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蒼い約束
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必死に足を進めながら、秀行は腕時計で時間を確認した。
――まだ、大丈夫だ。
自分に言い聞かせるように、心の中で何度も唱える。
制服の胸ボケットへと入れたカードに、制服の上から触れる。せっかくあの子を救えたとしても、彬を救えなければなんの解決にもなってはいなかった。
俺は一生、それを引き摺って生きていくんだぞ。
ギリッと歯を食いしばった秀行は、絞り出すような声をその口から吐き出した。
「勝手に死んでたりしたら、死体であろうがブン殴ってやる」
――まだ、大丈夫だ。
自分に言い聞かせるように、心の中で何度も唱える。
制服の胸ボケットへと入れたカードに、制服の上から触れる。せっかくあの子を救えたとしても、彬を救えなければなんの解決にもなってはいなかった。
俺は一生、それを引き摺って生きていくんだぞ。
ギリッと歯を食いしばった秀行は、絞り出すような声をその口から吐き出した。
「勝手に死んでたりしたら、死体であろうがブン殴ってやる」
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2019.2.13 オリジナルBL小説『日常』もサイトで更新しました。ほのぼのBLです。こちらの方もよろしくお願いします。https://rhapsodos-atar.jimdo.com/
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