【R18】セッツ兄弟のヒミツ【挿絵あり】

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おはよう。

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 ふかふかのベッド。
 真っ白なつやつやのシーツ。
 ぬくぬくのカーキ色の布団。
 横の体勢から仰向けになると、窓辺から太陽の光が差し込み、俺の顔面を照らした。

「んー」

 もう、朝か。
 俺は頭上にズレた枕を手に取ると、抱きしめるようにして顔を埋め再び真横の体勢で縮こまった。
 ふんわりと、自分の髪からシャンプーの香りが漂う。
 眠い。
 
「亜蘭、嶺亜、起きてる? パパともう出なくちゃだから、朝ごはん温めて食べるのよ」

 玄関から母の呼びかける声。車のエンジン音が聞こえる。
 そうだ、今日は日帰りで朝から出掛けるって言ってたっけ。

「分かってるよ!」

 俺は適当に返事をすると、布団を頭から被り、体を丸めた。
 ――このまま、二度寝したい。まだ寝ていたい。

 暫くすると、パタン、と玄関扉が閉まる音が微かに耳に届いた。
 これで、心置きなく二度寝ができる。

 そう思ったのだが、完全に脳が起きてる。眠りが浅かったのか、びっくりするくらい意識が鮮明だ。
 そもそも、俺、眠れていたのだろうか。

「……便所」

 仕方なくあくびをしてベッドから立ち上がり、背伸びをした。体の節々が痛い。
 枕元の脇に置いていたスマホを見ると、時計は七時半過ぎ。ちなみに今日は土曜日だ。 

 いつもなら自宅から逃げるように、気心の知れた男友達たちとグループになって一日中外へ繰り出すところだが、今日は珍しく両親が居ない。
 今日は、何をしよう。と、ぼーっと後頭部に寝癖が付いた頭をポリポリ掻きながら部屋を後にした。
 廊下の先へ進み、トイレのドアを開けようとした、その時だった。

「おはよう、兄さん。今日もよろしくね」

 後ろを振り返ると、黒縁メガネの向こうから、静かに俺の瞳を見つめる弟、嶺亜の姿があった。


 数秒沈黙が流れる。


「……は?」

「は? じゃないよ」




「今日『も』って……、お前、まさか」

「昨日は入ったけど、出せなかったから」

「よく言うよ、しっかり中出しはしたくせに」

「はは、ごめん。じゃ、始めようか」

 何を言い出すのか。
 嶺亜は少しだけ寝ぼけ眼で、まだ眠たそうに黒縁メガネを少し上へずらし右目を擦った。
 昨日も『行為』をして、後始末が大変だったというのに。
 朝っぱらから、「始めようか」と言う弟に驚愕する自分と、またどうせ良からぬことを考えているのだろう。と期待してしまっている自分がいた。

「……嘘だろ」
「ホント」

 一瞬で即答されたわけで。
 毎回、こうなると頑固な弟はなかなか引き下がらない。
 嶺亜はトイレの扉を開け、中へ誘導するかのように、上半身で俺の背中をグイグイと個室へ押し込んでいった。
 しかも硬い何かが、尻に当たるんですけど。

 そして、嶺亜はトイレの鍵をかけた。

 以前、ひっそりと行為中に母にドアを開けられそうになった事があった。
 それから嶺亜は念には念を、ということだろう、必ず鍵をかけるようになった。
 因みに、あの時はギリギリバレなかった。そう思いたい。
 半分は俺を逃がさないためだと思う。
 生きた心地がしない、あの『スリル』を味わうのは、もう懲りた。
 
「俺、ションベンすっから! ちょっと! 出てけ!」

「僕が出すまで、出ちゃだめ」

「ハァ!? 意味分かんねぇよ!」

「とりあえず、パンツ脱がしますね」

 意味なんか、前から分かっている。
 虚勢を張らねば、俺はどこまでも弟に『食われっぱなし』だ。
 何か一つでも兄らしい威厳を保ちたい、と昔から考えていても、良い塩梅で丸め込まれてしまい、弟と居るといつも調子が狂う。

 便座の真正面に立ち尽くした俺のルームウェアと下着を一気に掴み、強引に摺り下げようとする。

「ちょちょちょっと!」

 嶺亜の両手を下げまいと、重ねた両手に力を込める。

 え?
 どれだけヤりたいの。力、つっよ。

 とうとう力負けした俺の手は弟から離れ、衣類が足元にストンと重なり落ちると同時に、下半身がスースー。寒い。

「兄さんが起きてくる前から僕、朝勃ち凄くて部屋で抜いてきたんだけどさ。後ろ姿見てたら、また勃ちそう」

「なんなの? 嶺亜、へーきでそういう事言うよな!? お、俺、ローション無いと、無理だから!」

「ローション? あるよ」

 ライトグレーのポケットへ手を突っ込むと、手のひらサイズの使い切りローションを微笑みながら取り出し、俺へ自慢気に見せつけた。
 パッと見るからに、化粧水サンプルのような白い包装。だがよく確認すると、紛れもなくローションだった。

「あるのかよ」

「兄さん、僕もおしっこ」

 嶺亜は俺の首後ろへ顔を埋めキスをし、吸い上げると、後ろから腹部へかけて両腕を回しハグをしてきた。
 背中に温かい嶺亜の胸部がぴったりと密着すると、俺の体はすぐにカッと熱くなった。まるで身体が昨日の記憶を呼び起こすかのように。
 その瞬間、俺は息を吞んだ。
 弟はアナルの位置目掛け、腰をタンッタンッと、優しく臀部に当てつけてきた。
 生地越しに感じる嶺亜のペニスは、更に硬くなっていて、俺は内心かなり動揺した。

「おい、硬いんだけど」

「兄弟って、セックスの相性がいいとかあるのかな」

「知るかそんなコト!」

「だってさ、昨日の兄さん凄く気持ちよさそうに喘いでたから」

 俺の腹部にキュッと回した両腕を解いたと思うと、くびれから臀部にかけて優しく指を滑らせ、愛撫。
 手から伝わる体温は……、たぶん俺と同じくらいだと思う。自分が火照っているのが弟にバレてしまいそうだ。

「おしり、すべすべ。ぷにぷに、ふふふ」

「う、うるさい!」

 背後からガサガサと音がする。
 早速、先程のローションを開封しているようだった。
 早過ぎやしないか。
 だが逆にそれくらい、俺の中を欲しているんだな。と感じてしまって、なんだか妙に嬉しくて気持ちが昂ぶった。

「お尻、こっちにもっと突き出して」

「……くっ!」

 俺は太腿に両手を付き、前傾姿勢になる。

 こんな体勢なんて滅多にしないんだからな!!と、心の中で叫ぶ。
 顔から火が吹き出しそうなくらい恥ずかしかった。
 拒めない。拒むとすぐイジワルになるから。駄々を捏ねる子供みたいに。
 
「そうそう、そんな感じ」

 俺の尻を愛しそうに毎回、入念に撫で回してくれる。
 何がそんなにいいんだろう。柔らかいのかな。

 ひんやりとした粘度を帯びたローションは、アナルの位置へ垂れ、これから始まる長い快楽の予兆を、時間をかけて伝えてきた。背筋がゾクゾクしてくる。

「んんっ」

「あっはは、もう気持ちいい? 兄さんの方がトロトロじゃん」

 ローションを馴染ませぬるぬるになった嶺亜の指が中へ少しずつ侵入し、ゆっくりと内壁を撫でている。
 まだ慣れない俺の孔を丁寧に解す。

「兄さんのナカ、すっごくきもち良さそう。僕の指咥えて、ギュッてしてさ」

「うっさい! 説明しなくていいっ!」

「気付いた? 指、二本入ってるんだよ。前よりもすんなり入るようになってる」

「えっ」

 そんな言葉が返ってくるとは思わず、俺は、羞恥心でいっぱいになった。
 身体をビクつかせる俺の様子を、嶺亜は今どんな気持ちで見てるんだろう。何気なくそれを想像しただけで、勃ちそうになる。

 ニュチニュチと、厭らしい音をわざと聞こえるように立てているのか、本当に俺のナカが潤い、解れている証拠なのか、果たしてどちらなのか。




 
 今、俺は『また』便座に両手を付き、バックの体位でアナルを犯されていた。

 室内は、しっとりとした湿気と俺たちの熱で満ち、性欲を刺激した。

 俺の腰を鷲掴みにする力強い手の感触、腰が弟の方向へ引き寄せられると、ペニスが中を擦れ、身体のナカをじわじわと熱くさせた。

「んぐ!」

 声が漏れないように、下唇をグッと噛んだ。

「中、あったかい。……だめだ、出しちゃいそう、おしっこ」

「もう漏らしてるだろ、分かるんだよ」

「やば、バレた? 兄さんの中に全部出しちゃうよ、たくさん。いい?」

「拒んだって、いつもみたいに出すじゃん!」

「落ち着いてよ。興奮して締め付けちゃうと、放尿うまくできないんだから。好きな癖に。素直じゃないな」

 嶺亜がそう言うと、挿入されたペニスからドクドクと物凄い勢いで、俺の中に躊躇することなく、放尿し始めた。
 じゅわっと広がる熱いその存在感に、俺は嬌声を放ってしまう。

「あっ! あぁ……っ!!」

 ジョボボボボボボ……

「ふううぅ……。出てるよ、今。分かる?」

 アナルの中を蠢いて暴れ回る嶺亜のペニス。その感じた事の無い気持ちよさに、俺は口を半開きにさせ、はぁはぁと吐息を零す。

 腹部に温かい尿が滲んで染み渡るような感覚。まるで大量に種付けされているかのようで、俺は堪らなくこの肛門内放尿の虜になってしまっていた。

 無意識に微かに笑みが、身体が、悦んでる。
 俺は唾液を滴らせていた。

「あっ、ぁ……。うっ」
 
「凄いね、兄さん。ケツマンコに僕のおしっこ、注がれてるよ? 朝の半立ちくらいの状態がいい感じかも。どう?」

「うぅん……! 凄い……アツいのどんどん来てきもちいぃ……! 腹がもう……!」

 腸内が温かい尿で満たされ、何故か不思議と心まで満たされたような気持ちになった。
 なるべく締め付けず、嶺亜が全てを出し切るまで、注いで欲しい。
 体に変に力が入り過ぎないよう、神経を集中させる。

「もうお腹いっぱいなの? ……あっ、溢れてきちゃった」

 後ろから、ピチャピチャと床が徐々に濡れていくような水音が俺の耳に届く。
 そして、微かに尿の独特な匂いがトイレの中を満たし始めた。

「んん、はぁあ」

「僕、兄さんにもっと善がって感じてほしい。分かる? この気持ち……!」

 そう言うと俺の腰を引き寄せ、放尿しながらピストンを始めた。

 ジュボッジュボッジュボッ……

「ひい!」

「兄さんは、誰にも渡さない」

 完全に勃起し切っていない嶺亜のペニスが、濡れてぐちゃぐちゃになった俺のアナルを強引に犯す。その間も尿を注がれ、溢れ続けた。

 アナルの周辺はローションと生暖かい尿で更に滑らかになり、俺の両太腿へと尿が流れ落ちる。
 中へ注がれた尿が逆流し、確かにボタボタと自分の肛門から溢れ出していた。

「勃たないとうまく挿れられないし、勃ったらおしっこできない。難しいね」

 ジュブッジュブッジュブッジュブッ

「もうっ、漏れ……るっ!!」

 俺の尿意は限界に近付いていた。
 内股気味になった両太腿をガクガクと震わせながら、右手で股間を圧迫し耐え凌ごうと考えた。
 ところが――。

「兄さんもおしっこ、しようか、ほら」

 俺よりも少しだけガタイが良い嶺亜が、俺の上半身を抱き上げ垂直にさせ、立ちバックの体位へと持ち込んだ。

「わぁ……っ!」

 そして、背後から右手を俺の手前へ伸ばすと、亜蘭のその右手は俺のペニスを、俺の顔面へ向けた。
 まさかそんな行動をするとは思わず、俺が動揺している隙に、緊張の糸がとうとう緩んでしまった。

「ん……!だめ……ぇ!出ちゃ……」

 ビュルッ!…… シュョォォォ……

「あ~もう、ドピュドピュ。いっぱい出してね」

 生暖かい、俺自身が放った尿。
 それは自分の下唇まで飛沫が届き、放尿の勢いが緩やかになるとそのまま胸部、腹部へとじょぼじょぼと浴びることになった。
 真っ白なTシャツが、薄黄色に濡れていく。

「んうっ! ……ん、あぁっ……」

 俺は全てが恥ずかしくなり、顔を背けた。
 だが、まだ放尿は終わらない。

 ショォォォォ……

「前も後ろも、おしっこまみれ」  

 もう、だめだ。止められない。
 寧ろ、何もかも開放的になってしまったほうが、清々しそうだ。
 弟の前で俺、何を曝け出してるんだろう。

 結局、全て出し切るまで俺の胸部は尿で殆どが濡れ、両膝の上を滴っていった。
 嶺亜は左手で俺の尿を肌に馴染ませるかのように、何度も愛撫を繰り返している。

「んっ……ぐ……うぅぅ」

「全部、出た?ぶっかかっちゃったね、ゴメン」

 絶対にわざと。やられた。

「お前がっ! 俺に……向けるからだろ! バカッ!!」

 先週購入したばかりのTシャツだった。 
 反論しようと、後ろを振り返る。
 その勢いで、挿入され中で膨れ始めていた嶺亜のペニスがズリュッと引き抜かれ、尿がボトボトと溢れ落ちた。
 嶺亜と向き合うと、彼はいつもとは違う雰囲気を纏ってる。

「…………すんごい、えっちだね。乳首浮いてる」

「!」

 自分の胸部を確認すると、尿で濡れた薄手の生地越しに肌が厭らしく透け、自分の乳首がぷっくりと浮き出ているのが見えた。

 俺、 めちゃくちゃ勃っちゃってるんですけど!?

「誘ってるの」

 声が、低い。
 何か嫌な予感がした。
 嶺亜が俺のびっしょりに濡れたTシャツ越しの両乳首に爪を立て、そこを強く弾くように刺激し始めた。

「あっ! あぁ……! だめ……嶺亜っ」

「厭らしい。こんなに勃たせて……かわいい」

「か、かわいいって言うな!!」

 また、『かわいい』と言う言葉。
 昔からそうだ。俺は嶺亜よりも背が低くて、初対面となると必ず俺の方が『かわいい妹』と、間違われる事が多かった。

 ずっと気にして、気にすればする程、もし俺がほんとに女の子だったら、これって気持ちいいのかな、これはドキドキするの?こうしたら男の子はもっと感じちゃう?と、考えるようになっていった。

 嶺亜は悦楽した表情で、乳首に吸いつく。 
 尿に濡れた綿の生地越しに、俺の乳首は舌先でぬるぬると撫でられ、激しく胸を吸われ続けた。乳首の上の生地が、嶺亜の唾液で更に湿って生暖かく濡れ始める。
 その気持ち良さで俺は少しずつ、ペニスが勃ち始めていた。

 男の人……、弟に乳首しゃぶられて感じちゃう俺って、変なのかな。

「興奮してきた? 乳首弄られるの、好きだもんね」

「うん」

「そうだ、自分でシコってみてよ? 見てみたい、兄さんがオナニーするとこ」

 放尿し終えた自分のそれが、徐々にムクムクと勃起し硬くなっていく。
 俺は右手でペニスを手にし、ゆっくりと上下に撫で、刺激を与え続けた。

「ふ……、ぅっ……」

 睾丸も、にゅるにゅると滑り、手の温度が直に伝わってきて、身体が疼く。

 嶺亜も同じように自身のペニスを扱きながら、俺をとろとろな瞳で見つめている。

「兜合わせ、しよ」

 かぶとあわせ……。
 これまで耳にしたことはあるが、実際にやってみたことは無かった。
 だってこれ、一緒にするんだろ。
 俺が、弟と。
 
「う」

「大丈夫、このまま僕に近付いて」

 嶺亜が俺に向かいながら近づき、ペニス同士を密着させ優しく包み込んだ。

 既に互いの亀頭が、カリが、パンパンに裏筋が膨れ上がり血管の浮いた陰茎が不規則な角度で刺激し合う感覚に、俺は思わず息を呑む。
 着ていたTシャツの端を掴みペニスを隠そうとしてしまったが、無論、そのような事では隠せるはずもなく。

「み……、見るな……!」

「なんでだよ、いいじゃん。気持ちいいの? 感じてる?」

「んなわけねぇだろ! ……んぅっ!」

 気付けば、嶺亜の左手は俺のアナルの中をヌチヌチと弄り続けていた。

「兄さん、僕にしっかりくっついててね」

 そう言うと、唇を重ねた。
 嶺亜の唾液が、俺の口内に溢れてくる。

「んううっ……、はぁ……っ」

 二本のペニスを包み込み、シュッ、シュッと扱くスピードが徐々に上がってくる。
 嶺亜の手の感触と、敏感になったペニス同士が擦れ合う刺激で、俺の亀頭の先から透明な我慢汁がじわじわと溢れ始めた。
 それは嶺亜の手指を潤し、潤滑剤となる。



 包み込んだ右手の人差し指が、俺の亀頭に優しく触れた。

「ほら、見て? 糸引いてる」

 我慢汁でつやつやになった尿道口をグリグリとその指先の腹で摩擦させ、俺を攻め立てる。

「んうう」

 声が漏れないように、堪える。 

「我慢汁、たくさん。ぬるぬるで俺も気持ちいい」

「……っ」

「兄さん、声聞かせて」

 静かに囁くと、嶺亜は俺の唇にキスをした。
 ただのキスではない。
 舌が口の中を這い回り、唾液と共に絡みつくのを愉しんているようだった。
 
 それにしても、嶺亜はいつも上手にキスをする。メガネの縁が、俺に当たったことなんて一度もない。
 なんで? 練習でもしてんのか?
 
 ジュルルルルル

「う……へぇぁあ」

 俺の舌がジュルッと吸われる度に、舌が嶺亜の唇で締め付けられ、口内へ引っ張られる。
 その刺激も相まって、俺は達してしまいそうな予感がして必死に気を紛らわせた。

 唾液がツーッ……と溢れ、ちょうど俺たちの亀頭の上へと糸をゆっくりと引きながら落ちた。

 弟より先に、イッてたまるか!





 ――数分後。

「ああ! んぁっ!! 俺もうだめぇええ! イクぅっ!! イッちゃうってばぁあ!!」

 視界が激しく、揺れ動く。いつもの場所が完全に非日常的な空間となっていた。

「だめ! まだ僕が種付け終わってないんだからっ!!」

 ジュッボッジュッボッジュボッ……!

「んぐうっ! んっ! んんっ! うっ!」

 どうしよ、イきたい、今すぐ。
 俺、ぜんぶ、おかしくなる!!

 兜合わせで俺が達してしまう寸前、「四つん這いになってよ」と言う嶺亜に従ったところ、全裸にさせられ、このザマだ。

「は~~、あっつい」

 嶺亜は七分袖のシャツと半端に穿いていた部屋着を、ドア側へと脱ぎ捨てた。

 俺は便座の上に両手を付き上半身を任せ、臀部を改めて嶺亜の方へ突き出した。
 早く欲しくて、俺のアナルがヒクつく度に、注がれた尿が滲み出し床に滴る音がして……。
それからだ。理性が吹っ飛んだかのように、嶺亜が俺を激しく犯してきたのは。



 俺は大きく滾ったペニスをアナルで咥え込み、ピストンする動きに合わせ、腰を結合部へ当てつける。
 我慢汁が細く糸を引きながら便座の周辺へ滴り落ちているのが分かった。
 
「はぁっ! あっ! ひぃっ」

 バックで突かれるのが気持ち良くて、頭の中がふわふわしてきた。意識が全部もってかれそうだ。

「……っ! ……くっ! ……ぁあ」
 
 ピチョピチョと、俺の腸内に注がれていた尿が滴る。

 ピストンしている嶺亜の呼吸が激しく変化し、時たま溢れる声もいつもより高く、明らかに間もなく達しようとしていた。

 俺のナカ、そんなに夢中になるくらい気持ち良いのかな。
 赤ちゃんができないのに。それでも精液いっぱい放ってくれるのが、いつも、凄く、嬉しい。
 少し、ほんの少しだけ切ないけれど。

「にいさん!! 出すよ! デカ尻のケツマンコに! 種付け!!」

「ちょおだい! ……ひっ! ……おれの、ナカに! チンコおくまでいれて……はぁあ……せいえき、いっぱいちょおだいぃい!!!」

「大好きだよ、淫乱な亜蘭! 孕め! イけ!!」

 パンッ! パンッ! パンッ!

 気付くと、俺は涙目に涎まみれ。
 今は、嶺亜とのセックスの事しか考えられなくなっていた。

「はぁあ……! 孕ませてぇ! イク、イクぅううっっ!!!」

 ずっと奥を突かれ体内だけに意識が向いて、あまりの快楽に興奮し切っていた。
 なんでこんなに、涙が溢れそうになるんだ。
 自分のペニスの存在を忘れてしまいそうなくらい、ずっと深い部分で感じて、俺は嬌声を放つだけだった。
 俺、完全に女になっちゃってるみたい。

 気持ちいい、もっと。
 もっと、もっと、欲しい。
 本当の意味で、満たされるような気がした。

「あっーーっ! イクっ! 亜蘭……!!!」
 
 ゴボッゴボボ……

「出してぇ! ぜんぶ!! だして!!!」

 再び、ペニスから俺の体内へ、今度は精液が大量に放出された。熱くて、幸せで。
 多幸感に満ちた俺の身体はメスイキし、痙攣。その後断続的に前立腺諸共刺激し続けられ、込み上げるものを、何もかも放ってしまった。

「イ…! イッッグうぅっ!! 嶺亜ぁあ! んんっ~~~~!!」

 ビュルルッ!!

「イけ! イけ!! もっと!!!」

 俺の中にまだ挿入された嶺亜のペニスは最後の力を振り絞るかのように激しくピストンさせた。

 パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

 ビュッ! ビュルッ……

「ああああああ!」

 突かれる反動で、ペニスを激しく揺さぶられながら、俺は体液をパタパタと弾けさせた。
 便座やその周辺に飛び散り、自分が放ったものに興奮し、頭の中が欲に溺れ真っ白だった。
 射精なのか、トコロテンなのか、潮吹きなのか、よく分からないまま、意識が遠退きかけ、俺たちは共に果てた。





 まだ鼓動が高鳴ったままだ。呼吸が荒い。
 背中には嶺亜がぐったりと凭れ掛かっている。
 朦朧とする中、安堵と同時に少しずつ全身の力が緩む。

「いいこ、いいこ」

 そう嶺亜が頭をそっと撫でながら囁くと、ズリュンッと俺のナカからペニスを引き抜いた。

「んぅ」

 アナルが嫌でもくぱくぱと口を開き、体内に籠らせていた薄黄色い尿と白い精液を吐き出し、床一面を濡らした。

「はぁっ……はぁ、出ちゃった……れいあの……精……液……だめっ! でちゃ、だめ、だって……」

 自分の声が震えている事にようやく気付いた。
 床にぴちゃんっと脹脛を付き、半身を両腕で支えた。
 まだ身体がピクピクと痙攣している。

 あらゆる体液の生暖かさが膝元に届き、それは俺をそっと慰めているようだった。

「大丈夫、いいんだよ。また、いっぱい注いであげるから」

 背後から嶺亜が抱きしめた。

「……うん」

 俺、泣いてるの?

 なんで、こんなに、寂しいんだろう。





 俺たち、兄弟は自宅に二人きりの時だけ、こうして何度も身体を重ねてきた。
 
 床拭きや掃除は手際が良く、毎回本当に驚かされる。
 元々、『いつもの』嶺亜は几帳面。その性格がどうやらこの跡片付けに活かされているらしい。
 トイレはまるで、先程の出来事など微塵も感じさせないくらい綺麗になっていた。

「お前、掃除のプロなのかよ」

「掃除得意だし。兄さん、気持ちよかった?」

「えっ、お…………おぅ」

 突然の問いに、俺は目を逸らしながら静かに頷き、小声で返した。

 尿まみれで嬌声を上げながら強請っていた自分の姿を思い出し、なんとも言えない気持ちが込み上げてくる。
 
「あ、今セックスしてた時の自分思い出してたでしょ?」

「う」

「普段とは真逆になるんだもんな、兄さんトロットロで淫乱になっちゃうし、締め付けてくるケツマ「あー!!! もうやめて! 言うなっ!!」

「つまり、その、僕もとっても気持ちよかったです」

 嶺亜が微笑んだ。
 俺は、どんな顔をしたらいいのか分からなくて、彼に背を向け舌打ちをした。
 そして彼に問う。
 
「思うんだけど、風呂場じゃだめなの」

「お風呂場だといくらでも汚していいことになるから……なんか違うんだよね」

「どんな拘りだよ。え、トイレ縛りってこと?」

「次は夜にしてみようよ。兄さん、我慢できるかな? 喘ぎ声でみんな起きてきちゃったら、どうしようね」

 この時、振り返った俺の顔は青ざめていたことだろう。

「バカな事考えてんじゃねぇよっ……て! おい!」

 嶺亜は俺の手を取り、浴室へと歩き出した。

「とりあえず! 僕たちおしっこまみれだからシャワー浴びよう! バレる前に洗濯もしないと」





 この後、浴室でまた嶺亜が俺を立ちバックでパチュンパチュンに抱いて、ナカも綺麗にした。された。

 親が帰って来るまであと……どのくらいだっけ。今、何時だろう。

 もしこの状況がバレたら、どう説明しよう。  と、一緒に窮屈な姿勢で浴槽に浸かりながら眼鏡を外した嶺亜を目の前に、思考を巡らせていた。

 大学生の兄弟が二人仲良く入浴しているのだ。きっと驚くに違いない。
 幼少期ならまだしも。

 というか、俺たち、こんなに成長してたんだな。浴槽の湯が溢れそう。
 セックスしちゃうくらいだから、当然、か。

「狭い」

「兄さん、僕の上に来る?」

「嫌だ」

 身体がまた触れ合ったら、どうしてもまた欲しくなってしまう。しっかりと断った。

「いま不機嫌な顔してる? 眼鏡が無いと、かわいい兄さんが見えない。ぼやける」

「裸眼、ホントに見えないのな。別に、いいよ見えなくて! というか、厭らしい目で見なくていい!」

厭らしいことばっかり考えちゃってるのは、俺の方だ。

「兄さん」

 距離感が掴めないのか、向かい合った彼の両手が俺の顔を探す。頬へ指先が伸びると、一気に顔を引き寄せ、優しくキスをした。

 互いの唇が離れる。
 そして嶺亜は静かに「大好き」と頬を赤らめて微笑むと、俺の首を指先でなぞり喉元にキスマークを残したようだった。



 なんで、俺たち家族で出会っちゃったの。

 なんで、俺は男のカラダなの。 

 こんな『兄さん』でも、ずっと――。



 気付くと、嶺亜の唇を貪るように何度も激しくキスをしていた。
 熱い自分の涙が静かに頬を伝う。



「大丈夫、側にいるよ。兄さん」



 俺たちの危なっかしいヒミツの日常は、まだ始まったばかりだ。


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