BUTTERFLY CODE

Tocollon

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   北海道、小樽市。高台から海を見下ろせる、美しい街の横を走る車内で所長は言った。
「その内、全自動車も空を飛ぶようになる…高台なんて馬鹿ばかしくなるよ」
   所長の言葉を顧慮する様子もなく、深町は眉間に皺を寄せていた。
「…そんなに我が身が可愛いですか?所長」
   深町の言葉に助手席へ目を向ける所長。
「長年そんな非道な実験を何も知らない子供に繰り返して来たなんて…どれだけの子供を犠牲にしたんですか?」
「…確かに私は自分の死を恐れ子供達を犠牲にしている。だが君は子供達と世界中の人々、天秤に掛けなければならない時が来たらどうする?」
   所長の返答に顔を顰めて、運転席へ目を向ける深町。所長は呟いた。
「そういう瀬戸際なんだよ」
   車内を流れる静寂の中、車は見晴らしの良い山を抜けて通る、舗装もおぼつかない細い道を走っていった。
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