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お付き合い〜ガン宣告〜

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癌宣告。
あまりの衝撃で冷静になれてなかった私。
そんな私の目を覚まさせたのは母の何気ない一言でした。

母は近くに住んでいて、こんな状態の私が心配でちょくちょく顔を出してくれました。
母がいる時ツインくんから電話が。
いつもは3人で話せるようにスピーカーにしますが、さすがに母がいては出来ないので私だけ話してたんですが。
「むーちゃんも話したい!スピーカーにして」と娘が言うので、少しだけスピーカーにすることに。
母は違う部屋で話に加わるわけではありませんが、ツインくんの声は聞こえていたようで。

電話を切ったあと母が言いました。

『声は元気そうね!』

と。ほんとに何気ない言葉だったんですが、私を救った言葉でした。
癌とゆー重い事実にショック状態になり、先を考えては不安になっていた自分。
今のツインくんを見れていなかったのです。

癌宣告されただけで、ツインくんの症状が今の時点ですごく悪くなったわけではない。
明るく今までと変わらず話してくれている。
その時間を大事にしなくちゃ!

その時私は初めて冷静になれました。
そもそもいつから癌だったのか分からないわけで、、出会った時には癌だったかもしれないんだし。そこで宣告があったからってツイン自体が変わったわけではないんだ。

私は死別を経験している。
だからこそ後悔ないように1日1日を過ごす大事さが分かるんじゃないか。
夫が亡くなって「もっとああしていたら、こうしてあげたかった。あの時の願い叶えてあげれば良かった」そう後悔することが多かった。

人間いつ何があるか分からない。
癌の人だって100歳まで生きるかもしれない。
今健康な人が明日亡くなるかもしれない。
私だって1秒先のことさえ何があるかは分からないんだ。
人間、生まれたからには余命を生きている。

だから常にその気持ちで後悔ないように生きなきゃいけないと気付いた。


『余命が一日でもあるならその時間を一緒に過ごしたい』

私はツインくんにメッセージを送った。
ツインくんは私の言葉に泣いてしまったらしい。
目が覚めた。
とにかく後悔ないようにしたい。
自己満足かもしれない、それでもツインくんが喜ぶことはなんだろうって考えて行動したい。
それはツインくんが癌だからじゃなくて、大事な人だから。
常にそうでなきゃいけないんだ。

お母さんの言葉で意識変わったって話したら「親ってさすがだね!やっぱ冷静だね」ってツインくんも言っていた。

お母さんありがとうございます^_^
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