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お付き合い〜ガン宣告〜

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ツインくんのおばあちゃんとお姉ちゃんが来て病状の説明をし、同意を得て治療が始まった。
腎臓への転移があることも分かった。
おばあちゃんもお姉ちゃんも当たり前だがかなりのショックを受けていたと。

日本の病院を見つける方に話も決まった。
それまではドイツで抗がん剤を使い、癌を小さくしていく治療をする。

おばあちゃんとお姉ちゃんに何かあったら私に連絡するよう繋いでくれた。
私と娘の写真を見せて紹介したらしい。
お姉ちゃんもいずれ会えることを喜んでくれたとのこと。

日本に帰ってくる。
それだけでだいぶ私の心配は楽になる。


この時点ではツインくんは私や家族への気遣いがまだ出来ていた。
私も励ますことも出来た。
治療が始まるまでは。。

『抗がん剤』
苦しい苦しい治療が始まった。
それはツインくんの体力を奪い、精神力も奪った。

高熱、吐き気、食欲不振、口内炎。
自分で歩けない、お風呂も入れない。
出来たことが出来なくなる。
それによって精神も弱っていく。

連絡も取るのがしんどそうになった。
それでも「俺元気だよ」と心配かけないように言う。
私は「薬のせいでそうなってるだけで病気自体が悪くなってるわけじゃないよ」と励ました。

しかしどんなに辛く苦しい抗がん剤でも、効果が得られるとは限らない。
最初の抗がん剤から数日経って検査をした。
「肺の癌大きくなってますね」と医者に言われたと。

私はある程度勉強していたので、そーゆーこともあると知識として入れといた分ショックを緩和出来た。
だから明るく笑った。
「なんなんだよー、ツインくんの癌強くない?」
「さすが俺の癌だよ」
暗くならないよう、前向きに話す。

次からはもっと強い薬を背中から注射すると。
聞いただけでも痛いし辛い。
「そんだけやるなら効かせろよって感じだね!」私は言った。

医者が悪いわけじゃない、それでもどこかに怒りをぶつけたくなる。

「プロだから任せるしかないよ!日本帰ったら一緒に医者の話聞いて。俺バカだから分かんないから」

私は調べて知識を入れては疑ってかかる。
ツインくんは純粋に医者を信じる。

信じることから治療は始まるのかもしれない。
そこはツインくんの良いところなんだ。

「治す為ならなんだってやるよ!待ってる人がいるから」
ツインくんは言う。
それでも時々泣いてしまうと言っていた。

強い薬になってからは連絡も取れたり取れなかったりになった。
私に出来ることはなんなんだろ。

むーちゃんの写真を送ったり、いつも通り明るく話すことだったり。
何も出来ない自分がもどかしくなる。
「いてくれるだけで支えられてれるよ」とツインくんは言ってくれる。
それは私も同じだ。


ここまで書いて、現実に追いつきました。
今はまだ遠距離。
日本に帰ってきてもっと近くで支えられるようになるのを待っています。

正直、ここまで試練が起こるのは『宇宙レベルで何かが起こっている』としか考えられないです。
ツインソウルの試練。
やっぱりあると思う。

『治す為に出会った』
そう思う。だからきっと大丈夫。

これからはリアルタイムな状況とは別に、まだ書けていないツインソウルだからこそ起こる不思議なことなども書いていきたいと思います^_^




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