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第2章 カフェから巡る四季
第75話 洋風湯豆腐
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定休日の前日、今日は連藤の家に来ている。
ただ、残業ということで、帰りがかなり遅くなるそうだ。
そんな日は、莉子はスピーカーが大変整った連藤のリビングで映画ざんまいである。
「今日はビールにしよ」
ご飯は炊いておき、おかずにトンカツと手作りタルタルソースを用意し、キャベツの千切り、金平ごぼう、あとは豆腐があれば問題ないだろう。味噌汁は即席でいいといわれているので、大丈夫。
さっそくと、莉子は熱々カキフライをつまみながら、ビールをひと口。
「めっちゃうまい……タルタルソース、めっちゃあう……」
連藤にカキフライを食べさせたかったのだが、今日は残業だ。
揚げたてを食べさせてあげたいので、今回は保留である。だいたいトンカツなども、食べれるかどうか。
お茶漬けになる可能性も考えているため、それほど凝ったことはしないでおいてある。
テレビはサブスクで映画を流してある。
アクションコメディなので、軽快で台詞回しが楽しく、さらにアクションの見応えもいい!
「めっちゃ、おもしろ……うまい……」
横目で見ながら、鍋には水を張った。
茅乃舎だしの「野菜だし」をそこに投入。沸騰したところで、小さいパックの豆腐をどぼんと入れる。
あとは火が通れば問題ない。
新たにカキフライを頬張りつつ、ビールが2本目になったところで、タイマーがなる。
火が通っただろう時間がきたのだ。
それを大きめの丼に入れ、ミネラルの多い岩塩をさらさらとふりかける。
香りづけにオリーブオイルを垂らして、できあがり。
「洋風湯豆腐できたぁ……スープもうまいんだよ、これ」
運びながら匂いをふんふん嗅ぎつつ、莉子はリビングのテーブルにそっと置いた。
ここで食事などあまりしないのだが、今日は、ビールを飲みながらの鑑賞のため、いいのです!
新たにビールを飲みつつ、スプーンですくって食べる。
ふんわりと野菜の甘みと、豆腐の甘みが口に広がる。
「オリーブオイル、いいかも……スープがしみる……」
もうすぐビールがなくなる、となったとき、チャイムが鳴った。
連藤だ。
慌てて立ち上がるが、入ってくる方が早い。
「ただいま。ひとりで楽しんでくれてて嬉しいよ」
その言葉を素直に受け取っていいのか、皮肉ととるべきなのか迷うところだが、「おかえりなさい」と声をかけた莉子をそっと抱き寄せる連藤がいる。
「俺の部屋を自分の部屋みたいにつかってくれるのが、なんだか、嬉しいんだ」
皮肉ではなかったようだ。
ほっとしながらも、莉子はテレビのボリュームを下げ、お風呂のお湯を再度温めなおす。
「すみません、メール気が付かなくって」
「かまわないよ。それより、今日の夕食は?」
「今日はトンカツ揚げてあります。カキフライも揚げれます。あと、キャベツとタルタルソースと、金平があります」
「金平! それは嬉しいな。……でも、このコンソメの匂いは?」
「あ、私のおつまみで……。洋風湯豆腐って私は呼んでますけど、シンプルにおいしいですよ」
「じゃ、それも作って欲しいな」
「わかりました。トンカツは?」
「それも食べる。ほんと、ありがとう、莉子さん。金平、食べたかったんだ。莉子さんのは、懐かしい味で好きなんだ」
声にかぶせてメロディがなる。
お風呂ができあがったのだ。
「じゃ、風呂、入ってくる」
莉子はさっそくと3本目のビールを開けると、洋風湯豆腐にとりかかる。
トンカツをオーブントースターで温め直しながら、キャベツを盛りつけ、漬物を小鉢に盛りつけて、あとは、待てばいい。お湯がわけば、数分でできてしまう。
「……連藤さん、なにか飲むかな」
莉子はビールの本数を確認しに、改めて冷蔵庫を見に行った。
ただ、残業ということで、帰りがかなり遅くなるそうだ。
そんな日は、莉子はスピーカーが大変整った連藤のリビングで映画ざんまいである。
「今日はビールにしよ」
ご飯は炊いておき、おかずにトンカツと手作りタルタルソースを用意し、キャベツの千切り、金平ごぼう、あとは豆腐があれば問題ないだろう。味噌汁は即席でいいといわれているので、大丈夫。
さっそくと、莉子は熱々カキフライをつまみながら、ビールをひと口。
「めっちゃうまい……タルタルソース、めっちゃあう……」
連藤にカキフライを食べさせたかったのだが、今日は残業だ。
揚げたてを食べさせてあげたいので、今回は保留である。だいたいトンカツなども、食べれるかどうか。
お茶漬けになる可能性も考えているため、それほど凝ったことはしないでおいてある。
テレビはサブスクで映画を流してある。
アクションコメディなので、軽快で台詞回しが楽しく、さらにアクションの見応えもいい!
「めっちゃ、おもしろ……うまい……」
横目で見ながら、鍋には水を張った。
茅乃舎だしの「野菜だし」をそこに投入。沸騰したところで、小さいパックの豆腐をどぼんと入れる。
あとは火が通れば問題ない。
新たにカキフライを頬張りつつ、ビールが2本目になったところで、タイマーがなる。
火が通っただろう時間がきたのだ。
それを大きめの丼に入れ、ミネラルの多い岩塩をさらさらとふりかける。
香りづけにオリーブオイルを垂らして、できあがり。
「洋風湯豆腐できたぁ……スープもうまいんだよ、これ」
運びながら匂いをふんふん嗅ぎつつ、莉子はリビングのテーブルにそっと置いた。
ここで食事などあまりしないのだが、今日は、ビールを飲みながらの鑑賞のため、いいのです!
新たにビールを飲みつつ、スプーンですくって食べる。
ふんわりと野菜の甘みと、豆腐の甘みが口に広がる。
「オリーブオイル、いいかも……スープがしみる……」
もうすぐビールがなくなる、となったとき、チャイムが鳴った。
連藤だ。
慌てて立ち上がるが、入ってくる方が早い。
「ただいま。ひとりで楽しんでくれてて嬉しいよ」
その言葉を素直に受け取っていいのか、皮肉ととるべきなのか迷うところだが、「おかえりなさい」と声をかけた莉子をそっと抱き寄せる連藤がいる。
「俺の部屋を自分の部屋みたいにつかってくれるのが、なんだか、嬉しいんだ」
皮肉ではなかったようだ。
ほっとしながらも、莉子はテレビのボリュームを下げ、お風呂のお湯を再度温めなおす。
「すみません、メール気が付かなくって」
「かまわないよ。それより、今日の夕食は?」
「今日はトンカツ揚げてあります。カキフライも揚げれます。あと、キャベツとタルタルソースと、金平があります」
「金平! それは嬉しいな。……でも、このコンソメの匂いは?」
「あ、私のおつまみで……。洋風湯豆腐って私は呼んでますけど、シンプルにおいしいですよ」
「じゃ、それも作って欲しいな」
「わかりました。トンカツは?」
「それも食べる。ほんと、ありがとう、莉子さん。金平、食べたかったんだ。莉子さんのは、懐かしい味で好きなんだ」
声にかぶせてメロディがなる。
お風呂ができあがったのだ。
「じゃ、風呂、入ってくる」
莉子はさっそくと3本目のビールを開けると、洋風湯豆腐にとりかかる。
トンカツをオーブントースターで温め直しながら、キャベツを盛りつけ、漬物を小鉢に盛りつけて、あとは、待てばいい。お湯がわけば、数分でできてしまう。
「……連藤さん、なにか飲むかな」
莉子はビールの本数を確認しに、改めて冷蔵庫を見に行った。
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