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白い影

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「俺が、今から行こうとしている所。そこには俺に、霊との接し方を教えてくれた人がいるから。俺はその人から学んだんだ。成仏させたり、滅したりする方法もね。だから、俺の知らないコツなんかを、知ってるかもしれない」

 淡々と話す隆哉に、彬は目を見開いた。少しばかりの嬉しさが、フツフツと込み上げてくる。

 ――コイツが、こんな事を言うなんてよッ!

 どうする? と顔を向けた隆哉の顎に、彬はハハッと笑って軽く拳をあてた。

「行く!」

 馴れ馴れしくあてられた拳に、隆哉が微かに顔を顰める。しかしそんな事はお構いなしに、彬は言葉を続けた。

「相沢ぁ、お前って実はいーいヤツなんだなぁ! 例え他のヤツがお前の事、気味ワリィとか、無愛想だとか、最低だとか、まるで妖怪のようだとか言っても、俺だけはお前の味方だかんな!」

 両手を広げ楽しげに宣言する彬に、隆哉は眉間をポリポリと掻いた。

「それはどうも。でも、そこまでは言われてないケド」

 その顔は決して嬉しそうとは言えないが、微かに戸惑ったような表情が浮かんでいる。そして彬は、そんな事に気をよくしていた。
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