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6話 衝撃告白!!!!
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「……ていうか、あたし、このゲームの………」
私はソフィアの首根っこを掴むと、隣の寝室へと連れ込んだ。
「ちょ、ちょっと、あんた、何言って………」
「レイヤも、あれでしょ? 元女子高生じゃないの?」
にやりと歪んだ笑顔が見える。
「………それで?」
「あたし、交渉しようと思うの。………あなたと」
ずいっと寄ったソフィアの顔は、今まで見たことない黒さがある。
全て演技だったとは………!!!
「………ねぇ、レイヤ、あなたは何周目?」
「私? 私は、これが13周目だけど……」
そういうと、ソフィアは鼻で笑う。
「ふーん、全攻略終えてるってこと?」
「うん、終わってる」
「で、誰推し?」
「言えない」
「なんでよ?!」
「じゃ、ソフィアは?」
「あたしはライブラ様!」
「え……、あの秤掲げて、公平公平言う人?」
「そこがいいじゃん。ちょうジャスティスってて」
「よくわかんない。………で?」
どんな条件が来るかと息を飲むが、瞬く間にソフィアの顔が曇る。
「……あたし、全ラストが、村へ戻るってやつで……」
………ん?
何を言い出すんだろう。
過去話、かな………?
「全然誰ともくっつけず、夢の国すら救えず………」
………え………?
極端に下手な人っているの知ってるけど、これ重度じゃない?
「ねぇ、お願い! レイヤ、攻略手伝ってぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
すがりついて泣くソフィアに、私は頭を抱えた。
これが交渉というのか………?
ま、とりあえず、彼女の攻略を手伝えってことか。
「そしたら、ソフィア、何周した?」
「そんなの村エンドならムービー飛ばしで5時間だもん。余裕で30周してるよぉぉぉぉ!!!!」
「攻略本見ればいいじゃん。私は見ないでやってたけど」
「見ないで?! あたしなんて、見てやっても戻されるんだもんっ」
「バグってたんじゃないの?」
「………え? バグ?」
でも、思えば………
「ね、ソフィア、選択肢さ、周回するたびに微妙にキャラのセリフ、違ったりしてない?」
「してた」
「出てくるキャラのタイミングも、ちょっと違ったりとか……?」
「………!! あった、あったあった!」
「「もしかして、本当にバグ?!?!」」
───私たちはやたらと弾力のあるベッドに腰掛けながら、天井を見上げていた。
「バグのおかげで、意識がこちらへきたって感じかな」
私がつぶやくと、ソフィアも納得という顔で頷いた。
「まさか来ちゃうとはね」
「で、ソフィア、結局どうしたい?」
「うーん………短い時間の考えだけど、現実の世界の戻り方なんてわかんないしさ。それに、村にも戻りたくないな。なんもない村だったから。だからさ、もう、よくわかんないけど、好きに自分の思うことしようかなって」
「ソフィアもそうなんだ。実は私も、好きにしようかなって思ってて」
ぐるりとソフィアがこちらを向くと、改まった顔をする。
「レイヤ、よろしく頼むね。これがゲームなら、間違いなくエンドあるわけだし! だから私たちが幸せなエンディングにしない?」
「それいいね! 私たちが幸せなエンディング。それ、乗った!」
2人で握手を力強く交わし、私たちは立ち上がる。
そうと決まれば、やることは山ほどあるのだ。
これからのディナーは一番好感度をあげるチャンスの場!
今日から神様3人ずつとディナーを共にし、好感度を上げていくことになる。
そして、最初の4日間、ここで稼げなかった好感度が、実はラストまで引きずるっていうゲスい設定なのは、有名な話。
「攻略するよ、ソフィア」
「うん! よろしく、レイヤ!」
ジョーとミニがオフィクスと喧嘩する部屋へ私たちは戻り、ノートとペンを取り上げる。
記憶の限り、12人のキャラについての攻略が始まった。
私はソフィアの首根っこを掴むと、隣の寝室へと連れ込んだ。
「ちょ、ちょっと、あんた、何言って………」
「レイヤも、あれでしょ? 元女子高生じゃないの?」
にやりと歪んだ笑顔が見える。
「………それで?」
「あたし、交渉しようと思うの。………あなたと」
ずいっと寄ったソフィアの顔は、今まで見たことない黒さがある。
全て演技だったとは………!!!
「………ねぇ、レイヤ、あなたは何周目?」
「私? 私は、これが13周目だけど……」
そういうと、ソフィアは鼻で笑う。
「ふーん、全攻略終えてるってこと?」
「うん、終わってる」
「で、誰推し?」
「言えない」
「なんでよ?!」
「じゃ、ソフィアは?」
「あたしはライブラ様!」
「え……、あの秤掲げて、公平公平言う人?」
「そこがいいじゃん。ちょうジャスティスってて」
「よくわかんない。………で?」
どんな条件が来るかと息を飲むが、瞬く間にソフィアの顔が曇る。
「……あたし、全ラストが、村へ戻るってやつで……」
………ん?
何を言い出すんだろう。
過去話、かな………?
「全然誰ともくっつけず、夢の国すら救えず………」
………え………?
極端に下手な人っているの知ってるけど、これ重度じゃない?
「ねぇ、お願い! レイヤ、攻略手伝ってぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
すがりついて泣くソフィアに、私は頭を抱えた。
これが交渉というのか………?
ま、とりあえず、彼女の攻略を手伝えってことか。
「そしたら、ソフィア、何周した?」
「そんなの村エンドならムービー飛ばしで5時間だもん。余裕で30周してるよぉぉぉぉ!!!!」
「攻略本見ればいいじゃん。私は見ないでやってたけど」
「見ないで?! あたしなんて、見てやっても戻されるんだもんっ」
「バグってたんじゃないの?」
「………え? バグ?」
でも、思えば………
「ね、ソフィア、選択肢さ、周回するたびに微妙にキャラのセリフ、違ったりしてない?」
「してた」
「出てくるキャラのタイミングも、ちょっと違ったりとか……?」
「………!! あった、あったあった!」
「「もしかして、本当にバグ?!?!」」
───私たちはやたらと弾力のあるベッドに腰掛けながら、天井を見上げていた。
「バグのおかげで、意識がこちらへきたって感じかな」
私がつぶやくと、ソフィアも納得という顔で頷いた。
「まさか来ちゃうとはね」
「で、ソフィア、結局どうしたい?」
「うーん………短い時間の考えだけど、現実の世界の戻り方なんてわかんないしさ。それに、村にも戻りたくないな。なんもない村だったから。だからさ、もう、よくわかんないけど、好きに自分の思うことしようかなって」
「ソフィアもそうなんだ。実は私も、好きにしようかなって思ってて」
ぐるりとソフィアがこちらを向くと、改まった顔をする。
「レイヤ、よろしく頼むね。これがゲームなら、間違いなくエンドあるわけだし! だから私たちが幸せなエンディングにしない?」
「それいいね! 私たちが幸せなエンディング。それ、乗った!」
2人で握手を力強く交わし、私たちは立ち上がる。
そうと決まれば、やることは山ほどあるのだ。
これからのディナーは一番好感度をあげるチャンスの場!
今日から神様3人ずつとディナーを共にし、好感度を上げていくことになる。
そして、最初の4日間、ここで稼げなかった好感度が、実はラストまで引きずるっていうゲスい設定なのは、有名な話。
「攻略するよ、ソフィア」
「うん! よろしく、レイヤ!」
ジョーとミニがオフィクスと喧嘩する部屋へ私たちは戻り、ノートとペンを取り上げる。
記憶の限り、12人のキャラについての攻略が始まった。
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