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白い影
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「ううん。同じ霊」
「へ?」
きょとん、と顔を見上げる彬に、隆哉はぼんやりと独り言のように呟いた。
「顔は同じだから、同一人物。でも、昨日まではちゃんと真っ直ぐな黒髪だった。長さも肩ぐらいまでしかなかったのに」
「なにぃ!」
目を剥いた彬が、秀行を振り返る。しかしその肩には既に女の子の姿はなく、目を凝らしても視えやしない。驚愕に目を見開いたまま自分達を凝視する秀行と、一瞬視線を合わせてから、彬は再び隆哉に向き直った。
「どーいう事だ?」
「俺が訊きたい。でも、考えられる原因は一つだな」
そう言って、彬を指差す。
「げっ。なんで俺?」
「朝から何度も視ようとしてたって、言ってたよねぇ。あの子の事」
「お? おお」
「あんた。自分にじゃなく、あの子に能力ちからを使ったでしょ。必要以上に思い入れとか、同情とか、しなかった? 彼女に」
「……し、た――」
半ば呆然と、彬が応じる。「え? ダメなの?」と無邪気に問いかける彬に、隆哉がゆっくりと息を吐き出した。
「霊に関わる時の、最低限の心得だよ。後、恐怖心も絶対ダメ」
「へ?」
きょとん、と顔を見上げる彬に、隆哉はぼんやりと独り言のように呟いた。
「顔は同じだから、同一人物。でも、昨日まではちゃんと真っ直ぐな黒髪だった。長さも肩ぐらいまでしかなかったのに」
「なにぃ!」
目を剥いた彬が、秀行を振り返る。しかしその肩には既に女の子の姿はなく、目を凝らしても視えやしない。驚愕に目を見開いたまま自分達を凝視する秀行と、一瞬視線を合わせてから、彬は再び隆哉に向き直った。
「どーいう事だ?」
「俺が訊きたい。でも、考えられる原因は一つだな」
そう言って、彬を指差す。
「げっ。なんで俺?」
「朝から何度も視ようとしてたって、言ってたよねぇ。あの子の事」
「お? おお」
「あんた。自分にじゃなく、あの子に能力ちからを使ったでしょ。必要以上に思い入れとか、同情とか、しなかった? 彼女に」
「……し、た――」
半ば呆然と、彬が応じる。「え? ダメなの?」と無邪気に問いかける彬に、隆哉がゆっくりと息を吐き出した。
「霊に関わる時の、最低限の心得だよ。後、恐怖心も絶対ダメ」
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2019.2.13 オリジナルBL小説『日常』もサイトで更新しました。ほのぼのBLです。こちらの方もよろしくお願いします。https://rhapsodos-atar.jimdo.com/
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