bias わたしが、カレを殺すまで。

帆足 じれ

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第12章

Anecdote きっと答えてくれるよ ☆

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 数ヶ月前──。

 まったく、どうなってるの、さっきの話。デンたんのお父さんのこと殺したのはりょおちんだと思ってたのに、そんな妙なことになってるなんて絶対変だよ。
 それにバエルさん、どうして回りくどいことするのかな。デンたんのこと気に入ってるなら、他の処刑人みたいにスカウトして、普通に引き入れればいいだけなのに。
 ちょっときな臭いし……こっそり探るしかないよね。

 うーん、どこから攻めよう。カワイイデンたんの為にもできるだけ良い情報つかみたいけど、機密文書とか閲覧できる立場じゃないのが痛いんだよなー。
 クルたん経由で行けるかな。でもベルフェゴールさんに見つかったらアウトだし、連帯責任とか言われたら迷惑かけちゃうもんなー。

 あれ……待って。そう言えば夜会の時、バエルさんの携帯端末の調子が悪くなったって言うから、貸してあげたんだった。あの時のログ、まだ残ってないかな……。

 あった! えっ、しかもアカウントにログインしたまんまだ。ラッキー! もしかしたら、ここから何か見つかるかも。
 えーと……うーん……あー、使えそうな情報ないなー。それっぽいとこには、別にロックかかってる……残念。

 いろいろ覗いちゃったけど、これバエルさんにバレたりしないよね……。勝手に見るなーって激怒されたり……は、ナイか。今まで何かやらかしても一回も怒られたことないし。
 でも、ベルフェゴールさんにバレるとヤバイ……あの人、怖いからなー。すごいイケメンだけど、頭固くて冗談も言い訳も通じないんだもん。いっつもあんな感じで、楽しいこととかあるのかなぁ。デンたんもそうだけど、生きるのツラそうに見える……。

 そう言えば、前に同じ部署にいた先輩、途中で見なくなったからどうしたのかなって思ったら、ベルフェゴールさんに盾突いた後、行方不明になったって聞いたんだよね。こわぁ……。だけど、クルたんは普通に付き合えてるんだよなぁ。やっぱ、人によるのかなぁ。

 まあ、仮にバレたとしても、今回は特に秘密っぽい情報見たわけじゃないから、多分セーフ……だと思う。

 仕方ない。ちょっとずつ情報集めてくしかないか。もしくは、アシスタントしてたよしみで教えてもらえるかもだし、バエルさんが帰ったら直接訊いてみようかな。
 うん、バエルさん優しいし、きっと答えてくれるよ。

 それに、デンたんのこと気になってる時点で同志だもんね。「♡デンたんLovers♡」に誘っちゃおうかな。マドロンがあんなことになっちゃったから、実質メンバーひとりだし、丁度良いかも。


 ×時間後──

 あ、お仕事だ。
 えーっと、なになに……ラックと合流? あれ、この人って、デンたんと一緒に生き残った新人さんだ。何だろ?
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