【R18】恋人CONTRACT

ichientei.U

文字の大きさ
上 下
15 / 40

12「俺のはじめて」

しおりを挟む

「~~~~っ!」

 俺は途端に恥ずかしくなって、両腕を上げ顔を隠した。

「宮田君……初めて、だよね、ここ使うの」

 俺は、ただ静かに頷いた。
 顔、見られたくない、のに。

「ほら、見えないよ顔……。恥ずかしい?」

 だって、今更だけど、どんな顔すればいいんだよ。
 分からない、引かれたらどうしよう。

 北岸のぬるぬるの指が、俺の、中に――。

「ひぁ! あ!」

「……少し慣らしてみよ、力抜いて」

 指が抜き挿しを繰り返しながら、そして内壁を撫で回すようにして徐々に侵入してくる。
 異物感に慣れなかったが、それはほんの少しだけ、快楽に変わっていくのが分かった。

「ね? 気持ち良くさせてあげるから、顔、見せて……お願い」

 北岸に促され、俺は顔面を隠していた両腕をゆっくりと、恐る恐る下ろす。

「……俺、どうしたら……わから……な」

 寂しそうにしていた北岸が見えた途端、彼は俺に優しく何度もキスした。

 柔らかい……。なんだろう。すごく、安心する……。
 全身の力が抜けそう。
 ナカのある部分を指の腹で強く押され、刺激されると、俺の体は激しく感じて、背筋が伸び、身を捩らせた。

「んうっ……!!」

「それでいいの。感じていいんだよ、素直に……」

「……あっ、なんか、そこ……っ」

「コリコリ。ここ、前立腺だよ」

 指の腹で優しくソコを撫でる。

「ああっ!……だ……めぇ」

「ここの感じるとこ、覚えておいて。今から僕ので擦って突いてあげる」

 俺のモノを扱く手と前立腺を刺激する指から、やっと開放された。
 マトモに呼吸できるのも、今のうちかも知れない。
 でもなんだか、寂しくて。下腹部がウズウズしてくる。
 もう既に、待ち遠しくて。

 ほわほわした頭の中で、ベルトのバックルがカチャカチャと音を立てているのが聞こえる。あの時のように。

 初めて、男とセックスするんだ。
 俺どうなっちゃうんだろ。

 うわ、北岸の……え、
 ガチガチのあれを俺のに……ほんとに……入れんの?

 あ、しかも、そうだ……俺の部屋には今ローションが……。
 禁欲生活継続してたこと……忘れて……た。
 ……ってことは……。

「……ごめん宮田君……。これ……」

 ですよね。
 ローションが無くて、ごめんなさい。



 俺は、初めて男の亀頭を恐る恐る咥えた。
 どうしたら、どうしたら竿が濡れる?
 どうしたら、北岸が気持ち良くなれるだろう。
 リビングの床で四つん這いになりながら俺は思考を巡らせ、考えた。
 恥ずかしがっている余裕など微塵も無かった。

 これ、どのくらいまで咥えられるかな。

「は……むっ……んっ」

 口で優しく扱く。
 数回往復させる度、唾液で陰茎が徐々に滑らかになるのを唇で直接感じ取ることができた。
 先走りを吸い上げるようにチュプチュプと亀頭をしゃぶり、唾液を絡める。ほんの少しの 塩っぱさと男臭い野性的な味が俺の口の中をいっぱいにした。

 この独特な味……コーフンしてくる……。

 亀頭から口を離すと、細く糸が引く。
 俺は自分の舌に唾液をたっぷりと絡ませ、様々な角度から陰毛にまで唾液が滴るくらいに彼のソレ全体を満遍なく舐めまくり、潤わせた。

「僕……はぁ……もう……ぁ」

「んっ……?」

 気付けば、北岸の息が上がっていた。
 俺は口の端から先走り液が顎に伝っていく感覚すらも気持ち良くなっていて、フェラが止まらない。

 彼は俺を起き上がらせると、後ろのベッドへ仰向けで座らせた。
 自らの唾液で指を濡らすと、再び俺の中に挿入する。
 解しながら、入り口を広げるように、ゆっくりと弄っていった。

 そして、北岸の大きなソレが俺の入口に当たると、快楽の方へ一気に思考が振り切ってしまった。

「ふうっ……!」

 亀頭の先で肛門の周りを撫で回されている。
 ぬるぬるになっているのが滑らかさですぐに分かった。

「いい? 挿れるよ」

 とうとう、北岸とセックス……。
 俺はできるだけ体を楽にして、シーツを掴み覚悟を決めていた。だが――。

「んっ!! あ! ………! あああっ!」

 普段、排泄に使われる部分、そこに大きな陰茎が挿入されていく。
 少しずつ、確実に俺のナカを埋めた。
 北岸の、表情が微かに歪んでいる。

「あ…! ふ…ぅ! き…つ…!」

 だめだ、未知の感覚が迫ってきて強張ってしまう。

「ちか……ら! ぬけない…っ!」

 侵入する異物を排泄しようと、ナカが拒絶し、北岸のモノを強く締め付けてしまう。

 いっそ、もう……!!

「んん! 動いて……きた……ぎし!」

「え? だって」

「ぅ……ん! ……慣れる…から…ぁ!」

 もう無茶苦茶だ。自分の身体、壊れてもいいとすら思った。
 俺は深呼吸すると、それに合わせて北岸もゆっくりと挿入したソレを動かし始めた。
 呼吸を整えたあとの眼光の鋭さを垣間見た俺は、ゴクリと息を呑んだ。

「あっ……あ……あ……っ!」

 ピストンされてる、俺。
 嘘みたいだ。

 ズッ ズッ ズッ ズッ …

「あ……あぅ! ……ほんとに……入って……! んあっ」

「はぁ……っ…ふっ、うん、入ってる。宮田くんの……おしりに、あっ……僕のが入って……動いてるんだよ……!」

 ヌチヌチと接合部から溢れる卑しい音と先走り。
 初めてナマで犯されているという、この現実に無性に興奮した。
 肉が、粘膜が擦れて動かされる感覚、直接触れ合い感じる体温。
 体の奥が、熱い。

 俺は真正面の北岸と向かい合い、全て曝け出して、ただ、あんあんと嬌声を響かせていた。
 ついさっき弄られた前立腺を擦り、突かれながら。

「ひ……! ぅぐ……! ……ん! なんか……へん!」

「僕ね、ひと目見た時から……絶対一緒になりたいって……思ってたんだ……」

「え……? ……ん……あ! あぁっ! ……!」

「……この人しか居ないって……! んんぅ!!」

「あああっ!!」

 一気に突き上げ感情を身体にぶつけてくる。
 それ以降、動きは激しさを増して、根本まで深く交わり、肉がぶつかり合い厭らしい音を部屋中に響き渡らせた。

 パンッ パンッ パンッ

「いっ…! ああっ! ううっ、ふぁ……ああ! ぁ…!」

 奥が壊れそう……感覚の何もかもを通り越して、意識……飛びそうなんですけど……っ!!

 北岸の苦しそうな声。

「あっ! はっ! 締め付け……エグいっ、あ、あっ! んっ! ふんっ!」

「も……だめ! ……あぁ!! ……きもち……い……もっとぉ! んぁ、あ!!」

 頭の中も体も、ぐちゃぐちゃだ。自分が何を言ってるのか思考が追いつかない。
 お互いに汗だく。唾液なのか、涙なのか、もう、わかんない。

「ふふ、自分でシコっちゃうの? 本当に…えっちだね、宮田くんは……!」

「えっ……! ちが、う……!」

 俺、右手で自分のをシコってた、いつから。
 どれだけ欲情してるんだ。
 どちらにしろ、もう止められない。どうにでもなれと、吹っ切れた。

 先走りを手の平に馴染ませ陰茎を扱いた後、亀頭の部分を手のひらで握り込み、刺激させた。

 先っぽ擦れてるだけなのに、気持ち良くてヤバい……。

「あ……っ! ああっ!」

「そのまま、続けて…! もしかしたら一緒に……気持ち良くなれるかも……!」



 北岸は腰を激しく振り続けた。
 迸る汗。
 苦痛に歪めむ顔が堪らなく綺麗に見えて、喘ぎながらも、俺は魅入ってしまった。
 そして見つめ合う。
 身体を繋げながら、視線すらも交わるこの一瞬ですら虜になってしまいそうだ。

 ズジュッ ズジュッ ズジュッ …

「きもち! ……い……! ……?」

「う……! いいっ! すご! ……く……うっ!!」

「よかっ……たっ!!」

 北岸が俺の方に上半身を傾け、更に深く突こうとする。
 彼の陰茎を完全に咥え切っている状態であるにも関わらず、まだ先へと進もうとする。

 あ、何か来そうな気がする。
 体の奥の方から。下腹部が変にウズウズし始めてる。
 それが射精なのか、尿意なのか分からない。その波がざわざわと押し寄せてくる気配。
 俺は内心かなり焦っていた。

「きた、ぎし! なにか……来そう! ど、どう……しよぉ……あっ! あああっ!」

「だいじょぶ……っ! 止めないでっ! シコり続けて! 僕……イキそ……ぉ!!」

「あっ! 来る!! ……漏れる!! ああっ! ああああっ……んんぅ!!!」

「はぁ、はぁ! ……あ、あっ! ああ……! イク!! 中に……出すよ! ああっ! っあ! ……あ! ……っっあ……!!!」

 ブシャァアアァ ビュルルビュルルッ

 自分の陰茎から勢いよく吹き出す体液。
 挿入されているソレから熱い精液が俺の中に注がれた。トクトクと下腹部のナカで脈打つ感覚と自分の心音を感じながら、俺は今度こそ完全に、果てた。
 身体の痙攣が、止まらない。

 興味本位で、スタンドミラーに視線を向けると抜かれた穴からドポドポと白濁した体液がこれでもかというくらい溢れて出ていた。

「はぁ、はぁ……はぁ……僕たち…体の相性、良すぎない? ……ダイジョブ……?」
荒い息づかいのまま、北岸が言った。

「は……ぁ……っ……うん……も……無理。からだ、動かない……」

 ――あれ?

 確か俺、

 酔い潰れた同期に水渡しに行っただけだよ?

 なんなんだよ、この展開!!??

 心の中で大声で叫ぶ。

 俺たちは、びしょびしょに汗と体液で濡れた状態で暫く深い余韻に浸った。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

食の冒険者 〜ご飯冒険記〜

O.K
エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

ヤンキーの俺、なぜか異世界の王子に溺愛される

BL / 連載中 24h.ポイント:3,876pt お気に入り:488

竜王陛下の愛し子

BL / 連載中 24h.ポイント:11,709pt お気に入り:223

同室者の怖い彼と、僕は恋人同士になりました

BL / 連載中 24h.ポイント:1,257pt お気に入り:29

是が非でも婚約破棄したい話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

極道になる男の末路...

ミステリー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

僕の部下がかわいくて仕方ない

BL / 連載中 24h.ポイント:682pt お気に入り:24

処理中です...