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第2章 カフェから巡る四季
第122話 ランチメニューは、塩焼きそば
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限定20食としてのランチメニューに、塩焼きそばを今回選んだのは、やはり春キャベツが美味しいから!
仕入れをたっぷりできたので、たっぷりおいしく召し上がっていただきたく、ずっと考えてのメニューだ。
それこそ、たっぷりキャベツといえば、ロールキャベツもある。
だが、シャッキリ感がなく、キャベツを食べたというよりは、肉を食べた感じに。
せっかくなら、キャベツの甘みも味わって欲しい……
そこで、塩焼きそばだ!!!
20食としたのは、熱々の鉄板で出したかったのと、少々時間がかかってしまうからだ。
注文を受けてから作っていくので、多少工程を削っても、麺を焦がす時間は削れない。
材料は、大ぶりのエビ、豚こま肉、たっぷりのキャベツ、にんじん、玉ねぎ、きくらげを準備。
エビは背腸をとって、片栗粉で一度もみ洗いし、改めて、塩、酒、片栗粉をもみ込んでおく。お肉は薄く塩胡椒をして、片栗粉をこちらにも。
これをするだけで、焼いたときにエビはプリッと、肉は旨味をぎゅっと閉じ込めてくれる。
根菜類は、一度素揚げをしておく。
時間短縮、である。
鉄板はオーブンでチンチンに焼いて、ランチタイムに突入だ。
「今日は、塩焼きそばか……」
言いながら席に着いたのは連藤だ。
「ビーフシチューにします?」
「いや、塩焼きそばで。限定、なんだろ?」
「そうなんですよ。あと17食、ありますけど」
莉子は連藤のオーダーを受け、すぐに塩焼きそばの準備にはいる。
少し多めの油で麺を両面、焦がし焼きにしていく。
その間に新たなオーダーを受け、こなしつつ、焼き上がった麺は一度外へ。
そのフライパンで、油をもう一度入れ、微塵切りのニンニクと生姜を炒めて香りを出し、肉とエビを炒めていく。
半分ほど火が通ったところで、素揚げしておいた野菜を温め直し、たっぷりのキャベツとキクラゲも投入。
ぐるりと馴染んだところで、麺を戻していく。
そこに酒、中華調味料、オイスターソース、最後に醤油を回し入れ、出来上がり!
これに玉子の中華スープと、トマトときゅうりの中華サラダがランチメニューとなる。
大きなトレイに乗せられたスープと、サラダ、そして、塩焼きそばを乗せた鉄板だが、連藤の耳には、ジウジウと焼ける音が届いていた。
限りなく熱々の料理が届いたことに、連藤の口元が少し緩んでしまう。
莉子はそれを見逃さなかった。
「熱々、お待たせしましたー」
一言添えると、連藤は改めて嬉しそうに微笑んだ。
莉子は時計の数字で皿の場所を伝え、箸を手渡すと、次のオーダーへととりかかっていく。
連藤のコーヒーを淹れる頃には、塩焼きそばも完売。
ありがたい。
完売、となるだけで、心の達成感がヤバい。
語彙力が消えるほどの満足感がある。
のんびりとランチを食べ終えた連藤に、
「連藤さん、食後のコーヒーです」
「ありがとう、莉子さん」
差し出したコーヒーをひと口飲み込む。
ほっと息をついた連藤に、感想を聞いてみた。
「いかがでした?」
連藤は小さく3回うなずくと、
「焦げが、美味しかった。これは夏にピリ辛も食べたい」
なるほど。
ピリ辛バーション……!
莉子は手早くメモを取り、連藤の肩を叩く。
「ありがとうございます。夏向けメニュー増えました!」
「それはよかった。あーいうランチも、たまにはいいな。たまには」
2回続けた意味を、莉子は噛み締める。
月に1回ないし、2ヶ月に1回ぐらいがいいのかもしれない。
確かに、ここはカフェ。
洋食がメインのカフェ、だ。
だが、ピリ辛の塩焼きそばは、暑い日のランチにしようと、心の中で莉子は計画を立てておく。
まだ春は来たばかり。
夏までは、もう少し、時間がかかりそうだ。
仕入れをたっぷりできたので、たっぷりおいしく召し上がっていただきたく、ずっと考えてのメニューだ。
それこそ、たっぷりキャベツといえば、ロールキャベツもある。
だが、シャッキリ感がなく、キャベツを食べたというよりは、肉を食べた感じに。
せっかくなら、キャベツの甘みも味わって欲しい……
そこで、塩焼きそばだ!!!
20食としたのは、熱々の鉄板で出したかったのと、少々時間がかかってしまうからだ。
注文を受けてから作っていくので、多少工程を削っても、麺を焦がす時間は削れない。
材料は、大ぶりのエビ、豚こま肉、たっぷりのキャベツ、にんじん、玉ねぎ、きくらげを準備。
エビは背腸をとって、片栗粉で一度もみ洗いし、改めて、塩、酒、片栗粉をもみ込んでおく。お肉は薄く塩胡椒をして、片栗粉をこちらにも。
これをするだけで、焼いたときにエビはプリッと、肉は旨味をぎゅっと閉じ込めてくれる。
根菜類は、一度素揚げをしておく。
時間短縮、である。
鉄板はオーブンでチンチンに焼いて、ランチタイムに突入だ。
「今日は、塩焼きそばか……」
言いながら席に着いたのは連藤だ。
「ビーフシチューにします?」
「いや、塩焼きそばで。限定、なんだろ?」
「そうなんですよ。あと17食、ありますけど」
莉子は連藤のオーダーを受け、すぐに塩焼きそばの準備にはいる。
少し多めの油で麺を両面、焦がし焼きにしていく。
その間に新たなオーダーを受け、こなしつつ、焼き上がった麺は一度外へ。
そのフライパンで、油をもう一度入れ、微塵切りのニンニクと生姜を炒めて香りを出し、肉とエビを炒めていく。
半分ほど火が通ったところで、素揚げしておいた野菜を温め直し、たっぷりのキャベツとキクラゲも投入。
ぐるりと馴染んだところで、麺を戻していく。
そこに酒、中華調味料、オイスターソース、最後に醤油を回し入れ、出来上がり!
これに玉子の中華スープと、トマトときゅうりの中華サラダがランチメニューとなる。
大きなトレイに乗せられたスープと、サラダ、そして、塩焼きそばを乗せた鉄板だが、連藤の耳には、ジウジウと焼ける音が届いていた。
限りなく熱々の料理が届いたことに、連藤の口元が少し緩んでしまう。
莉子はそれを見逃さなかった。
「熱々、お待たせしましたー」
一言添えると、連藤は改めて嬉しそうに微笑んだ。
莉子は時計の数字で皿の場所を伝え、箸を手渡すと、次のオーダーへととりかかっていく。
連藤のコーヒーを淹れる頃には、塩焼きそばも完売。
ありがたい。
完売、となるだけで、心の達成感がヤバい。
語彙力が消えるほどの満足感がある。
のんびりとランチを食べ終えた連藤に、
「連藤さん、食後のコーヒーです」
「ありがとう、莉子さん」
差し出したコーヒーをひと口飲み込む。
ほっと息をついた連藤に、感想を聞いてみた。
「いかがでした?」
連藤は小さく3回うなずくと、
「焦げが、美味しかった。これは夏にピリ辛も食べたい」
なるほど。
ピリ辛バーション……!
莉子は手早くメモを取り、連藤の肩を叩く。
「ありがとうございます。夏向けメニュー増えました!」
「それはよかった。あーいうランチも、たまにはいいな。たまには」
2回続けた意味を、莉子は噛み締める。
月に1回ないし、2ヶ月に1回ぐらいがいいのかもしれない。
確かに、ここはカフェ。
洋食がメインのカフェ、だ。
だが、ピリ辛の塩焼きそばは、暑い日のランチにしようと、心の中で莉子は計画を立てておく。
まだ春は来たばかり。
夏までは、もう少し、時間がかかりそうだ。
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・・・・・・・・・・・
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・・・・・・・・・・
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