですので、次からは俺も手を出しますが」
宝来尊はドキドキを押し殺して、余裕の表情を必死に作る。
「はん、言ってくれる。だがもう終わりだ。どうやら儂では、足下にも及ばんようだからな」
赤鬼は「ガハハ」と大きな笑い声をあげると、背中から大の字に倒れ込んだ。
「…そーですか、良かった」
本当に良かった。宝来尊は「はああ」と大きく息を吐いた。
その頃になって、宝来尊の視界が元に戻る。どうやら自動修復は備わっているようだ。しかしそれを上回る攻撃を連続で受け続けたら、いつかは限界に達してしまう。
「運が良かったな」
宝来尊はボソリと呟いた。ここでスキルの検証が出来たのは本当に大きい。知らずに死地に放り込まれていたなら、どうなっていた事だろうか。
「ミコトさまーーっ!」
その時シラネが背後から飛びついてきた。
「シラネ⁉︎」
「何処もお怪我はありませんか? ああ、お膝が汚れてしまわれております」
シラネは宝来尊の全身を隈なく確認し、最後には砕けた床に自分の膝を突いてズボンの砂を払う。
「あーシラネ、もう大丈夫だから。シラネのドレスまで汚れてしまう」
「いいえミコトさま、わたくしの事はお気になさらないでください。御身の安寧が一番でございます」
今まで以上にキラキラした瞳を向けられ、宝来尊は思わず苦笑いを浮かべた。
「おい、小僧」
すると唐突に赤鬼が上体を起こし、白目の大きな三白眼を宝来尊にギロリと向ける。
「儂の名はホシワリ。いずれはこの拳ひとつで星を砕く漢よ」
そうして「ガハハ」と豪快な笑い声が、演習場内に響き渡った。
~~~
ホシワリ
職業 :ムキム鬼(赤)
体力 :9,999千
魔力 : 0
攻撃力:9,999千
敏捷性: 50千
その晩、宝来尊はホシワリを、そっと四天王に登録した。
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