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第2章 カフェから巡る四季
第124話 クリームチーズのテリーヌ
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「今日は、白ワインの気分」
そう言いながら、ワインを抱えて入ってきたのは、巧と瑞樹だった。
「遅くにごめんなさい、莉子さん」
小さく頭をすくめたけれど、今日はふたりの友情記念日。
桜が咲く頃にいつもしているふたりだけの特別な飲み会の日だ。
去年は『二郎系を食べる』と、昼間に記念日が行われたのだが、夜に来店予定だったが、あまりの満腹度に来店ができなかった。
今日、20時に来店した理由は、ふたりの仕事が忙しかったから。
1年1年、ふたりの環境も変化していく。
それを莉子は時間で感じながら、要望のでていた白ワインを準備した。
「今日は白ワインなので、白身フライのタルタルソースかけとか、帆立のカルパッチョとか用意してますよ」
カウンターに座ったふたりへ、まずはカルパッチョを。
そして、白ワインを注いでいく。
「フランス、ブルゴーニュの白です。6年は経ってるので、いい感じの熟成感があるかと」
グラスに注がれた白ワインは、薄い黄金色に染まっていた。
それが熟成されている証拠でもある。
レモンや緑がかった白ワインではなく、少し粘性があって、色が濃いのが、熟成されている白ワインの特徴でもある。
ふたりは静かに乾杯をし、味わっていく。
一方の莉子は、料理を出しながら考えていた。
今日のクリームチーズのテリーヌをいつだすか。
最初に出してもよかったが、デザートっぽい見た目もあり、料理がなくなってから出すことに莉子は決めた。
このクリームチーズのテリーヌ、作り方が、めっちゃくっちゃ簡単!
ゼラチン5gを30ccの水でふやかし、常温にしておいたクリームチーズを混ぜてクリーム状にしたら、生クリームを100cc入れ、そこへ粗みじん切りにしたドライフルーツを入れ、混ぜる。
最後にレンチンで溶かしたゼラチンを注ぎ、混ぜて、型にいれて冷蔵庫へ入れておけば、完成!
まだ改良の余地がありそうだが、あっさりもっちりした甘み少なめのテリーヌ。
そこへ蜂蜜をかければ甘みが足され、甘めの白ワインにもピッタリなおつまみになる。
ある程度の料理を出し、ワインも2本目が半分になったところで、莉子はこのテリーヌを差し出した。
「「デザート?」」
「あっさりしたクリームチーズのテリーヌです」
ぶるんとゆれるテリーヌをスプーンですくい、ひと口。
さっぱりとしていながら、ドライフルーツの甘みがワインと混ざって美味しいおつまみだ。
「これ、食べやすい。あっさりしてる。口直しにいいね」
「オレもそう思った」
「まだ改良の余地があるので、もう少し研究します」
空いた皿を片付け戻ってくると、ボトルを巧が持っている。
「莉子さん、最後の1杯、3人で飲もうよ」
「これはおふたりが準備したワインじゃないですか」
「だからだよ、莉子さん。莉子さんいなきゃ、友達会できなかったし」
グラスに注がれると、キラキラとよく輝いている。
「素敵なワインですね……」
同時に口が付けられたグラス。
ゆっくりとした時間がカフェのなかに漂っている。
莉子はテリーヌを頬張りながら、来年はどんなお祝いをするのだろう。とふたりの顔を想像してみる。
それを楽しみに、また明日を重ねていこうと思う。
そう言いながら、ワインを抱えて入ってきたのは、巧と瑞樹だった。
「遅くにごめんなさい、莉子さん」
小さく頭をすくめたけれど、今日はふたりの友情記念日。
桜が咲く頃にいつもしているふたりだけの特別な飲み会の日だ。
去年は『二郎系を食べる』と、昼間に記念日が行われたのだが、夜に来店予定だったが、あまりの満腹度に来店ができなかった。
今日、20時に来店した理由は、ふたりの仕事が忙しかったから。
1年1年、ふたりの環境も変化していく。
それを莉子は時間で感じながら、要望のでていた白ワインを準備した。
「今日は白ワインなので、白身フライのタルタルソースかけとか、帆立のカルパッチョとか用意してますよ」
カウンターに座ったふたりへ、まずはカルパッチョを。
そして、白ワインを注いでいく。
「フランス、ブルゴーニュの白です。6年は経ってるので、いい感じの熟成感があるかと」
グラスに注がれた白ワインは、薄い黄金色に染まっていた。
それが熟成されている証拠でもある。
レモンや緑がかった白ワインではなく、少し粘性があって、色が濃いのが、熟成されている白ワインの特徴でもある。
ふたりは静かに乾杯をし、味わっていく。
一方の莉子は、料理を出しながら考えていた。
今日のクリームチーズのテリーヌをいつだすか。
最初に出してもよかったが、デザートっぽい見た目もあり、料理がなくなってから出すことに莉子は決めた。
このクリームチーズのテリーヌ、作り方が、めっちゃくっちゃ簡単!
ゼラチン5gを30ccの水でふやかし、常温にしておいたクリームチーズを混ぜてクリーム状にしたら、生クリームを100cc入れ、そこへ粗みじん切りにしたドライフルーツを入れ、混ぜる。
最後にレンチンで溶かしたゼラチンを注ぎ、混ぜて、型にいれて冷蔵庫へ入れておけば、完成!
まだ改良の余地がありそうだが、あっさりもっちりした甘み少なめのテリーヌ。
そこへ蜂蜜をかければ甘みが足され、甘めの白ワインにもピッタリなおつまみになる。
ある程度の料理を出し、ワインも2本目が半分になったところで、莉子はこのテリーヌを差し出した。
「「デザート?」」
「あっさりしたクリームチーズのテリーヌです」
ぶるんとゆれるテリーヌをスプーンですくい、ひと口。
さっぱりとしていながら、ドライフルーツの甘みがワインと混ざって美味しいおつまみだ。
「これ、食べやすい。あっさりしてる。口直しにいいね」
「オレもそう思った」
「まだ改良の余地があるので、もう少し研究します」
空いた皿を片付け戻ってくると、ボトルを巧が持っている。
「莉子さん、最後の1杯、3人で飲もうよ」
「これはおふたりが準備したワインじゃないですか」
「だからだよ、莉子さん。莉子さんいなきゃ、友達会できなかったし」
グラスに注がれると、キラキラとよく輝いている。
「素敵なワインですね……」
同時に口が付けられたグラス。
ゆっくりとした時間がカフェのなかに漂っている。
莉子はテリーヌを頬張りながら、来年はどんなお祝いをするのだろう。とふたりの顔を想像してみる。
それを楽しみに、また明日を重ねていこうと思う。
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