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黒い幻影
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「なんだかよく解んねぇけど、お前の助けになってくれそうな人、俺等知ってんぞ」
松岡の言葉に、俺は顔を向けた。
「――あ。もしかして、依羅さん!」
顔を指差した俺の手を弾いて、松岡が頷く。
「そう」
「そいつはすげぇ! あの人が相談乗ってくれんの?」
「そりゃ乗ってくれるさ。で、どーする? 相談してみっか?」
眉をそびやかして訊く松岡に、新田がそっと微笑んだ。
「そーだな。君達がそこまで自信満々に言う人なら、何かいい助言をしてくれるかもしれない」
「期待は裏切らないと思うぜ」
「そうそう。スゲー人みたいだからさ」
先に歩き出した俺達の後をついて来る新田を盗み見た松岡が、顔を逸らせボソリと呟いた。
「今日、思い出しといてよかったな」
「ああ。『借り』を忘れるなんて、最低なヤツになるトコだった」
ポリポリとこめかみを掻く俺に、クスリと笑った松岡が威張るようにして胸を反らす。
「俺の、お陰だな」
少し上から見下ろす顔に、素直に認めてやるのもなんだか癪で、俺は即座に否定した。
「いいや」
言って、ゴシゴシと子犬の頭を撫でる。
「こいつのお陰さ」
一瞬首を窄めた子犬が、松岡の腕の中から不思議そうに俺の顔を見上げた。
松岡の言葉に、俺は顔を向けた。
「――あ。もしかして、依羅さん!」
顔を指差した俺の手を弾いて、松岡が頷く。
「そう」
「そいつはすげぇ! あの人が相談乗ってくれんの?」
「そりゃ乗ってくれるさ。で、どーする? 相談してみっか?」
眉をそびやかして訊く松岡に、新田がそっと微笑んだ。
「そーだな。君達がそこまで自信満々に言う人なら、何かいい助言をしてくれるかもしれない」
「期待は裏切らないと思うぜ」
「そうそう。スゲー人みたいだからさ」
先に歩き出した俺達の後をついて来る新田を盗み見た松岡が、顔を逸らせボソリと呟いた。
「今日、思い出しといてよかったな」
「ああ。『借り』を忘れるなんて、最低なヤツになるトコだった」
ポリポリとこめかみを掻く俺に、クスリと笑った松岡が威張るようにして胸を反らす。
「俺の、お陰だな」
少し上から見下ろす顔に、素直に認めてやるのもなんだか癪で、俺は即座に否定した。
「いいや」
言って、ゴシゴシと子犬の頭を撫でる。
「こいつのお陰さ」
一瞬首を窄めた子犬が、松岡の腕の中から不思議そうに俺の顔を見上げた。
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