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79 ピアノを教えている時のアラン、とっても楽しそうだった
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パメラにファーストエイドで助けてもらったお礼がしたかった。
土曜日一緒に、北ロンドンのコミュニティ・ホールへ行った。
以前ボランティアで行った施設の女の子のピアノの発表会があったのだ。
パメラはぴっちりしたパンツの上にフェイク・ファーの短いジャケットだ。
中は深いU字型ネックのセーター。
二人乗りのZ4を見ると、ニコニコして助手席に乗りこんだ。
ふわっとスズランのようなコロンの香りが漂った。
「もう大丈夫なの?」マスカラがいつものように上下した。
「うん。ありがとう」
パメラは膝にブーケを抱えている。黄色いバラとスイートピー、ガーベラなどが入っている。
「みんなすごく心配してたんだから。だって、いつもすごい元気なアランが倒れるなんて、信じられないじゃない」
ホークは微笑んだ。
「ルパートとあたし、エディに呼ばれて訊かれたんだから」
「何を?」
「エディが、『何かあったのか?』って訊くから、知らないけどトイレに駆け込んでぶっ倒れたって、ルパートが言ったの。
『腹でも下してんじゃねえの? あんまりひどいと、おれも前にぶっ倒れたことある』とか言って」
「その通りなんだ」ホークは言った。
「前の晩から続いててさ。たぶんエビかヒラメのマリネにあたったんだ」
「やあねえ。どこの店?」パメラが眉間に皺を寄せた。
「いや、買ってから二三日経っていたんで……」
「駄目じゃない、そんなの食べちゃあ……。アランて自分で料理しないの?」
「しない」
「買って来たものばっか食べてたんじゃ駄目よ。婚約者の人、来てくれないの?」
ホークはふっと笑った。
「頼むべきかな」
「そうよ。なんで放っておくのかわからない。誰かに盗られちゃうって思わないのかしら」
土曜の午前中、道路はすいていた。
「どうして株の営業やることにしたの?」唐突にそんなことを訊かれた。
「てっとり早く金を稼げると思ったからだよ」
「お金がほしかったの?」
「ああ。なんで」
「だって、ピアノを教えている時のアラン、とっても楽しそうだったから」
意外なところを突かれた。
「それは……好きな事だからさ」
パメラの認識しているアラン・キャンベルの姿は、なんだかメイリードのデイヴィッド・コリンズみたいになってきた。
「あたしも好き」
「君もピアノ習っていたの?」
「中学でやめちゃった。才能ないから。でも好き」
コミュニティ・ホールは古い教会のような外観だった。
駐車場がないので歩道脇に車がずらっと駐車されている。
少し離れた場所に車を停めた。
入り口で受付をしていた女性にパメラが二枚のチケットを渡した。
彼女が買っておいたのだと気づき、慌ててホークは財布を出した。
「いいの、これはあたしが行きたかったんだから」
……今日はとことんパメラに付き合うしかない――彼女が解放してくれるまで。
古い教会のように入り口に二枚目の扉があり、中に入ると教会そっくりにベンチが並んでいた。
天井が高い。前方のステージはグランドピアノを置くと一杯だ。ヤマハだった。
パメラに続いて真ん中辺の列に座った。
既に前の方は出演者の家族と思しき人たちが何組も座っている。
「あの子ね、ずいぶんうまくなったのよ」
ホークはパメラの方を向いた。
「あれからまた教えに行ったの?」
パメラは頷いた。
「二三回だけよ。あの子たちって、物やお金を寄付するよりか、続けて行ってあげる方がなんか嬉しいみたいなのよね」
もらったプログラムを開いてみた。
「なんて名前だったっけ」
「エマ」パメラの指が上から五番目を指した。
今日はベージュ地に銀色の雨の滴みたいなネイル・アートが施されている。
ソナチネの中のクレメンティ。
「彼女とすっかり仲良しになったんだね」
「あの子、まじめなのよー。アランが言ったこと、あとでみんな楽譜に書きこんでたの。
えらいよねー。つい応援してあげたくなっちゃって」
暗い照明の中でもパメラの笑顔が輝いて見えた。
あの時施設で会った女性職員がいたので、パメラと一緒に挨拶した。
「あら、あの時の、子供が好きな方ね」と言われた。
その地域のピアノの先生達が合同で開いた発表会ということだった。
初歩の生徒から始まって、徐々に上級になっていく。
ホークも子供のころに経験があった。
エマが出てきた。
それまでの子供たちは、ドレスで着飾ったりスーツなどよそいきの格好をしていた。
エマは施設の制服の、質素なカーディガンとプリーツスカートを着ていた。
飾りと言えるのは、こげ茶色の髪を結う赤いリボンと胸の赤いコサージュだ。
聴いていて、確かに変わったとわかった。練習したんだな。
最後までつっかえず、ミスタッチもなく弾き終わった。
「わー、かわいい、よかった!」
拍手をしながらパメラは花束を持ってステージまで渡しに行った。
エマがパメラと一緒に施設の友達が何人か座っている席の方に行くのでホークも加わった。
「上手だったよ」とエマに言い、彼女の手を取って頬にキスした。
写真を撮るというので、エマを真ん中にしてパメラと三人で立った。
「お兄ちゃん」エマがホークを見上げて言った。
「またピアノ弾いて」
ホークはしゃがんでエマと同じ高さになった。
メリー・アンと同じ九歳なのに、エマはやせていてもっと幼く見える。
細い指の白い手をホークは両手で包んだ。
「また今度ね」エマが一歩近づいた。
「いつ?」
鳶色の瞳がじっと見つめてくる。紺のカーディガンの肘に繕ったあとがある。
きっと誰かのお下がりなのだ。
「君が『子供の情景』を弾けるようになったらね」エマは困ったような顔になった。
「そんなの、まだ弾けない」ホークは腕を回してエマを抱きしめた。
「大丈夫。君は上達が早いから」エマは石鹸の匂いがした。
エマ、と呼ぶ声がした。
黒いミンクのコートを着た女性と厚いムートンのコートを着た肩幅の広い男性が立っていた。
二人とも四十台後半という感じで、女性の髪はきれいな金髪に染められていた。
ホークがエマから離れると、二人は入れ替わりにエマに近づいた。
コミュニティー・ホールを後にして、ホークとパメラは車でロンドンの中心に向かった。
「エマ、養父母が決まればいいのにね」パメラが言った。
「そういう話があるの?」
「そう。今日もエマのピアノを聴きに来ていたご夫妻がいたでしょう」
「ああ、さっきのね」
「アランも養子だったんでしょう?」パメラが顔を向けた。
「あんな風にピアノがうまかったから、養父母が決まったの?」
「違うよ。僕は赤ん坊の時にもらわれたんだ」
あ、そうか……とパメラは頷いた。
「じゃあ、養父母がピアノを習わせてくれたんだ?」
「うん」
「幸せだった?」
ホークは笑った。
「まじで訊いてんの?」
「違うの?」
「……最初の頃は養父母が一緒だったけど、すぐ寄宿学校に入れられたから。
養父母も離婚して、若い後妻が来たし。殆ど家には帰っていないよ」
パメラはしばらく前を見て黙っていた。
「どうかした?」
「エマが、幸せになるといいなって思って」
オックスフォード・ストリートの賑わいの中を車はゆっくり進んでいた。
前でバスが停まったので、渋滞している。
ダウンやスポーツコートの軽装で買い物をする人々が歩道を行き交っている。
観光客の方が多いかもしれない。アジア系、アラブ系、アメリカ人……。
パメラの言うとおりだ――エマに幸せになってもらいたいに決まっている。
なのに、偽装の身の上をそのまましゃべるなんて――
自分に腹が立った。
土曜日一緒に、北ロンドンのコミュニティ・ホールへ行った。
以前ボランティアで行った施設の女の子のピアノの発表会があったのだ。
パメラはぴっちりしたパンツの上にフェイク・ファーの短いジャケットだ。
中は深いU字型ネックのセーター。
二人乗りのZ4を見ると、ニコニコして助手席に乗りこんだ。
ふわっとスズランのようなコロンの香りが漂った。
「もう大丈夫なの?」マスカラがいつものように上下した。
「うん。ありがとう」
パメラは膝にブーケを抱えている。黄色いバラとスイートピー、ガーベラなどが入っている。
「みんなすごく心配してたんだから。だって、いつもすごい元気なアランが倒れるなんて、信じられないじゃない」
ホークは微笑んだ。
「ルパートとあたし、エディに呼ばれて訊かれたんだから」
「何を?」
「エディが、『何かあったのか?』って訊くから、知らないけどトイレに駆け込んでぶっ倒れたって、ルパートが言ったの。
『腹でも下してんじゃねえの? あんまりひどいと、おれも前にぶっ倒れたことある』とか言って」
「その通りなんだ」ホークは言った。
「前の晩から続いててさ。たぶんエビかヒラメのマリネにあたったんだ」
「やあねえ。どこの店?」パメラが眉間に皺を寄せた。
「いや、買ってから二三日経っていたんで……」
「駄目じゃない、そんなの食べちゃあ……。アランて自分で料理しないの?」
「しない」
「買って来たものばっか食べてたんじゃ駄目よ。婚約者の人、来てくれないの?」
ホークはふっと笑った。
「頼むべきかな」
「そうよ。なんで放っておくのかわからない。誰かに盗られちゃうって思わないのかしら」
土曜の午前中、道路はすいていた。
「どうして株の営業やることにしたの?」唐突にそんなことを訊かれた。
「てっとり早く金を稼げると思ったからだよ」
「お金がほしかったの?」
「ああ。なんで」
「だって、ピアノを教えている時のアラン、とっても楽しそうだったから」
意外なところを突かれた。
「それは……好きな事だからさ」
パメラの認識しているアラン・キャンベルの姿は、なんだかメイリードのデイヴィッド・コリンズみたいになってきた。
「あたしも好き」
「君もピアノ習っていたの?」
「中学でやめちゃった。才能ないから。でも好き」
コミュニティ・ホールは古い教会のような外観だった。
駐車場がないので歩道脇に車がずらっと駐車されている。
少し離れた場所に車を停めた。
入り口で受付をしていた女性にパメラが二枚のチケットを渡した。
彼女が買っておいたのだと気づき、慌ててホークは財布を出した。
「いいの、これはあたしが行きたかったんだから」
……今日はとことんパメラに付き合うしかない――彼女が解放してくれるまで。
古い教会のように入り口に二枚目の扉があり、中に入ると教会そっくりにベンチが並んでいた。
天井が高い。前方のステージはグランドピアノを置くと一杯だ。ヤマハだった。
パメラに続いて真ん中辺の列に座った。
既に前の方は出演者の家族と思しき人たちが何組も座っている。
「あの子ね、ずいぶんうまくなったのよ」
ホークはパメラの方を向いた。
「あれからまた教えに行ったの?」
パメラは頷いた。
「二三回だけよ。あの子たちって、物やお金を寄付するよりか、続けて行ってあげる方がなんか嬉しいみたいなのよね」
もらったプログラムを開いてみた。
「なんて名前だったっけ」
「エマ」パメラの指が上から五番目を指した。
今日はベージュ地に銀色の雨の滴みたいなネイル・アートが施されている。
ソナチネの中のクレメンティ。
「彼女とすっかり仲良しになったんだね」
「あの子、まじめなのよー。アランが言ったこと、あとでみんな楽譜に書きこんでたの。
えらいよねー。つい応援してあげたくなっちゃって」
暗い照明の中でもパメラの笑顔が輝いて見えた。
あの時施設で会った女性職員がいたので、パメラと一緒に挨拶した。
「あら、あの時の、子供が好きな方ね」と言われた。
その地域のピアノの先生達が合同で開いた発表会ということだった。
初歩の生徒から始まって、徐々に上級になっていく。
ホークも子供のころに経験があった。
エマが出てきた。
それまでの子供たちは、ドレスで着飾ったりスーツなどよそいきの格好をしていた。
エマは施設の制服の、質素なカーディガンとプリーツスカートを着ていた。
飾りと言えるのは、こげ茶色の髪を結う赤いリボンと胸の赤いコサージュだ。
聴いていて、確かに変わったとわかった。練習したんだな。
最後までつっかえず、ミスタッチもなく弾き終わった。
「わー、かわいい、よかった!」
拍手をしながらパメラは花束を持ってステージまで渡しに行った。
エマがパメラと一緒に施設の友達が何人か座っている席の方に行くのでホークも加わった。
「上手だったよ」とエマに言い、彼女の手を取って頬にキスした。
写真を撮るというので、エマを真ん中にしてパメラと三人で立った。
「お兄ちゃん」エマがホークを見上げて言った。
「またピアノ弾いて」
ホークはしゃがんでエマと同じ高さになった。
メリー・アンと同じ九歳なのに、エマはやせていてもっと幼く見える。
細い指の白い手をホークは両手で包んだ。
「また今度ね」エマが一歩近づいた。
「いつ?」
鳶色の瞳がじっと見つめてくる。紺のカーディガンの肘に繕ったあとがある。
きっと誰かのお下がりなのだ。
「君が『子供の情景』を弾けるようになったらね」エマは困ったような顔になった。
「そんなの、まだ弾けない」ホークは腕を回してエマを抱きしめた。
「大丈夫。君は上達が早いから」エマは石鹸の匂いがした。
エマ、と呼ぶ声がした。
黒いミンクのコートを着た女性と厚いムートンのコートを着た肩幅の広い男性が立っていた。
二人とも四十台後半という感じで、女性の髪はきれいな金髪に染められていた。
ホークがエマから離れると、二人は入れ替わりにエマに近づいた。
コミュニティー・ホールを後にして、ホークとパメラは車でロンドンの中心に向かった。
「エマ、養父母が決まればいいのにね」パメラが言った。
「そういう話があるの?」
「そう。今日もエマのピアノを聴きに来ていたご夫妻がいたでしょう」
「ああ、さっきのね」
「アランも養子だったんでしょう?」パメラが顔を向けた。
「あんな風にピアノがうまかったから、養父母が決まったの?」
「違うよ。僕は赤ん坊の時にもらわれたんだ」
あ、そうか……とパメラは頷いた。
「じゃあ、養父母がピアノを習わせてくれたんだ?」
「うん」
「幸せだった?」
ホークは笑った。
「まじで訊いてんの?」
「違うの?」
「……最初の頃は養父母が一緒だったけど、すぐ寄宿学校に入れられたから。
養父母も離婚して、若い後妻が来たし。殆ど家には帰っていないよ」
パメラはしばらく前を見て黙っていた。
「どうかした?」
「エマが、幸せになるといいなって思って」
オックスフォード・ストリートの賑わいの中を車はゆっくり進んでいた。
前でバスが停まったので、渋滞している。
ダウンやスポーツコートの軽装で買い物をする人々が歩道を行き交っている。
観光客の方が多いかもしれない。アジア系、アラブ系、アメリカ人……。
パメラの言うとおりだ――エマに幸せになってもらいたいに決まっている。
なのに、偽装の身の上をそのまましゃべるなんて――
自分に腹が立った。
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