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第2章 饗宴編
睡魔の目覚め
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噴煙立ち上る遊園地に、地響きのような衝撃が響き渡る。
遊園地のシンボルとも言うべき巨大建造物の倒壊によって、観戦している学校中の生徒から喪失感から来る溜め息がこぼれた。
倒壊した観覧車付近、吹き荒れる土煙の中から走って出てくる人影がひとつ。
「げほっ、ゴホッ!」
空町 君助である。彼は観覧車を倒すとは考えていたものの、そこから離れると言うことに頭が回らなかったという、俗に言う『おバカ』なミスを犯していた。
だが、それを逐一反省しないのはそれ以上の高揚感があったからだ。
「はぁ、はぁ、や、やった!一人倒したぞ!これでクラスのみんなにバカにされずに………す……………………………………………む?」
クラス中の生徒からの称賛を受けてふんぞり返る自分まで想像して頬を緩めていた空町だったが、それは妄想の類となって霧散し、代わりに思わぬ空白と疑問符が生まれる。
その理由は、土煙が晴れつつある視線の先にあった。
土煙が晴れる。
倒壊したあとの、ただの鉄くずの残骸となってしまった観覧車。
その中に、直径3メートル程の水の球体があった。
球体の中に小さく泡が浮かんでおり、流れがあるのか透けている先の視界が所々で歪む。
その中には二人の女の子が浮かんでいた。
一人は逆さまの状態で浮かんだまま頭を抱えて小さくなっている金色のロングヘアーの女の子。
もう一人は、まるでそこに足場があるかのように浮き上がるショートヘアーの女の子だった。
水流にあわせて流れる前髪、その陰で見え隠れする半開きの目からは鋭い眼光が覗く。
女の子が前方の水を振り払うように手を動かすと、周りを囲っていた水がユリアの周りの水を残して手の中に吸い込まれていく。水の浮力を失った女の子が曲がった観覧車の支柱の上に足を着いた。
「な、お、お前!どうして………!」
空町は完全に動揺していた。なにせ観覧車のゴンドラごと地面にたたきつけられて無傷なのだから。
対して女の子はというと、そんな空町の動揺には一切の無視を決め込んで、口を小さく動かして何かを呟いている。
「…………い……、………ゆ……い」
「?」
ただ口が動くだけだったそれは少しずつ真意を帯びた音となって。
空町の鼓膜を揺さぶる、確かな空気の振動として。
「ねむり ジャマ ゆるさない」
はっきりと呟いた女の子がとった行動は単純だ。
手のひらから水を噴出しながら、肩を中心とした円周上で手のひらをスライドさせる。
それだけで。
シュん、と。
何かが擦れるような音だけを残して。
手の動きにあわせて超高圧で噴出された水が地面、建物問わず一直線に切り分けられた。
「───は?」
視界が斜めにズレたようだった。
───とある世界にはアクアジェット加工と言う技術がある。
穴の大きさ約1mmのノズルから高圧力をかけて水を噴出することで、秒速500m以上の速度を持った水が当たった部分を吹き飛ばすことで対象を切断する加工技術。水に研磨剤を混ぜればダイヤモンドも真っ二つにすることすら可能にするものである。
本来は水が分散されてしまうために数メートル先の物体すら切断することは不可能なのだが、女の子───寿 海衣は先ほど球状に水を形作ったように線状のレールを形成し、そこに音速に近い速度で水を流すという『力業』でその偉業を実現させている。
それは、さながら水のレーザー光線。
この『力業』は並大抵の実力がないと出来るものではない。
寿家は代々水の能力に長けており、その中でも海衣は百年に一人の逸材とまで言われている天才だった。ただ、学校では授業だろうが実習だろうが問答無用で爆睡しているため実力が表にでることは滅多にない。その上、先生方は2ヶ月ほどで指導改善を諦め、クラスメートからはカワイい寝姿からマスコットキャラ的な扱いすら受けている。
一度だけ、たった一度だけ実習に出たときにその実力を見せた時があった。その時先生含めた全員を唖然とさせた実力こそ、今回の対抗戦の出場選手として選抜された#所以__ゆえん__#でもある。
そんな『Bクラスの眠り姫』である海衣は、酸素と同じくらいのレベルで睡眠を嗜む。その睡眠を邪魔するものが現れた時こそ、海衣が圧倒的な殺意をもって本気を出す時なのだ。過去、授業中に海衣をテキストで叩き起こそうとした先生が割とガチで殺されかけた伝説を持つほどである(これが先生達が指導を諦めた最大の理由だったりする)。
───そんなわけで。
睡魔の逆鱗に爆竹を放り込んでしまったおバカこと空町は、頭スレスレを切り裂いたアクアジェットの切れ味に背筋を凍らせる。海衣の目は、まるでゴミでも見るようにただ虚ろに睡魔の敵を見つめるのみ。
その瞳には容赦など存在しない。
たとえ現実だろうと仮想だろうと、
睡眠の必要性と、それを邪魔されたという事実は変わらない。
「 しね 」
「ッ!?」
海衣は、壁に文字を描くように縦横無尽にアクアジェットを振り回す。その度に地面に一直線の傷が刻み込まれ、建物は斜めに切られて断面を滑るように瓦解する。
だがそこはクラスの代表、空町 君助もただでは倒れない。
「なにくそッ!!」
空町の能力は火、眼前に火球を生み出して噴出してきた水を蒸発させる。多少通過してきた水もあったが、それは弱々しい水鉄砲程度のものだった。
(これならいける!)
と判断を下した空町は、勢いよく海衣に向かって駆け出す。
そんな空町へ何発もアクアジェットを撃ち出すが、前にあらかじめ作っておいた炎の壁に当たると蒸発してしまう。
「うおおおおおぉぉぉォォォォ!!」
海衣に向かって全速力で突っ込んでいく。
───いける!
空町の自信は確信に変わった。
だから気づけなかった。
壁の死角になるように、何10トンという水量の大波が迫っていることに。
ひとつ、空町は忘れていることがあった───元々の相性で言えば海衣側の方が有利、ということだ。
先ほどのように、普通のRPGとは違って火が水に勝ることは工夫次第で十分可能である。しかしそれでも基本的に水が断然有利なのは紛れもない事実だ。同じ威力の二つがぶつかれば間違いなく水が勝つ。
「!!」
空町は、炎の壁にぶつかる膨大な水圧で初めて目の前の大波に気づく。
そして、もう手遅れだった。
炎の壁は圧倒的な体積を前に10秒あまりで脆くも消え去り、蒸発しきれなかった波が空町を流し、囲い、そして球状に包み込んでいった。
「がッ!ゴボッ!」
水中で呼吸が出来ず、しきりに酸素を求めてもがく。だが抵抗空しく浮力で体が浮き上がって球の中心で止まった。
(く、くそ!こうなったら自爆覚悟で一気に蒸発して───
そんなことを考えている暇すらなかった。
水球と海衣の距離はおよそ10m弱。さっさと邪魔者を排除したい海衣は手から音速の水を噴出しながら手を振り抜く。
───ザシュ、と。
水球がカプセルを割るように真っ二つに切り裂かれた。
遊園地のシンボルとも言うべき巨大建造物の倒壊によって、観戦している学校中の生徒から喪失感から来る溜め息がこぼれた。
倒壊した観覧車付近、吹き荒れる土煙の中から走って出てくる人影がひとつ。
「げほっ、ゴホッ!」
空町 君助である。彼は観覧車を倒すとは考えていたものの、そこから離れると言うことに頭が回らなかったという、俗に言う『おバカ』なミスを犯していた。
だが、それを逐一反省しないのはそれ以上の高揚感があったからだ。
「はぁ、はぁ、や、やった!一人倒したぞ!これでクラスのみんなにバカにされずに………す……………………………………………む?」
クラス中の生徒からの称賛を受けてふんぞり返る自分まで想像して頬を緩めていた空町だったが、それは妄想の類となって霧散し、代わりに思わぬ空白と疑問符が生まれる。
その理由は、土煙が晴れつつある視線の先にあった。
土煙が晴れる。
倒壊したあとの、ただの鉄くずの残骸となってしまった観覧車。
その中に、直径3メートル程の水の球体があった。
球体の中に小さく泡が浮かんでおり、流れがあるのか透けている先の視界が所々で歪む。
その中には二人の女の子が浮かんでいた。
一人は逆さまの状態で浮かんだまま頭を抱えて小さくなっている金色のロングヘアーの女の子。
もう一人は、まるでそこに足場があるかのように浮き上がるショートヘアーの女の子だった。
水流にあわせて流れる前髪、その陰で見え隠れする半開きの目からは鋭い眼光が覗く。
女の子が前方の水を振り払うように手を動かすと、周りを囲っていた水がユリアの周りの水を残して手の中に吸い込まれていく。水の浮力を失った女の子が曲がった観覧車の支柱の上に足を着いた。
「な、お、お前!どうして………!」
空町は完全に動揺していた。なにせ観覧車のゴンドラごと地面にたたきつけられて無傷なのだから。
対して女の子はというと、そんな空町の動揺には一切の無視を決め込んで、口を小さく動かして何かを呟いている。
「…………い……、………ゆ……い」
「?」
ただ口が動くだけだったそれは少しずつ真意を帯びた音となって。
空町の鼓膜を揺さぶる、確かな空気の振動として。
「ねむり ジャマ ゆるさない」
はっきりと呟いた女の子がとった行動は単純だ。
手のひらから水を噴出しながら、肩を中心とした円周上で手のひらをスライドさせる。
それだけで。
シュん、と。
何かが擦れるような音だけを残して。
手の動きにあわせて超高圧で噴出された水が地面、建物問わず一直線に切り分けられた。
「───は?」
視界が斜めにズレたようだった。
───とある世界にはアクアジェット加工と言う技術がある。
穴の大きさ約1mmのノズルから高圧力をかけて水を噴出することで、秒速500m以上の速度を持った水が当たった部分を吹き飛ばすことで対象を切断する加工技術。水に研磨剤を混ぜればダイヤモンドも真っ二つにすることすら可能にするものである。
本来は水が分散されてしまうために数メートル先の物体すら切断することは不可能なのだが、女の子───寿 海衣は先ほど球状に水を形作ったように線状のレールを形成し、そこに音速に近い速度で水を流すという『力業』でその偉業を実現させている。
それは、さながら水のレーザー光線。
この『力業』は並大抵の実力がないと出来るものではない。
寿家は代々水の能力に長けており、その中でも海衣は百年に一人の逸材とまで言われている天才だった。ただ、学校では授業だろうが実習だろうが問答無用で爆睡しているため実力が表にでることは滅多にない。その上、先生方は2ヶ月ほどで指導改善を諦め、クラスメートからはカワイい寝姿からマスコットキャラ的な扱いすら受けている。
一度だけ、たった一度だけ実習に出たときにその実力を見せた時があった。その時先生含めた全員を唖然とさせた実力こそ、今回の対抗戦の出場選手として選抜された#所以__ゆえん__#でもある。
そんな『Bクラスの眠り姫』である海衣は、酸素と同じくらいのレベルで睡眠を嗜む。その睡眠を邪魔するものが現れた時こそ、海衣が圧倒的な殺意をもって本気を出す時なのだ。過去、授業中に海衣をテキストで叩き起こそうとした先生が割とガチで殺されかけた伝説を持つほどである(これが先生達が指導を諦めた最大の理由だったりする)。
───そんなわけで。
睡魔の逆鱗に爆竹を放り込んでしまったおバカこと空町は、頭スレスレを切り裂いたアクアジェットの切れ味に背筋を凍らせる。海衣の目は、まるでゴミでも見るようにただ虚ろに睡魔の敵を見つめるのみ。
その瞳には容赦など存在しない。
たとえ現実だろうと仮想だろうと、
睡眠の必要性と、それを邪魔されたという事実は変わらない。
「 しね 」
「ッ!?」
海衣は、壁に文字を描くように縦横無尽にアクアジェットを振り回す。その度に地面に一直線の傷が刻み込まれ、建物は斜めに切られて断面を滑るように瓦解する。
だがそこはクラスの代表、空町 君助もただでは倒れない。
「なにくそッ!!」
空町の能力は火、眼前に火球を生み出して噴出してきた水を蒸発させる。多少通過してきた水もあったが、それは弱々しい水鉄砲程度のものだった。
(これならいける!)
と判断を下した空町は、勢いよく海衣に向かって駆け出す。
そんな空町へ何発もアクアジェットを撃ち出すが、前にあらかじめ作っておいた炎の壁に当たると蒸発してしまう。
「うおおおおおぉぉぉォォォォ!!」
海衣に向かって全速力で突っ込んでいく。
───いける!
空町の自信は確信に変わった。
だから気づけなかった。
壁の死角になるように、何10トンという水量の大波が迫っていることに。
ひとつ、空町は忘れていることがあった───元々の相性で言えば海衣側の方が有利、ということだ。
先ほどのように、普通のRPGとは違って火が水に勝ることは工夫次第で十分可能である。しかしそれでも基本的に水が断然有利なのは紛れもない事実だ。同じ威力の二つがぶつかれば間違いなく水が勝つ。
「!!」
空町は、炎の壁にぶつかる膨大な水圧で初めて目の前の大波に気づく。
そして、もう手遅れだった。
炎の壁は圧倒的な体積を前に10秒あまりで脆くも消え去り、蒸発しきれなかった波が空町を流し、囲い、そして球状に包み込んでいった。
「がッ!ゴボッ!」
水中で呼吸が出来ず、しきりに酸素を求めてもがく。だが抵抗空しく浮力で体が浮き上がって球の中心で止まった。
(く、くそ!こうなったら自爆覚悟で一気に蒸発して───
そんなことを考えている暇すらなかった。
水球と海衣の距離はおよそ10m弱。さっさと邪魔者を排除したい海衣は手から音速の水を噴出しながら手を振り抜く。
───ザシュ、と。
水球がカプセルを割るように真っ二つに切り裂かれた。
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