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蒼い約束

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「家にいなかったら、そっちに向かう。心当りの場所は?」

「桜ヶ丘の公園」

「判った。そこに高橋がいてもいなくても、相沢はその場所を動かないでいてくれ」

「約束は出来ないけど……たぶんね」

 少しの間を置き、気のない様子で答える隆哉に手を上げて、「じゃ、あとで」と走り出す。走り出しながら秀行は、今朝の相沢の言葉を思い出していた。


 ――『死相が、消えない』


 先程と同じ、動揺の籠った声。ひどく震えながら吐き出されたその言葉には、秀行も愕然とした。

 昨日見た、血塗れの彬の横顔が脳裏に蘇る。

 自分に憑いた女の子の霊さえなんとかすれは、高橋は助かるのだと思っていた。あの様子からして、相沢もそう思っていたに違いない。なのにその中で一人だけ、高橋だけが薄く笑っていたのだ。

 ――まるでそれが、当然の事であるように。





 自分に取り憑いていた女の子との『友達の証し』を持って登校した秀行は、校門の前に佇む二人に足を止めた。

 こちらを振り返った彬が笑顔を浮かべ、手招きする。

「で? 何だったんだ? あの子との『友達のしるし』って」
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