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10 アラン・キャンベル、三十歳、イギリス人、ロンドン在住、証券会社社員
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この潜入捜査は既に一年半前から始まっており、同盟国イギリスに出向しているワシントンのチームが指揮していた。
ワシントンとロンドンで、現地の責任者カルロ・バルディーニとオンラインの打ち合わせをした。
カルロは四十代後半、白っぽい銀色の巻き毛で、黒縁の眼鏡をかけている。
「君はどうやら特別待遇のようだな」カルロが言った。
「は?」とホークは訊き返した。
「なぜ、イギリス人の君が、合衆国の機関で働いているんだ?」
「外国人枠です」カルロはフムフムと頷いた。
「その分給料が高いようだ」
「……」他の職員の給料を知らない。
「アラン・キャンベルというのは本名か?」
「……今はそうです」
カルロが顔を上げた。
「本名が書かれていないな」
「……」
「君はトニー・リナルディとどういう関係なんだ?」
「上司と部下です」
カルロは明らかに不満そうだ。
「ただの上司が身元保証人になるのか」
「……」捜査局が機密にしていることを喋る必要はない。
「大学はボストンか。高校は?」
「イギリスです」正確には北アイルランドだが。
カルロはふっと息をついた。ホークが話したがらない身上を追及するのは諦めたらしい。
「前の任務の後遺症でリハビリ中だった――怪我でもしたのか」
「いいえ。精神的なストレスです」
「何があったんだ?」
「……犯罪組織への潜入だったので、現場が過酷で」
「君の役どころは?」
「組織のセキュリティー・ガードです」
「というと?」
「殺し屋です」
「殺したのか」
「……」その件は思い出したくなかった。
カルロはファイルをめくりながら写真などの記録を見ているようだった。
「任務は成功裏に完了、とあるな。で、この、スタインウェイとはなんだ?」
「……ピアノです」
「リハビリに?」
「あの……一番好きな事をしていいと……」
画面でカルロが瞬きをしていた。
「聞いたことがないな、こんな高価なピアノを捜査局が用意するなど」
「レンタルですよ」
「この値段でか?」ホークは苦笑した。
「趣味なんです」
「言っておくが、ロンドンでは用意できないからな」
「わかっています」
「ロニーがあんな死に方をしたせいで、誰も引き受け手がいなかったんだ。君が志願してくれて助かったよ」
それは前任者、ロニー・フィッシャーのことだ。サンクトペテルブルクで乗っていたタクシーが追突されて死んだ。
「君は戦闘能力もピカイチだとトニーから聞いている」
「トレーラーに追突されたら、戦闘能力なんかあったって、関係ない」
「……?」
「ロニーは孤児院で育って天涯孤独だったって、書いてありました」
「そうだが……」
「捜査局が彼をリクルートしたのは、身寄りがなかったからですか? リストラされた証券会社の元社員なんて、他にも大勢いたはずだ」
「ロニーの生い立ちと本件の捜査は関係ないだろう」
「潜入捜査は素人だったのに、危険な仕事だって、誰も言ってあげなかったんですか?」
「君の安全は、我々が守ると信じてほしい」
「ロニーはそれを信じたのかな」
「本部長と我々だ」
「気休めにもならない」
カルロはホークの嫌みを黙殺した。
「ロニーが報告した証拠を探してくれ。彼がマークしていた顧客の資金が、犯罪組織から預かっている金だという証拠だ」
「ロニーの仇は?」
「ここでは暴力沙汰はなしだ」
ホークは笑った。
「やむを得ないときは?」
「警察沙汰は避けろ。我々の存在を知っているのは内務省だけだ。正当防衛なら、警察が介入する前に我々を呼べ」
「了解」
飛行機の窓から、はるか下に、イングランドの平野が見えた。
八月の午後の薄日が、緑の草原と煉瓦色の建物の上に、弱々しく降り注いでいる。
ホークは胸が締め付けられるように感じた。
あの緑の中に、かつて自分の家があった。
飛行機が高度を下げれば、石造りの古い館が見えたはずだ。
でも今はない。十六年前の爆弾テロで、館は破壊されてしまった。
日差しを浴びる緑の平野を見た途端に、ホークは生まれ育った土地の引力のようなものを感じた。
ここは、幸せだった頃の自分を思い出す土地だ。
「シートベルトをお締め下さい」
クルーの女性の声に我に返った。
ホークは感傷に浸りたがる心から、無理やり少年時代の自分を追い出した。
そう、既に八月だ――トニーに言われて訓練を受けてから三ヶ月。
その間ロンドンでは、女王のダイヤモンド・ジュビリーが終わり、オリンピックとパラリンピックが始まって終わった。
渡英がここまで遅くなったのは、潜入先のランバートソン・ビーチャム(LB)証券側に理由がある。
捜査局が手を回したヘッドハンターの情報では、突然「採用プロセスが止まった」からだった。
「この業界ではよくあることだ」と言われたが、捜査局は焦った――採用が行われなくなるのでは、次の捜査官を送り込めなくなる。
何の理由だったのか不明だが、やがてホークの採用は決まった。
八月最後の月曜日、ロンドンの空はよく晴れていた。
オリンピック中の交通規制がなくなり、ひどい交通渋滞はなかった。
朝七時五十分、ホークは車でシティのLB証券の駐車場に入った。
ベイズウォーターにあるフラットから約二十五分。六時前ならもっと短縮できるだろう。
捜査局が用意した通勤用の車は、殆ど新車に近いBMWZ4で、色は黒、ステアリングは右側だ。
地下駐車場はほぼ満車で、エレベーターから遠い位置にあるスペースしか空いていなかった。
車に施錠し、エレベーターに乗る前に、自動ドアのガラスに映った自分の姿を点検した。
きれいに撫でつけた金髪、白いシャツに瞳と同じブルーのタイ、スーツはダーク・グレーのシャドー・ストライプ。
大丈夫、証券会社の社員に見える。
まず、一階の受付に行く。
この時間、警備員を兼務している受付の男は、ホークの運転免許証で顔を確認した。
アラン・F・キャンベル、三十歳、出生地イングランド。
ソファに座って待っていると、数分して二十階へ行け、と言われた。
もう一人の警備員が立つ自動ドアを開けてもらい、エレベーターに乗った。
二十階でドアが開くと、ホールに金髪の女が立っていた。
ホークより少し若い、二十七、八歳か。
捜査局から提供された資料には、彼女は載っていなかった。たぶん最近入ったのだろう。
「ハーイ、私パメラです。営業のアシスタント」
伸びのいい若々しい声だ。
胸の大きく開いた薄手のニットに、かなり短いスカートとピンヒールのパンプスをはいている。脚は素足だ。口紅は殆ど色がないベージュで、それがふっくらと笑っていた。
「アラン・キャンベルです」彼女と握手した。
トレーディング・フロアに入る透明のガラスドアはいくつもあり、頭上に監視カメラがある。
カードキーでドアの一つを開けるパメラに続いて、中に入った。
ニットの背中に下着の線がすけて見える。
色は……いや、それは今いい。ホークは目を逸らせた。
大勢の人間が集まっている場所特有の、整髪料やコロンが混ざり合った、複雑な匂いがした。
それにコーヒーの香り、外で吸ってきた煙草や葉巻の香り、熱を持った電子機器が出す匂い、カーペットの匂いなどが混ざっている。
フロアのつくりは、つい先週もそこにいたと思えるほど、ワシントンのトレーニング施設のセットと同じだ。
ただ、実際に大勢のトレーダーと営業員がいるところが違う。
窓際に並んでいる個室の一つに案内された。
ドアにE・ミケルソンというプレートが貼られている。
中にいた、三十代半ばと見える、黒髪長身痩躯の男が、ホークに手を差し出した。
彼はエディと名乗った。
資料で見た通り、役職はチーフ・オブ・スタッフ、営業部員全体の、人事上の管理と、成績管理を受け持っている。
実際の営業活動はしないが、業務のことは全て知っており、スタッフの殺生与奪、つまり、採用と解雇についてはいち早く知る立場にある。営業本部長の右腕だ。
そこからはエディがフロアの中を案内した。
ホークは、会議テーブル付きのオフィスにいた営業本部長と、二人の上級営業員に挨拶した。
営業本部長には、採用面接の時、オンラインで会っている。
フロアを歩いていると、ずらりと並んだ何列ものトレーディングデスクから、何人かがチラチラと顔を振り向ける。
主だった社員たちに紹介してもらうのに、三十分以上かかった。
このフロアにいる四百人位の殆どが男で、女は五パーセントいるかどうかだった。
ようやく案内された自分の席は、フロアの四番目の柱の列にあった。
二段に積み上げられた六つのスクリーンの前で、電話を持ったり、ヘッドセットをつけて喋りつづけている二人の男の間だ。
右側がイーサン、左側がアダム、とエディが紹介してくれたが、本人たちはホークの方を見る暇もない。
イーサンのデスクには、妻と子どもたちの写真が乗っている。
アダムの方は、猫――ペルシャ猫だ――の写真だった。
エディから、不慮の事故で亡くなった前任者の顧客を引き継いでもらう、と言われた。
予定通りだ――アシスタントが違う女に替わっていたこと以外は。
「アシスタントはジェニファーではなくパメラだった」
ホークはカルロに伝えた。
「一年に三分の一の社員が入れ替わる職場だ。全ての社員の入り繰りを把握できない」とカルロは言った。
ワシントンとロンドンで、現地の責任者カルロ・バルディーニとオンラインの打ち合わせをした。
カルロは四十代後半、白っぽい銀色の巻き毛で、黒縁の眼鏡をかけている。
「君はどうやら特別待遇のようだな」カルロが言った。
「は?」とホークは訊き返した。
「なぜ、イギリス人の君が、合衆国の機関で働いているんだ?」
「外国人枠です」カルロはフムフムと頷いた。
「その分給料が高いようだ」
「……」他の職員の給料を知らない。
「アラン・キャンベルというのは本名か?」
「……今はそうです」
カルロが顔を上げた。
「本名が書かれていないな」
「……」
「君はトニー・リナルディとどういう関係なんだ?」
「上司と部下です」
カルロは明らかに不満そうだ。
「ただの上司が身元保証人になるのか」
「……」捜査局が機密にしていることを喋る必要はない。
「大学はボストンか。高校は?」
「イギリスです」正確には北アイルランドだが。
カルロはふっと息をついた。ホークが話したがらない身上を追及するのは諦めたらしい。
「前の任務の後遺症でリハビリ中だった――怪我でもしたのか」
「いいえ。精神的なストレスです」
「何があったんだ?」
「……犯罪組織への潜入だったので、現場が過酷で」
「君の役どころは?」
「組織のセキュリティー・ガードです」
「というと?」
「殺し屋です」
「殺したのか」
「……」その件は思い出したくなかった。
カルロはファイルをめくりながら写真などの記録を見ているようだった。
「任務は成功裏に完了、とあるな。で、この、スタインウェイとはなんだ?」
「……ピアノです」
「リハビリに?」
「あの……一番好きな事をしていいと……」
画面でカルロが瞬きをしていた。
「聞いたことがないな、こんな高価なピアノを捜査局が用意するなど」
「レンタルですよ」
「この値段でか?」ホークは苦笑した。
「趣味なんです」
「言っておくが、ロンドンでは用意できないからな」
「わかっています」
「ロニーがあんな死に方をしたせいで、誰も引き受け手がいなかったんだ。君が志願してくれて助かったよ」
それは前任者、ロニー・フィッシャーのことだ。サンクトペテルブルクで乗っていたタクシーが追突されて死んだ。
「君は戦闘能力もピカイチだとトニーから聞いている」
「トレーラーに追突されたら、戦闘能力なんかあったって、関係ない」
「……?」
「ロニーは孤児院で育って天涯孤独だったって、書いてありました」
「そうだが……」
「捜査局が彼をリクルートしたのは、身寄りがなかったからですか? リストラされた証券会社の元社員なんて、他にも大勢いたはずだ」
「ロニーの生い立ちと本件の捜査は関係ないだろう」
「潜入捜査は素人だったのに、危険な仕事だって、誰も言ってあげなかったんですか?」
「君の安全は、我々が守ると信じてほしい」
「ロニーはそれを信じたのかな」
「本部長と我々だ」
「気休めにもならない」
カルロはホークの嫌みを黙殺した。
「ロニーが報告した証拠を探してくれ。彼がマークしていた顧客の資金が、犯罪組織から預かっている金だという証拠だ」
「ロニーの仇は?」
「ここでは暴力沙汰はなしだ」
ホークは笑った。
「やむを得ないときは?」
「警察沙汰は避けろ。我々の存在を知っているのは内務省だけだ。正当防衛なら、警察が介入する前に我々を呼べ」
「了解」
飛行機の窓から、はるか下に、イングランドの平野が見えた。
八月の午後の薄日が、緑の草原と煉瓦色の建物の上に、弱々しく降り注いでいる。
ホークは胸が締め付けられるように感じた。
あの緑の中に、かつて自分の家があった。
飛行機が高度を下げれば、石造りの古い館が見えたはずだ。
でも今はない。十六年前の爆弾テロで、館は破壊されてしまった。
日差しを浴びる緑の平野を見た途端に、ホークは生まれ育った土地の引力のようなものを感じた。
ここは、幸せだった頃の自分を思い出す土地だ。
「シートベルトをお締め下さい」
クルーの女性の声に我に返った。
ホークは感傷に浸りたがる心から、無理やり少年時代の自分を追い出した。
そう、既に八月だ――トニーに言われて訓練を受けてから三ヶ月。
その間ロンドンでは、女王のダイヤモンド・ジュビリーが終わり、オリンピックとパラリンピックが始まって終わった。
渡英がここまで遅くなったのは、潜入先のランバートソン・ビーチャム(LB)証券側に理由がある。
捜査局が手を回したヘッドハンターの情報では、突然「採用プロセスが止まった」からだった。
「この業界ではよくあることだ」と言われたが、捜査局は焦った――採用が行われなくなるのでは、次の捜査官を送り込めなくなる。
何の理由だったのか不明だが、やがてホークの採用は決まった。
八月最後の月曜日、ロンドンの空はよく晴れていた。
オリンピック中の交通規制がなくなり、ひどい交通渋滞はなかった。
朝七時五十分、ホークは車でシティのLB証券の駐車場に入った。
ベイズウォーターにあるフラットから約二十五分。六時前ならもっと短縮できるだろう。
捜査局が用意した通勤用の車は、殆ど新車に近いBMWZ4で、色は黒、ステアリングは右側だ。
地下駐車場はほぼ満車で、エレベーターから遠い位置にあるスペースしか空いていなかった。
車に施錠し、エレベーターに乗る前に、自動ドアのガラスに映った自分の姿を点検した。
きれいに撫でつけた金髪、白いシャツに瞳と同じブルーのタイ、スーツはダーク・グレーのシャドー・ストライプ。
大丈夫、証券会社の社員に見える。
まず、一階の受付に行く。
この時間、警備員を兼務している受付の男は、ホークの運転免許証で顔を確認した。
アラン・F・キャンベル、三十歳、出生地イングランド。
ソファに座って待っていると、数分して二十階へ行け、と言われた。
もう一人の警備員が立つ自動ドアを開けてもらい、エレベーターに乗った。
二十階でドアが開くと、ホールに金髪の女が立っていた。
ホークより少し若い、二十七、八歳か。
捜査局から提供された資料には、彼女は載っていなかった。たぶん最近入ったのだろう。
「ハーイ、私パメラです。営業のアシスタント」
伸びのいい若々しい声だ。
胸の大きく開いた薄手のニットに、かなり短いスカートとピンヒールのパンプスをはいている。脚は素足だ。口紅は殆ど色がないベージュで、それがふっくらと笑っていた。
「アラン・キャンベルです」彼女と握手した。
トレーディング・フロアに入る透明のガラスドアはいくつもあり、頭上に監視カメラがある。
カードキーでドアの一つを開けるパメラに続いて、中に入った。
ニットの背中に下着の線がすけて見える。
色は……いや、それは今いい。ホークは目を逸らせた。
大勢の人間が集まっている場所特有の、整髪料やコロンが混ざり合った、複雑な匂いがした。
それにコーヒーの香り、外で吸ってきた煙草や葉巻の香り、熱を持った電子機器が出す匂い、カーペットの匂いなどが混ざっている。
フロアのつくりは、つい先週もそこにいたと思えるほど、ワシントンのトレーニング施設のセットと同じだ。
ただ、実際に大勢のトレーダーと営業員がいるところが違う。
窓際に並んでいる個室の一つに案内された。
ドアにE・ミケルソンというプレートが貼られている。
中にいた、三十代半ばと見える、黒髪長身痩躯の男が、ホークに手を差し出した。
彼はエディと名乗った。
資料で見た通り、役職はチーフ・オブ・スタッフ、営業部員全体の、人事上の管理と、成績管理を受け持っている。
実際の営業活動はしないが、業務のことは全て知っており、スタッフの殺生与奪、つまり、採用と解雇についてはいち早く知る立場にある。営業本部長の右腕だ。
そこからはエディがフロアの中を案内した。
ホークは、会議テーブル付きのオフィスにいた営業本部長と、二人の上級営業員に挨拶した。
営業本部長には、採用面接の時、オンラインで会っている。
フロアを歩いていると、ずらりと並んだ何列ものトレーディングデスクから、何人かがチラチラと顔を振り向ける。
主だった社員たちに紹介してもらうのに、三十分以上かかった。
このフロアにいる四百人位の殆どが男で、女は五パーセントいるかどうかだった。
ようやく案内された自分の席は、フロアの四番目の柱の列にあった。
二段に積み上げられた六つのスクリーンの前で、電話を持ったり、ヘッドセットをつけて喋りつづけている二人の男の間だ。
右側がイーサン、左側がアダム、とエディが紹介してくれたが、本人たちはホークの方を見る暇もない。
イーサンのデスクには、妻と子どもたちの写真が乗っている。
アダムの方は、猫――ペルシャ猫だ――の写真だった。
エディから、不慮の事故で亡くなった前任者の顧客を引き継いでもらう、と言われた。
予定通りだ――アシスタントが違う女に替わっていたこと以外は。
「アシスタントはジェニファーではなくパメラだった」
ホークはカルロに伝えた。
「一年に三分の一の社員が入れ替わる職場だ。全ての社員の入り繰りを把握できない」とカルロは言った。
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