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第二章 メイの再生屋
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「それで使徒さま、私に頼みとは?」
「あの部屋の物を持ち出そうと思いまして」
「あの部屋の物を…?」
ミサの言葉に、メイは思わず目を見開いた。それから流れるように目を細めると、神木公平と佐敷瞳子に視線を移す。
「どういったお二人で?」
「召喚者です」
「そ、それは何とも…持ち込まれた物の中では、一番のレアモノになるよ」
メイは驚きを通り越して、苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
「ここに連れて来たってことは、あの部屋の物と同じで、予定外の拾い物って事だね」
その言葉に、今度はミサが苦笑いを浮かべる。その表情で察したのか、メイは満足そうに頷いた。
「そこの二人、ついてきな」
~~~
武器や防具、様々な道具が所狭しと並べられた四畳半ほどの小さな部屋に着くと、ミサが一度、杖でコツンと床を突いた。
「残念ながら私はお務めがあるため、あなた方とずっと一緒にと言う訳にはいきません」
ミサが少し、申し訳なさそうな表情になる。
「代わりと言っては何ですが、この部屋にある物は何でも自由に…」
「使徒さまっ!」
そのときメイが、ミサの言葉を遮るように大きな声をあげた。それから一歩踏み出して、神木公平と佐敷瞳子を真っ直ぐに見上げる。
「あんた達の事情は少しは聞いてる。不憫に思う気持ちも確かにある。でもね、他人から与えられるばかりでは…この先どうせ生きてはいけないよ」
メイの言葉を噛み締めて、神木公平はゴクリと大きく息を飲んだ。
「自分たちの未来は、自分たちの手で勝ち取ってみせなっ」
そう言ってメイが、勢いよく室内を指差す。
「この部屋にある物は全て、使徒さまが今や魔境と化した各国から、命懸けで持ち帰った貴重な品物ばかり…その意味を充分に噛み締めて、ひとりひとつずつ選ぶんだ」
そうしてその部屋の入り口に、神木公平と佐敷瞳子は二人で並んで立たされた。
「選べったって、どうやって…」
「公平くん、あ…あの」
立ち尽くす神木公平の袖口を、ちょいちょいと佐敷瞳子が引っ張った。
「あ、そうか。瞳子に任せてもいいか?」
「う、うん」
佐敷瞳子は中に一歩踏み出すと、クルリと室内を見回した。多数のタグが折り重なって、何が何やら分からない。
(とにかく、強い武器)
佐敷瞳子が念じると、タグの本数が一気に減った。
しかしその時ハタと気付く。
よく考えたら千や二千の攻撃力では、神木公平のステータスに殆ど影響を与えない。これではあまり意味がないように思える…
佐敷瞳子は考え方を改めた。
(武器を使わない…なら、素手…?)
だとしたら、自分自身の力に、神木公平の身体が耐えられないかもしれない。
「絶対に、壊れない…手袋っ」
佐敷瞳子の声に呼応するように、タグが次々と消滅していき…そして最後に、ひとつが残る。
それは、指先から前腕部の中程までを覆う、淡黄色の籠手であった。
「あの部屋の物を持ち出そうと思いまして」
「あの部屋の物を…?」
ミサの言葉に、メイは思わず目を見開いた。それから流れるように目を細めると、神木公平と佐敷瞳子に視線を移す。
「どういったお二人で?」
「召喚者です」
「そ、それは何とも…持ち込まれた物の中では、一番のレアモノになるよ」
メイは驚きを通り越して、苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
「ここに連れて来たってことは、あの部屋の物と同じで、予定外の拾い物って事だね」
その言葉に、今度はミサが苦笑いを浮かべる。その表情で察したのか、メイは満足そうに頷いた。
「そこの二人、ついてきな」
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武器や防具、様々な道具が所狭しと並べられた四畳半ほどの小さな部屋に着くと、ミサが一度、杖でコツンと床を突いた。
「残念ながら私はお務めがあるため、あなた方とずっと一緒にと言う訳にはいきません」
ミサが少し、申し訳なさそうな表情になる。
「代わりと言っては何ですが、この部屋にある物は何でも自由に…」
「使徒さまっ!」
そのときメイが、ミサの言葉を遮るように大きな声をあげた。それから一歩踏み出して、神木公平と佐敷瞳子を真っ直ぐに見上げる。
「あんた達の事情は少しは聞いてる。不憫に思う気持ちも確かにある。でもね、他人から与えられるばかりでは…この先どうせ生きてはいけないよ」
メイの言葉を噛み締めて、神木公平はゴクリと大きく息を飲んだ。
「自分たちの未来は、自分たちの手で勝ち取ってみせなっ」
そう言ってメイが、勢いよく室内を指差す。
「この部屋にある物は全て、使徒さまが今や魔境と化した各国から、命懸けで持ち帰った貴重な品物ばかり…その意味を充分に噛み締めて、ひとりひとつずつ選ぶんだ」
そうしてその部屋の入り口に、神木公平と佐敷瞳子は二人で並んで立たされた。
「選べったって、どうやって…」
「公平くん、あ…あの」
立ち尽くす神木公平の袖口を、ちょいちょいと佐敷瞳子が引っ張った。
「あ、そうか。瞳子に任せてもいいか?」
「う、うん」
佐敷瞳子は中に一歩踏み出すと、クルリと室内を見回した。多数のタグが折り重なって、何が何やら分からない。
(とにかく、強い武器)
佐敷瞳子が念じると、タグの本数が一気に減った。
しかしその時ハタと気付く。
よく考えたら千や二千の攻撃力では、神木公平のステータスに殆ど影響を与えない。これではあまり意味がないように思える…
佐敷瞳子は考え方を改めた。
(武器を使わない…なら、素手…?)
だとしたら、自分自身の力に、神木公平の身体が耐えられないかもしれない。
「絶対に、壊れない…手袋っ」
佐敷瞳子の声に呼応するように、タグが次々と消滅していき…そして最後に、ひとつが残る。
それは、指先から前腕部の中程までを覆う、淡黄色の籠手であった。
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