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アニメだとヒロインが揃う頃

さよなら

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「トーヤ!こちらへ来ないとこの女が死ぬぞ!」

怪しげな人はリンゴの首元にナイフを向けます。

「トーヤ!そちらへ行ってはダメ!」

エーテはトーヤを止めます。

(んー、捕まっちゃった。助けてー、とかトーヤに言うのやだしなぁ。あとで絶対何か言われるからなぁ。
 まぁこの状況、トーヤも期待してるであろう一言を放ってやろう。)

「トーヤ!私に構わず逃げろ!」

リンゴは捕まっている腕を振り解こうとしながら叫びます。

(ほら!言ってやったぞ!あとは、
 
そんな事出来る訳無い!

とか言って助けに来いよな!こういうのが好きなんだろ!)

「そんな事出来る訳無い!」

「ならば私と来い。」

(うんうん。そうだろ、そうだろ。可愛い女の子が捕まってるんだもんな。助けたくなるよな。)

「いや、俺はエーテの物だ、エーテが行くなと言われたら俺はそちら側に行けない。」

「えっ、ちょっと、トーヤ?」

なんか予定と違うんじゃ無い?と言わんばかりな顔をしているリンゴ。

「ならばこの女は我々の国で奴隷として働いてもらう。毎日が死よりも苦痛だ。」

「そうか、ならばいっそ俺の手で楽にしてやろう。」

「え。」「え。」「え。」

一同が、それでいいのかという顔をしています。それは、行くなと命令を出したエーテすらもでした。
トーヤの哀しげな表情。けれど一瞬口元がにやけました。

(あいつ楽しんでんじゃん!絶対嬉しがってるよ!)

「させるか!」

怪しげな布の下から放たれた無数の杭はトーヤの火炎瓶を壊しました。

「クソッ!ならば俺も!スキル!ナイフ!」

トーヤもスキルでナイフを出し怪しげな人に投げつけました。すると、さっきまでトーヤの頭上にあった青色のバリアが敵の前に現れました。

「俺は一度見た魔法は修行せずに使えるんだよ。今のはさっきこの女が見せてくれた防御魔法。全く、あれが無かったら死んでたかもなぁ?」

「おいおい、チートは主人公の特権だってのによ。そろそろ素顔を見せたらどうなんだ!」

布の下から現れたのはトーヤと同じくらいの少女でした。
長い黒髪にスレンダーな体のシルエットがよくわかる肌にぴったりの服。腰には剣を着けています。

「さっきのを見たところお前も魔法使いか?それじゃあ勝負をしよう。戦闘不能まで追い込んだら勝利。私が勝ったらお前は私の物だ。」

「どいつもこいつも...俺に人権は無いのか。で?俺が勝ったら?」

「私を好きにしていいぞ?」

自分の体を自分で抱きしめトーヤの事を誘惑する女。それを見て紅くなるトーヤ。2人の世界にリンゴとエーテの存在はありません。

「それじゃあ行くぞ!一刀修羅!」
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