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ゲームで言うチュートリアル編

世界ってどうやって救うんだ?

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(と言っても俺はどうすればいいんだろう。身体は大きくもなく筋肉量だって中学3年生平均値だ。取柄.....自分の取柄......名前も決めなきゃか.....)

あれこれ考えていると少年の居る部屋に1人の少女が入ってきた。少女は少年より背が少し高く、茶髪が腰の辺りまで伸びていて、そして何より誰もが口を揃えて求婚しそうなくらい綺麗だった。ただ1つ、普通の少女とは違うところがあった。

「えっと、なんで兎の耳をつけてるの?流行り?ここはどこ?」

「ここは18番地、私はここ18番地に住んでいるソーラです。この耳は生まれつきです。18番地はこの様な耳の人間が多いいです。あなた、名前はなんて言うのですか?」

「えっと....俺の名前は.......」

(さぁてと困ったぁ!ここで複雑なキャラや設定を立てておかなければ俺の望んだ世界で俺の望んだ生活が出来ない!
例えを述べよう!海賊王目指して旅してる奴らが海賊王になったら次は何だ?答えは高確率で最終回だ!麦わらの一味は俺たちの中で永遠に海賊王のままになってしまう。強大な敵を倒した後に放つ主人公の言葉は?答えは、俺たちの戦いはこれからだ!と言って彼らは永久に剣を振り回し続けるだろう。
よって、以上の事から導き出される答えは....)

「ごめん、俺は気がついたら突然空高くにいて、その時に落ちてきた衝撃で過去の記憶が無いんだ。名前なら君が呼びやすい名前を決めてくれ。」

(決まったぁぁぁぁ、決まりました!俺の完璧な策略!アニメの中で記憶を失ったキャラがいればそいつは必ず主人公か主人公の取り巻き!この世界は俺が望んだ世界!よってこの世界の主人公は俺!そして主人公の記憶が戻るのは最終回かその手前!だが俺は記憶を失っていない!つまり最終回は俺が地球での事をうっかり話しちゃった時!自分で最終回を決められる。最高のキャラだ!)

「では、キ○トさんで....」

「まって、それはだめ、ダメゼッタイ。」

「何故ですか?私はとてもいい名前だと思いますけど...まぁあなたが嫌がるのなら......では、ル○ーシュさんとか...」

「だめです。絶対に、最後死ぬから、絶対に、絶対に。」

「では...ナ○トさん?とかはどうでしょう?」

「おい、さっきっからふざけてやってるだろ。」

「え、えっとー、わかりました。紙に名前を書くのでその中から選んでください。」

「わ、わかった。よろしく頼むよ。」

(おかしいなぁ、この世界にも漫画やアニメがあるのか?しかもさっきっからソーラさんの付ける名前のキャラ達って生死の境目くぐりまくりなんですけど。もしかして俺が望んだ世界ってスーパーハードモード?)

「終わりました、10個くらい書いてみました。お気に召す物があれば...」

「あぁ、うん、えっと、べ○・クラ○ル、ロク○ウ、シ○ンにカ○マ......って全部被ってるよ!あぁー!地球に帰って漫画読みたくなってきた!アニメみたい!ラノベ読みたい!アキバ行きたい!ゲームやりたいぃぃぃぃぃぃ!」

少年が赤子の様に愚図り始めた瞬間、ソーラの目が2倍くらいに開いた。

「あなたは.....地球から来たのですか?.....でもさっき過去の記憶が無いって.......もしかして記憶が.........」

「あ」

(瞬間、俺の中で築き上げられた設定、キャラが崩れる音がなった。)
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