【R18】恋人CONTRACT

19「更に先」

　うん、爪も切ったし大丈夫。

　クチュ　…

　中指の第一関節まで、ゆっくり入れてみる。
　完全に手探りだ。
　指の腹を使い、ゆっくりかき回しながら、解そうと試みる。
　もう少し、入る……か？

「ん……いい感じだよ……思うようにやってみて」

「わかった。痛かったら、絶対言って」

　中指の先で丁寧に撫で回し、広げ、傷つけないよう慎重に愛撫する。
　秋之の呼吸は徐々に乱れ、微かに嬌声が耳に届くようになっていた。

「……っ、なつ……きぃ……じょうず……！」

　中指で始めていたはずが、今では薬指も含めた二本指の第二関節まで彼のナカを埋めてしまっている。
　敢えて、前立腺は触れない。
　意地悪かもしれないけれど。
　待ってて、秋之。

　やがて指の付け根まで入るまでになり、ローションでかなり滑らかに中まで触れられる程になっていた。
　ここに、俺のが、入るのか。

「そろそろ、いい……のかな？　中もうトロトロ」

「はぁっ……挿れてみたい？　……来て」

　彼のもとに身体を寄せキスをする。
　互いの熱い吐息と期待を込めるかのように舌が絡み合う。

「ん」

　唇が離れると、唾液が細く糸を引き、下唇にその感触を残していく。
　俺は自分の陰茎を改めて扱き、亀頭の先を入り口に押し当てた。
　すると囁かに声が零れる。

「うぅ……」

　亀頭を、しっかりと、そしてゆっくり中へ。
　腰を少しずつ、彼の方へと寄せていく。

「はぁ……あっ、あああ！ふといぃっ！」

　秋之は苦痛に堪えるかのように、乳首を立たせた胸部を反らせる。
　なんて艶めかしいんだろう。

「ごめん……！　もう、少しだけ……！」

「くっ！！　っ！　……あっ」

　グググ……
　先に先にと進みたくなるが、我慢。

「動かす……平気？」

「あ……あ、う……へーきぃ……あ」

　俺はあの場所を刺激させたくて、腰の位置を調整し、優しくゆっくりと亀頭を当ててみ　た。
　この上向き加減なら、たぶん、問題ないはず。
　俺は中を微かに突き、擦り続けた。

「は……ぁ…あ…あっっ…ぜん…り…せ…っ」

　快感に耐えきれず振り絞られる声。

「気持ち良さそうな……顔してる……？　良かった」

「うん、きもちいい……、もっと……こすってぇ……」

「早く、動いてい？」

　ヌチュ　ヌチュ　ヌチュ　…

　接合部分のローションがクプクプと音を立て、穴がヒクヒクして俺を締め付け誘惑する。
　俺がピストンする度に秋之の陰茎は揺さぶられ、先走りの液体が腹部の上にパタパタと滴った。

「突いて……！　遠慮しないで…！」

「っ！　良いんだな！」

　一定間隔でその場所を攻め続けた。
　いつからだろう、俺のモノだけで秋之を喘がせてイかせてみたい。そう思い始めていた。
　まさに今、俺の目の前で秋之が善がって感じている。
　直腸も深く突くことで互いに大きな快感を更に得て、その行為は激しさを増した。

　タンッ　タンッ　タンッ

　ほど良く抜いたあたりで再び奥を突く。
　繰り返していると、中がローション更に行き渡り、潤ってきてスムーズに入る気がした。

「夏樹……僕……！　あ……出……そう……っ」

　俺はひと呼吸置き、しっかり臀部を固定させると激しく腰を打ち付けた。

　パンッ！　パンッ！　パンッ！　パンッ！

「ひゃああっ！　……あっ！　ああ！！　なつき！！　…！」

「ふんっ！　ふ……！　んっ！　んんっ！　あああっ！」

　秋之もう限界かな？
　これが最後……前立腺攻めれるかも……！
　ピストンで抜いたと見せかけ、再び前立腺目掛け、小刻みに亀頭で固くなったこそを刺戟する。

　ジュッ　ジュブッ　…

「～～～～っ！！！」

　秋之の体がビクビクッと痙攣する。
　意識が飛びかけているようにも見える。乱れた前髪の間から性欲に支配された瞳が揺らめいていた。
　彼が、なんだか消えてしまいそうな気がして。
　俺は強く抱きながら、なんとか意識も身体も繋ぎ止めようとしていた。

　ジュッジュッジュッジュッジュッ

　そして、亀頭から白濁した液体がゆっくりと滴る。

「凄い、先からどんどん溢れてくる」

「あ……あぁ、いっぱい突いてくれたから……精液、止まんないぃ……！　あっ……」

「だめ、だ、まだ動きたい」

「え？」

「僕の中に突っ込んでグチャグチャにしてほしい。あの時、そう言ったよな」

「……んうっ！！　ああっ！」

　ズチュッ　ズリュッ　ズリュッ　ズッ　ズッ

「はっ、は！　あ！　っ！　ナカ、出す！　…いい！？」

　彼の両太腿をしっかりと手で固定し、俺は本能のまま、秋之の直腸を深く、激しく犯す。
　男のナカを、今度は俺が初めての経験する事になるとは。

　ズッズッズッズッズズズズズズズ

「あん！　お……あぁ！　ぜんぶ！　だしてぇ……あぁあ！　なつきの、激し……すぎぃいっっ！」

「ほら！　潮吹き、したいんだろ……っ！！」

「はぁ、はぁ！　は、あぁあ……！　きちゃう！　きちゃうよぉ！」

　秋之は右手で自ら亀頭から陰茎の中程まで激しく扱き始める。

「っ！　あ、イク！！　……！　あああああっ……！！！」

　俺は完全に突っ込んだまま、中に全てを注ぎ込んだ。

「っ！！　っあ……僕も、だめ！！　あああーっ！！」

　ビシャァアッ……！

　秋之は体を捩らせ、自らシコっていた先から、潮を吹かせる。
　体液が飛び散り、勢い良く出たそれは、彼の顔面をも濡らした。
　腹部から胸部、そして鎖骨を伝い、シーツへ透明な体液がつやつやとした肌の上を流れる。
　白濁した体液も肌の上に散り、俺は堪らなく何もかも愛しいと感じた。

「ふふ……夏樹の顔見て……興奮してたら…、潮……吹いちゃった……はぁ……」

「気持ち良かった？」

　彼の胸部に散りばめられた体液に濡れた乳頭を、舐めて、吸って、甘噛みする。
　甘い声。
　全身を撓らせると、彼の手は俺のをまだ欲しそうに優しく手首に触れた。
　体力が尽き果てるまで、俺達は何度も、抱き合った。