それでも私は生きている 。それでも私は生きて行く。

天野 みろく

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第8章 

霊媒体質

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私が小学校6年生の頃、学校から帰って来ると姉はバイトで私1人だった。

夕飯は叔母の家で食べ、自分の家に戻りシャワーを浴びていた。

私達の住む部屋の真下には小学校低学年の女の子とその弟の兄弟が住んでいた。
たまに遊んだりして弟、妹の様な存在であった。

その子達が寝る間際まできゃっきゃっきゃっきやっと3階の私の家にも声が聞こえていた。

シャワー🚿をしながらでも聞こえるほどだ。

『いーち、にーい、さーん、しーい…』

と、子供が数を数える声が聞こえてきた。少し奇妙に感じていた。何故なら声が近く感じたからだ。
でも、あまり気にも留めなかた。下の階の子供達だと思い込んでいたからだ。

私『下の子達元気だなぁ…』

………………………。

どれだけの時がたったのか…

気がつくと叔母、叔父、姉、その他親戚の顔が私を取り囲んでいた。

叔母『良かった…やっと目を覚ました…』

何が何だか状況がわからない私は思わず、

『皆んなどうしたの?何があったの?』

叔母『あんたは、風呂場で倒れたんだよ。鍵かかってるから、叔父さんが助けてくれたんだよ』

叔父に目をやると、右手には包帯が巻かれている。素手で窓を壊して私を助けてくれたらしい。

私は病院のベッドで横たわっていた。

それから1週間検査入院をしたが、原因はわからなかった。
医者が言うには頭をぶつけて脳しんとうを起こしたんではないかと…

私には全く頭を打った記憶がなかったが、その場の雰囲気で頭を打ったような気がすると答えていた。

ただならぬ様子に霊感の強い叔母は、私が退院するやいなやユタを家に呼び私たちの部屋をみてもらった。

ユタとは、沖縄にいる霊媒師のことで沖縄では、『医者半分ユタ半分』と言う言葉があるくらい身近な存在で、家庭内の相談事から霊的な物まで見てくれる霊媒師である。
勿論、偽物も存在していて、お金を騙し取る人も…また、霊力があっても弱い人もいるのでその辺は口コミと言うか知り合いからの紹介が多い。

そのユタが私達の家に来るなり何やら儀式の準備を始めた。

私になにやら、白い糸の輪っか状になった物を頭に乗せ生米をなにやらイジって話し始めた。

ユタ『お風呂だねー。たまに出てくるね。』

ユタはお風呂に向かった。そして何やらぶつぶつと話しをしていた。

呪いのような呪文のようなものを唱え出し私に向かって物凄い形相で何かを言った。

私が怒られている様で怖かったが、次の瞬間ニコニコと笑顔になり、

ユタ『ごめんねー怖かったねーでも、もう大丈夫さー』

と言って帰って言った。
私は何故かスッキリした様な安堵感に包まれ疲れて眠ってしまった。

ユタは何をみたのか?私には誰も教えてくれなかった。

が、暫くして叔母の家から叔母と叔母の妹がなにやらこの間の事を話しているのが聞こえてきた。

与那国島の言葉だったので全ては理解出来なかったが、おおよそこんな感じだった。

※沖縄は、島々で方言があり沖縄の人でもわからない言葉は多数存在する。
特に与那国島は独特で台湾に近いことから台湾の言葉も少し混ざっている。

私達があの部屋に住む前に妊婦さんが住んでいたようだ。
旦那さんはいなく、1人で住んでいたらしい。
ある日、仕事から帰ってお風呂に入った時にお腹が痛くなり、そこで流産してしまったようだ。
とても悲しい話しだった。

ユタが言うにはある日にち、ある時間、タイミングが会うと亡き子供が現れると。
そして私が、霊媒体質であることも話していた。

叔母は私に言ってた事がある。幽霊が出るような場所には絶対行くなと…

多分、私は取り憑かれやすい体質なのだと思う。ただ、自分家のお風呂が原因ならそれは不可抗力だと思う。
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