180 / 215
蒼い約束
11
しおりを挟む
「よし。あの子の『烙印』も、消えたみたいだな」
その手首をパシリと掴み、隆哉が顔を覗き込む。普段よりも一層低い声で、その口が言葉を綴った。
「解ってるのか? 高橋。濃くなっているんだぞ」
低すぎる為に掠れた声が、喘ぐように洩れる。それに「ああ」と小さく答えた彬は、薄く笑って真っ直ぐと隆哉を見上げた。
「何時頃だ?」
「判らない。でも、夕方頃だと思う」
「そっか」
薄く笑ったままの彬が隆哉から手首を剥がし、背中を向ける。歩き出しながら頭の後ろで手を組むと、のんびりとした口調で言った。
「じゃあ、昼飯は食えるって訳だな」
その手首をパシリと掴み、隆哉が顔を覗き込む。普段よりも一層低い声で、その口が言葉を綴った。
「解ってるのか? 高橋。濃くなっているんだぞ」
低すぎる為に掠れた声が、喘ぐように洩れる。それに「ああ」と小さく答えた彬は、薄く笑って真っ直ぐと隆哉を見上げた。
「何時頃だ?」
「判らない。でも、夕方頃だと思う」
「そっか」
薄く笑ったままの彬が隆哉から手首を剥がし、背中を向ける。歩き出しながら頭の後ろで手を組むと、のんびりとした口調で言った。
「じゃあ、昼飯は食えるって訳だな」
0
2019.2.13 オリジナルBL小説『日常』もサイトで更新しました。ほのぼのBLです。こちらの方もよろしくお願いします。https://rhapsodos-atar.jimdo.com/
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。


今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。

ゴーストバスター幽野怜
蜂峰 文助
ホラー
ゴーストバスターとは、霊を倒す者達を指す言葉である。
山奥の廃校舎に住む、おかしな男子高校生――幽野怜はゴーストバスターだった。
そんな彼の元に今日も依頼が舞い込む。
肝試しにて悪霊に取り憑かれた女性――
悲しい呪いをかけられている同級生――
一県全体を恐怖に陥れる、最凶の悪霊――
そして、その先に待ち受けているのは、十体の霊王!
ゴーストバスターVS悪霊達
笑いあり、涙あり、怒りありの、壮絶な戦いが幕を開ける!
現代ホラーバトル、いざ開幕!!
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる