【R18】恋人CONTRACT

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23「寝癖」

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 数日後、土曜日。
 秋之宅。

「うーーん……なつきぃ~……」

 秋之が俺の背中に顔をぴったりとくっつけ、ハグをする。
 その温もりで、俺は眠りから目が覚めた。

 昨晩の事後、シャワーを浴びてそのまま全裸で二人、ぬくぬくとベッドの上で寄り添って眠りについたっけ。
 淡いグリーンのカーテンで閉め切った窓の向こうから、朝の気配がする。

「んー……?おはよ」

 俺の腹部へ回された腕を少しだけ揺さぶる。
 返事は、無い。
 もしかしてまた寝言だったのだろうか。たまにあるんだよな。
 真横の体勢からゆっくりと寝返りを打ち、俺は彼と向き合った。

 目の前でスヤスヤと寝息を立てている彼。
 髪は……ボサボサ。
 そう。実は秋之、寝相が悪い。
 起きるといつも寝ぐせがピョンっと立っていることが、本当に多い。
 そこも愛らしくて好きな部分の一つだったりする。

「……」

 これ、キスしてもバレなそう。
 興味本位にそっと……俺は唇を重ねた。
 柔らかい感触が伝わった瞬間だった。
 それは一瞬でディープキスになってしまう。

「ん」

 起きてた、やられた……また。
 彼はそっと瞼を開けると、微笑みを浮かべながら、積極的にキスをし続けた。
 俺は朝から、思考をトロトロにさせられてしまった。

「ふふ。おはよ」

「う、起きてた」

「夏樹がキスするんだもん」

 そう言うと、布団の中でううーん! と伸びをする。
 今何時? と彼が置時計を見た。

 午前、八時五十三分。

「もうこんな時間? 結構寝ちゃったねぇ」

上体を起こすと、ほわぁとあくびをした。それを横目に、俺は……。

「ほら、覚えてない? 俺たち寝たの朝方だったよ、そう言えば……ヘッ……クシュン!」

思いっきりクシャミ。

「え、何? 風邪? 何か温かい飲み物いる?」

 ベッドを後にして、キッチンの方へ向かう秋之。
 ちなみに、全裸状態ね。風邪引きそうなのはどっちだ。

「たぶん、なんでもないよ、大丈夫……というかせめて何か穿いて!」

「白湯飲もう、白湯」

「めちゃくちゃ健康的……」

 ポットに水を入れ、沸かし始めた。
 俺もそろそろ起きるか、と少し気怠い身体を起こそうとした、その時。

「あーーっ!!!?」

 秋之が叫んだ。
 驚いた俺は声のする方へ目をやると、スマホを見ながら秋之がなんとも言えない顔をしている。
 これは、そう、興奮している時の顔。
 あざとい感じで、目をうるうるさせている。
 ちょっと困り顔……アヒル口みたいな。例えが下手クソだけども。

「い……陰性!」

 この日、先日の検査の結果通知が届いた。
 勿論、俺の元にもだ。

 彼がベッドの方へ戻り俺の目の前へ来ると、肩の荷が下りたのか俺に引っ付いて、ギューッとハグをした。

「よしよし」

 俺も安堵した。秋之の頭をポンポンする。

 そう、安堵してしまった。

 最近ずっとゴム装着ばかり。昨晩もそうだった。
 一番最初に『ナマ』の気持ちよさを感じてしまったからだろう。
 身体が、疼いてしまって……。
 隔たりがない状態で、直接熱を感じたいと強く求めるようになってしまっていた。

「……どうする?」

 なんて野暮な事を聞いてるんだ、俺。
 秋之が俺の顔を見上げた。

 「ん?……あ、もしかして、ホッとしたら……また生でエッチしたくなっちゃった?」

見つめる、瞳。
顔が熱い。

「う」

「……まぁ、夏樹に中出ししたことは本当に反省しているんだけど」

「そ、それは別に気にしてない! すごく…気持ち良かったし。俺も秋之とするの好きだから」

 俺は秋之に微笑みながら頭を改めてポンポンした。
 ほら、やっぱり頭上の寝ぐせがぴょこぴょこしてる。触覚みたいで面白い。

「ううっ、なつきぃい~~~~大好きぃい~~っ!」

 真正面から改めて俺に寄り添ってきた。さり気無く俺の両胸を揉みながら。

「ははは! そんなに嬉しかった?」

「当然じゃん~! うーん、せっかくだしさ、これからもゴムでいろいろ試してみようよ」

「別に構わないけど、種類をってこと?」

「気持ちいい体位とか、ローションもさ、いろいろ有るわけじゃん!」

 秋之が不敵な笑みを浮かべた。
 セックスライフを楽しむ気満々、といったところか。
 これは、フラグだろうか。今日も俺の身体は持つのだろうか、と少しだけドキドキした。

「その前にね、今日は夏樹とやりたいことがあるんだーふふ」

 秋之はそのまま両手で俺を押し倒し、さっきまで共に寝ていた背後のベッド上へと身体が沈む。

「わっ」

 これは、この感じ……また止まらなくなるやつ……!
 秋之が俺の上に丁度重なるような体勢になった。
 締め切ったカーテンの隙間からこぼれる日差しが、俺たちを仄かに照らす。

「……覚えてる? 僕がやりたかったこと」

 秋之は自分の陰茎を右手でそっと持つと、そのまま俺のすぐ顔面下へ突き出してきた。

「あー」

 俺、てっきりフェラかと思って口を開けたら――。

「あっはは! 違うよ~夏樹ってば! してみてもいい…? 夏樹のおっぱいでパイズリ」

なんて言うから。
顔から火が出そうなくらい、めちゃくちゃ恥ずかしくて、堪えられなくて……両手で顔を覆ってしまった。

「~~~~っ!! 言えよ……バカ……っ!!!」

「ごめんってば~! ごめんって! どう? やって……みる?」

「いいけど……俺、できるかな……ん……っ」

「まって? まずはここ、しゃぶってもいい? …夏樹の乳首、本当にえっちだから、僕、大好きなんだよね」

 右乳首に吸いつくと下先で責め立てる。ちゅぷちゅぷと吸った後、俺にそっとキスをした。
 そして舌を絡め合った。

「はっ……はぁ」

 見つめ合ったまま、キスを交わしながら右手で秋之の陰茎に触れる。
 さっきよりも熱くて、大きくなってきてる。

「ふふ、スベスベにするからね~」

 北岸がローションを胸部へと馴染ませる。
 両手が俺の胸の谷間を撫でると、そのまま両乳へと指を滑らせ、親指と人差し指で乳首をつまむ。
 ローションで滑らかになり、いつもより一層感じやすくなった気がした。

「ま、またぁ……そこ……」

「気持ちいい? だって……スキなんだもん……ここ弄られた時の夏樹の感じてる顔」

 互いの肌が触れ、徐々に、そして確実に体温が上がっていく。
 少しだけ緊張した秋之の、顔

「……いい? 押さえるよ?」

 秋之のソレが俺の胸のど真ん中に真っすぐ密着した。
 すごく……厭らしい匂い。昨晩の事をつい思い出し、興奮してしまう俺。

 咥えたくなる。

 そんな衝動を我慢しながら、俺は自分の大胸筋を中央へ寄せるように両手で寄せてみる。

「……あったかい。ちゃんと挟まってる?」

「ふふ、うん。夏樹の肌、柔らかい……」

 自分の胸の狭間から俺の顔面へ向いている亀頭が目に入る。

「ぁ……舐めたい……、ムリ……動かして」

「ゆっくり……」

 俺の腹部に跨っている秋之が自らのそれを左手でそっと谷間へ押さえつけながら腰を前後に動かし始めると、ぬるぬると目の前で擦れ始める。
 初めての擦れる感触。こんなに間近で、少し目のやり場に困った。

「ぁ……なんかさ……不思議な感じ……」

「気持ちいい…。大丈夫? 痛くない?」

 秋之が俺を見つめ囁く。

「うん。もっと早くても、平気かも」

「ん~~? 言ったね? 夏樹」

 ほんの少し悪巧みをするような表情で秋之は言った。
 俺はしっかりと彼のソレを逃がさないように胸部で挟み押さえる。
 両指をピンと広げ秋之の竿を固定しつつ谷間の中へと、力を加え押さえつけた。

「秋之、いいよ、手、放してみて」

「……あっ……これ、ヤバ……はぁ……ぁ……」

「すんごいぬるぬるして……うう……咥えたいのに、届かない……っ!」

 俺は舌を亀頭の先に向けてみるが、難しそう。シュン。

「ちょっと夏樹! その顔……えっち過ぎるよ……もう! …っ! …ふっ…ぅ」

 秋之は腰を前後に擦り付け、少しずつ速さが増していく。

 ヌチュ…ヌチュ…ヌチュ…

 俺の谷間で擦れているそれが、更に大きく、熱を帯びているのが伝わってくる。

「まって、激し……あ!」

 亀頭の先から先走り液が溢れ、俺の鎖骨の下に滴る。
 谷間が擦れ熱くなり、俺自身も興奮して呼吸が熱く乱れ始めた。

 身体、あっつい……。
 俺のも、たぶん……勃ってる気がする。

「わぁ……夏樹、だめかも……ごめ……んんっ」

「イキそう?そのまま出して……!」

「はぁ……ぁ……っ! あ……うあっ……出る! 出ちゃう! イク……ぅっ!」

 亀頭の先から精液がビュルルッっと放たれると、口内と下唇から顎にかけて、俺の顔面をパタパタと厭らしく濡らした。
 両手で秋之の陰茎をそっとしごきながら、綺麗に精液を指に絡め取り舐め上げて見せた。

「ちゃんとイけたね、秋之」

「あ……はぁ……はぁ……次は、夏樹の……番だよ……?」

 額に汗を滲ませ、顔を赤らめた秋之は、俺の方へ背を向けたかと思うと前屈みになる。
 そして俺のモノを小さな口で咥えると、ジュプジュプとフェラし始めた。

「じゅるるる……ん……ふふ……はぁ……ん、じゅる……」

「あ……っ……ふ、うっ」

 舌が俺の亀頭から陰茎にかけて激しく纏わりつく。
 それは激しく蠢いて、意識が全部もってかれる。
 全て咥え切ると、喉の奥で擦れ快感の波がじわじわと押し寄せてきそうになる。その静かな快楽の予感に胸を膨らませてしまう。

 目の前には、かわいい玉袋とぷらんとした陰茎。
 先程イったばかりの秋之のソレを口に含む。

「っあ……」

 だが、秋之の舌使いに圧倒され、熱い吐息と喘ぎ声が駄々洩れになるだけだった。
 自然と腰を上下させてしまう。

「んぐっ……ん……んふ……ぐ……ぷはぁっ……ずっごい大きくなってきたよ」

 愛しそうに言うと、左手で亀頭とカリの部分を指の腹で摩りながら、尿道口を舌でぐりぐりと刺激した。

 それから俺は身体をヒクつかせながら、頭の中が快さで満たされるのを感じながら、秋之の口の中に込み上げてきた熱い体液を放った。
 彼はジュルルルと吸い上げ、全て飲み干し、その後も物足りなそうに暫くしゃぶりついていた。
 互いの熱い吐息がベッドの上で交わって――。


 あれ

 そういえば……白湯。
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