君との空へ【BL要素あり・短編おまけ完結】

Motoki

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白い影

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「幼い魂であっても、人を殺す程となるとそこには悪意が生じてくる。それは『可愛い嫉妬』では済ませられない。れっきとした悪霊だ。子供だから、何をしてもいいって解釈は出来ないよ。あんたと違って俺はね」

 最後の言葉に、ピクリと彬の眉が引き上げられる。唇を尖らすようにして隆哉の顔を見下ろしていた彬は、体の力を抜くように、溜め息と共に微笑を浮かべた。

「何、急に怒りだしてんだよ。お前」

 宥めるように問いかけられて、今度は隆哉が目を瞠った。もしかすると、自分が怒っていたという自覚すらもなかったのかもしれない。

「別に」

 目を伏せ、ボソリと呟く。短く息を吐き出した隆哉は、もう一度彬を見上げた。

「これだけは言っておくけど。大下、いや、あの子に肩入れするつもりなら、あんたが死ぬまでになんとかする事だね。もしあんたが死んだら、俺があの子の魂を消滅させる。それが嫌なら、大下には近付かない事だ」

 ――けっこう、頑固だな。

 自分の事は棚に上げ、彬は心の中で呟いた。でも、こういう性格は嫌いじゃない。

 隆哉から顔を背け、ガリガリと頭を掻いた。
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2019.2.13 オリジナルBL小説『日常』もサイトで更新しました。ほのぼのBLです。こちらの方もよろしくお願いします。https://rhapsodos-atar.jimdo.com/
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