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碧の癒し

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「まあその通りだな。警官が来た時には何人かの野次馬がいたらしい」

「んー。だとすると。自分を取り巻く、何人かの人達。みんなが自分を見ている。ここは封印があるから、面白半分の人はいない筈だ。それでも気味悪そうだったり、哀れみが込められていたり……」

「僕が叩き起こされてこの場所に来たのは、きっとその頃だと思いますよ」

「その時点で、もう彼女は温もりを拒絶して泣いていた?」

「ええ」

 ゆっくりと瞼を持ち上げた隆哉は、硝子の瞳を曇らせた。

「やっぱり、解らないな。彼女の拒絶の原因はなんだろう?」

「単純に考えればアレじゃないか? 新聞配達の青年の驚きようが酷かったとか、野次馬の晒し者になったのがあまりにショックだったとか……。年頃の女が、醜い姿を見られたんだから」

「違いますね。僕達が言っているのは、そういう事じゃないんです」

 祐の推測に、冬樹の首が重く振られる。
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