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9 引き篭もり
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「あの、ところでさ」
気を取り直して宝来尊は、シラネの方に顔を向ける。
「急かすみたいで申し訳ないんだけど、時給の計算はいつから始まるの?」
「これは大変失礼致しました、ミコトさま」
言われてハッとしたように、シラネは深々と頭を下げた。
「玉座の背もたれに、魔法陣があるのは分かりますでしょうか?」
「ああ、コレ?」
宝来尊が身体をずらして確認すると、ちょうど後頭部の位置に円形の魔法陣が確かにある。
「はい。そこに手を当てて了承すると宣言してください」
言われるがまま、宝来尊は右手を当てて「了承する」と口にする。
すると魔法陣から光が溢れ、宝来尊に吸い込まれるように消えていった。
「これで契約完了です。それではミコトさま、180日間よろしくお願い致します」
その光景を見つめていたシラネが、嬉しそうに天使の微笑みを満面に浮かべる。
「こちらこそ宜しく、シラネ」
こんな笑顔が見れるなら、世界を征服するのも悪くない…そんな柄にもない事を、宝来尊は改めて考えていた。
~~~
自分の能力アップのためにも、四天王の確保は最優先の急務である。宝来尊はシラネの案内で、地下の一室の前に立っていた。
不思議な事に、何やらムワッとした熱気が扉の外にまで伝わってくる。
「何か…暑苦しいな」
「はい。ですのでわたくしも、あまり近付いた事がございません」
そう言いながらもシラネは前に進み出て、扉をコンコンとノックした。
「魔王さまのお目通りである。ここを開けよ」
しかし何も反応がない。シラネは再び、今度は強めに扉を叩いた。
「ここを開けよ!」
それでもやはり、結果は変わらなかった。
シラネはゆっくり振り返ると、ニッコリと最高の笑顔を浮かべる。
「ミコトさま、この扉を斬り裂いても宜しいでしょうか?」
「いやいや待て待て」
宝来尊は、慌てて首を横に振った。
「何か事情があるかもしれないから、今日は一旦出直そう」
絶対シラネは怒らすまいと、そう心に誓った瞬間だった。
気を取り直して宝来尊は、シラネの方に顔を向ける。
「急かすみたいで申し訳ないんだけど、時給の計算はいつから始まるの?」
「これは大変失礼致しました、ミコトさま」
言われてハッとしたように、シラネは深々と頭を下げた。
「玉座の背もたれに、魔法陣があるのは分かりますでしょうか?」
「ああ、コレ?」
宝来尊が身体をずらして確認すると、ちょうど後頭部の位置に円形の魔法陣が確かにある。
「はい。そこに手を当てて了承すると宣言してください」
言われるがまま、宝来尊は右手を当てて「了承する」と口にする。
すると魔法陣から光が溢れ、宝来尊に吸い込まれるように消えていった。
「これで契約完了です。それではミコトさま、180日間よろしくお願い致します」
その光景を見つめていたシラネが、嬉しそうに天使の微笑みを満面に浮かべる。
「こちらこそ宜しく、シラネ」
こんな笑顔が見れるなら、世界を征服するのも悪くない…そんな柄にもない事を、宝来尊は改めて考えていた。
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自分の能力アップのためにも、四天王の確保は最優先の急務である。宝来尊はシラネの案内で、地下の一室の前に立っていた。
不思議な事に、何やらムワッとした熱気が扉の外にまで伝わってくる。
「何か…暑苦しいな」
「はい。ですのでわたくしも、あまり近付いた事がございません」
そう言いながらもシラネは前に進み出て、扉をコンコンとノックした。
「魔王さまのお目通りである。ここを開けよ」
しかし何も反応がない。シラネは再び、今度は強めに扉を叩いた。
「ここを開けよ!」
それでもやはり、結果は変わらなかった。
シラネはゆっくり振り返ると、ニッコリと最高の笑顔を浮かべる。
「ミコトさま、この扉を斬り裂いても宜しいでしょうか?」
「いやいや待て待て」
宝来尊は、慌てて首を横に振った。
「何か事情があるかもしれないから、今日は一旦出直そう」
絶対シラネは怒らすまいと、そう心に誓った瞬間だった。
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